• 韓国ドラマの中には、以前にも観たことがあるようなドラマに遭遇することがある。
  • それは、視聴者の求める者を世に送り出す目的から、人気作や話題作を意識して制作されたドラマが多いから。
  • 今秋も既視感たっぷりで、観る者を魅了すること間違いなしの新作ドラマが勢揃いしている。

韓国ドラマを視聴していると、前にも観たような気がする作品に出会ったことはないだろうか。

これは韓ドラ界が、観る者の求めるドラマ作りを重要視しているのが理由の1つ。人気や話題をさらった作品のジャンルや設定、話の大筋など、視聴者から好評を得たポイントを掴み、新たな要素を加えて新しいドラマを作り出しているからだ。

今秋もそんな既視感たっぷりな新作が放送を控えている。

そこで本記事では、つい「どこで観たっけ?」「あのヒット作の匂いが‥」と考えてしまうかもしれない秋の新作ドラマを6つご紹介。

蓋を開いてみると全く違っている可能性もあるが、現段階で公式に発表されている内容だけを見ると、過去のドラマとよく似た設定の作品をピックアップした。

 

ヒョシム家の各自図生 (KBS)

優しい性格で自らを犠牲にしてまで家族に献身的に尽くしてきた四兄弟の三女ヒョシムが、自分を苦しめていた家族から離れ、独立した人生を歩もうとする物語。

元AFTERSCHOOLのユイがヒョシム役を担当、夫を亡くし悲しみに暮れる母の泣き声を聞いて一家の大黒柱になることを決意、大学を自主退学し朝から晩まで働いて家族を養うキャラクターを熱演する予定だ。

そんな彼女といえば、約3年前に最高視聴率46.75%を叩き出した大ヒットホームドラマ『たった一人の私の味方』(KBS2/2018)で主演を務め、物語を先頭に立って牽引した女優。

『ヒョシム家の各自図生』とやや境遇は異なるものの、『たった一人の私の味方』でも自分のことは二の次で、ロースクールに通うために貯めていたお金を妹の留学費用に充てるなど、心優しい性格の持ち主を熱演した。

また両作は、ユイ演じる主人公を取り巻く家族をテーマにした物語という点でも共通しており、『ヒョシム家の各自図生』の大ヒットを予感させる。

『ヒョシム家の各自図生』

『ヒョシム家の各自図生』(画像出典:KBS)

●出演:ユイ、ハ・ジュン、コ・ジュウォン他
●韓国放送開始日:9月16日


ヒョシム家の各自図生

輝くウォーターメロン (tvN)

CODA(耳が聞こえない、または聞こえにくい親のもとで育つ子ども)の少年が、怪しい楽器店を介して見慣れない空間に不時着し、そこで出会った若者たちとバンドを結成するファンタジー青春ドラマ。

現代に生きる高校生ハ・ウンギョルが、1995年にタイムスリップしてはじまる物語で、18歳の同い年の父親と友情を築き、そこで出会ったミステリアスな少女と初恋も経験するという。

比較的コミカルにその様子が描かれており、父親が高校時代にタイムスリップし我が子と同級生になるファンタジーロマンチックコメディー『18アゲイン』(JTBC/2020)と、やや似た匂いが。

またミステリー要素が入っているため本作と世界観は異なるが、時間旅行を題材にした『偶然出会った、あなた』(KBS2/2023)に多少似たものを感じる人もいるかもしれない。

『輝くウォーターメロン』に出演する(左上から)リョウン、チェ・ヒョヌク、ソル・イナ、シン・ウンス

『輝くウォーターメロン』に出演する(左上から)リョウン、チェ・ヒョヌク、ソル・イナ、シン・ウンス(画像出典:LUCKY COMPANY、GOLDMEDALIST、ⓒ TOPSTAR NEWS)

●出演:リョウン、チェ・ヒョヌク、ソル・イナ、シン・ウンス他
●韓国放送開始日:9月25日


輝くウォーターメロン

無人島のディーバ (tvN)

15年もの間たった1人、無人島で生きてきた歌手を夢見る少女モクハが、救助されてディーバに挑戦するヒューマンドラマ。

モクハの周囲には、彼女が愛するディーバでかつては人気を誇ったランジュや、無口で落ち着いた性格の芸能プロデューサー、家族愛の強い記者、ランジュが所属する芸能事務所の代表で学歴、ビジュアル、マナーの全てを併せ持ったエリートCEOが登場、個性あふれるキャラクターがより一層物語を盛り上げる予定だ。

主演を務めるのはパク・ウンビン。彼女といえば、昨年の世界的話題作『ウ・ヨンウ弁護士は天才肌』(ENA/2022)での熱演が記憶に新しいが、同作にも魅力ある登場人物との関りを通して成長していく主人公の姿を描き出していた。

『無人島のディーバ』でもそのような姿が見られるのだろうか、パク・ウンビンの演技が期待される。

『無人島のディーバ』

『無人島のディーバ』 (画像出典:tvN)

●出演:パク・ウンビン、キム・ヒョジン、チェ・ジョンヒョプ、チャ・ハギョン他
●韓国放送開始日:10月21日

ソンジェ背負って走れ! (tvN)

生きられる時間が残りわずかとなった男性トップスターリュ・ソンジェと、彼を助けるために過去に行った熱烈なファン、イム・ソルを描いたタイムスリップファンタジーロマンス。

15年前に戻ったイム・ソルが高校生のリュ・ソンジェに出会い、彼が悲劇的な未来を迎えないよう奮闘する物語だ。

これと似た設定の作品にイ・ボヨン主演の『神様がくれた14日間』がある。

我が子を誘拐された末に殺されてしまった母が、娘の亡くなる2週間前にタイムスリップし、なんとかして子どもを守ろうとする話だ。

『ソンジェ背負って走れ!』にはロマンス要素が含まれているため『神様がくれた14日間』とは一味異なる仕上がりとなっていることが予想される。大切な人を守ろうと奔走するストーリーは、果たしてどのように描かれているのだろうか。

ピョン・ウソク、キム・へユンは、『ソンジェ背負って走れ!』で主演を務める

『ソンジェ背負って走れ!』で主演を務めるピョン・ウソク、キム・へユン(写真提供:ⓒ TOPSTAR NEWS)

●出演:ピョン・ウソク、キム・へユン、ソン・ゴニ、イ・スンヒョプ他
●韓国放送開始日:11月

誘拐の日 (ENA)

少し間抜けで気弱な誘拐犯と11歳の天才少女の特別な協力関係を描いたブラックコメディー。

物語に関する詳細がそこまで明らかになっていないため詳しくは分からないが、ティーザー映像を見る限り、どうやら2人の間には特別な絆が生まれるようだ。

その観点でみると、叔父と甥が徐々に心を通わせていく姿が視聴者を魅了した『アンクル ~僕の最高のおじさん~』(TV CHOSUN/2021)に少々似ている印象。

誘拐犯のおじさんと少女が、どのような物語を描き出すのか興味をそそる。

『誘拐の日』

『誘拐の日』(画像出典:ENA)

●出演:ユン・ゲサン、パク・ソンフン、ユナ、キム・シンロク他
●韓国放送開始日:9月13日


誘拐の日

昼に浮かぶ月 (ENA)

愛する恋人に殺害された後時間が止まってしまった男性と、前世の記憶を失った女性の切ない転生ロマンス。

このジャンルといえば、韓ドラファンなら知らない人はいないと言っても過言ではない『トッケビ〜君がくれた愛しい日々〜』(tvN/2016/以下、トッケビ)がその代表格で、『トッケビ』から約5年後に放送された、殺すことも死ぬこともできない男が主人公の『不可殺 -永遠を生きる者-』(tvN/2021)は、一部ドラマファンの間で『トッケビ』を彷彿とさせるとの声が上がった。

過去と現在を行き来する圧倒的なスケールと魅力的なストーリーで視聴者を魅了する予定の『昼に浮かぶ月』。どのようなラブストーリーが描かれるのだろうか、放送を心待ちにしているドラマファンは多いだろう。

キム・ヨンデ、ピョ・イェジンは『昼に浮かぶ月』で主演を務める

『昼に浮かぶ月』で主演を務めるキム・ヨンデ、ピョ・イェジン(写真提供:ⓒ TOPSTAR NEWS)

●出演:キム・ヨンデ、ピョ・イェジン、オン・ジュワン、チョン・ウンイン他
●韓国放送開始日:10月25日

西谷瀬里

韓国ドラマが大好きな西谷です。現在はK-POP関連の記事を主に投稿しておりますが、韓ドラの魅力や、俳優&女優さんの活躍も随時紹介していきたいと思います。あらゆる年代の読者の方に、楽しんでいただける記事が届けられたらなという思いです。

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