韓国ドラマのラインナップが充実している、Netflix(ネットフリックス)。今や190カ国以上の国々にコンテンツを配信し、世界中の韓国ドラマファンを楽しませている。

しかし、これまでは日本メディアが大きく取り上げ、注目度の高かったNetflixオリジナルシリーズが、どうやら以前ほどの盛り上がりを見せていないよう。

記憶に新しい『イカゲーム(2021)』や『ザ・グローリー ～輝かしき復讐～(2022)』、『今、私たちの学校は…(2022)』といった世界的な大ヒットは大きな話題になったが、最近はメディアも落ち着いている印象を受ける。

そこで本記事では、2023年に公開された、Netflixオリジナルシリーズの韓国ドラマ・7作品の日本の口コミランキングを調査。

実際のところ、視聴者はどのような反応を見せているのか、映画やドラマなどのレビューサービスfilmarks(フィルマークス)の評価をもとに、★評価とレビュー数でのランキングをご紹介する。

1位：D.P. −脱走兵追跡官−: シーズン2

●評価 ★4.2/5　レビュー評価数 609件
●公開日：2023年7月28日
●出演：チョン・ヘイン、ク・ギョファン、キム・ソンギュン、ソン・ソック、チ・ジニ 他

軍の脱走兵を捕まえる部隊“D.P.”のアン・ジュノ(チョン・ヘイン扮)とハン・ホヨル(ク・ギョファン扮)が、変化のない現実と不条理な状況に絶えずぶつかりながら展開する社会派アクション。

2021年に公開されたシーズン1では、脱走兵のストーリーを中心にオムニバス形式で描かれたが、シーズン2の本作は、D.P.のジュノとパク・ボムグ中士(キム・ソンギュン扮)、そしてイム・ジソプ大尉( ソン・ソック扮)など、彼らの所属する103歩兵師団憲兵隊に焦点が当てられ、軍自体の秘密や問題点を描く内容が盛り込まれる。

filmarksでの評価は【4.2】と、2023年公開のNetflixオリジナルシリーズ作品の中では1位！

スケールが大きくなった続編に対する満足度は高く、視聴者のレビューにも「シーズン2も面白すぎて一気見」「重くて辛い内容だけど、見応えがあった」と好評を得ている。

なお、前作の公開から間があいたため、シーズン1を見た人も復習がてら再度見てから、シーズン2を続けて視聴するのがおススメとのこと。

2位：ブラッドハウンド

●評価 ★4.0/5　レビュー評価数 604件
●公開日：2023年6月9日
●出演：ウ・ドファン、イ・サンイ、パク・ソンウン、ホ・ジュノ、キム・セロン 他

本ドラマは、同名のウェブトゥーンが原作。

人の命よりお金が優先の闇金の世界に足を踏み入れた、海兵隊出身のボクサー、キム・ゴヌ(ウ・ドファン扮)とホン・ウジン(イ・サンイ扮)が、正義のために巨大な悪の勢力に立ち向かい、命をかけて戦うクライムアクション。

女優キム・セロンが途中降板したことで、後半のストーリー展開に多少の違和感をもった視聴者もいたようだが、「善人と悪人がはっきりしていて観やすい」とfilmarksでは【4.0】の高評価。

特にアクションファンからの支持を得た本作は、ボクサー役のウ・ドファンとイ・サンイの活躍が話題となり、日本の視聴者からも「アクションシーンが凄い！」「鍛え抜かれた筋肉美」といったコメントが上がっている。

全8話とテンポよく見られるコンパクト感も、プラス評価につながっているようだ。

3位：セレブリティ

●評価 ★3.9/5　レビュー評価数 1822件
●公開日：2023年6月30日
●出演：パク・ギュヨン、カン・ミンヒョク(CNBLUE)、イ・チョンア、イ・ドンゴン 他

本ドラマは、父親の会社の倒産によってお嬢様から一転、平凡な化粧品販売員となった主人公アリ(パク・ギュヨン扮)が、インフルエンサーとしてセレブの世界に足を踏み入れる物語。

SNSに翻弄されるセレブやインフルエンサーの実態、そして人間の恐ろしい本性なども描かれている。

SNSのフォロワー数や財力などで“階級”分けをするインフルエンサーの姿がありありと描かれた本作には、「セレブの実態が恐ろしい」「SNSの魔力って怖い」といった反応が多い。

特に、劇中に登場する人気インフルエンサー軍団の狂気に満ちた演技が、視聴者に強い印象を残した。

ストーリー構成は、1話あたり約45分と短いため「どんどん次を見たくなる展開」「最終回まで間延びせずに楽しめた」と好評。filmarksでも【3.9】と高い数値となっている。

4位：クイーンメーカー

●評価 ★3.9/5　レビュー評価数 604件
●公開日：2023年4月14日
●出演：キム・ヒエ、ムン・ソリ、リュ・スヨン、ソ・イスク 他

イメージメイキングの鬼才で大企業の戦略企画室を思いのままに動かしてきたファン・ドヒ(キム・ヒエ扮)が、人権派弁護士オ・ギョンスク(ムン・ソリ扮)をソウル市長に当選させるため、選挙戦に飛び込み繰り広げられる物語。

Netflixでは、初週のグローバルランキングの非英語ジャンルで1位を記録した話題作で、filmarksでの評価は【3.9】と、3位の『セレブリティ』と同じだが、レビュー数で差が開き、4位になった。

復讐劇は韓国ドラマによくある設定話だが、filmarksのレビューでは「“やられたら、やり返す”という復讐劇が痛快だった」という反応が多数寄せられている。

特に、主演女優2人が体現したカッコイイ女性像が好評で「主要キャストが全員女性なのが良かった」という声も上がっている。

5位：その恋、断固お断りします

●評価 ★3.8/5　レビュー評価数 492件
●公開日：2023年2月10日
●出演：キム・オクビン、ユ・テオ、キム・ジフン、コ・ウォニ 他

男性に病的なほどに対抗意識を持つ弁護士ヨ・ミラン(キム・オクビン扮)と、女性不信の人気俳優ナム・ガンホ(ユ・テオ扮)が、ひょんなことから恋愛をすることになるロマンチックコメディー。

filmarksのレビューでは、視聴のきっかけは「レビューを見て」という人が少なくなかったようで、「知らない俳優さんだったけど、見出したら面白くて止まらない」「期待せずに見たら、想像以上に面白かった」というコメントが目立つ。

ストーリーが王道のラブコメのため「軽快でノーストレスで見れた」「サクッとテンポ良く一気見した」と好評。

ドロドロの復讐劇を見て疲れた後のクールダウンにオススメという意見も上がり、filmarksでは【3.8】という評価になっている。

6位：マスクガール

●評価 ★3.7/5　レビュー評価数 404件
●公開日：2023年8月18日
●出演：コ・ヒョンジョン、ナナ(AFTERSCHOOL)、イ・ハンビョル、ヨム・ヘラン 他

同名のウェブトゥーンを原作にしたブラックコメディーで、人気ライブ配信者(BJ)、華やかなショーガール、囚人という3つの異なる顔を持った女性、キム・モミの壮絶な人生を描いた作品。

ドラマでは、主人公キム・モミ役を3人の女優が演じ分けている。

公開から1週間で、filmarksの評価は【3.7】。レビューには「軽い気持ちでは観てはいけない」「好き嫌いが分かれる作品」といった気になるコメントが並んでいる。

劇中には残酷なシーンも登場することから、「コメディーかと思いきやホラー」「衝撃的、エグイ」といった反応も。

一方で「役者陣がうまい」といった感想が多く、特に『ザ・グローリー〜輝かしき復讐〜(Netflix/2022)』で主人公ドンウンの復讐を手助けしたおばさん(カン・ヒョンナム役)を演じた、ヨム・ヘランの演技が多くの視聴者に強い印象を残したようだ。

7位：配達人 ～終末の救世主～

●評価 ★3.4/5　レビュー評価数 270件
●公開日：2023年5月12日
●出演：キム・ウビン、ソン・スンホン、イ・ソム、カン・ユソク 他

同名のウェブトゥーンを原作とするドラマは、深刻な大気汚染によって、防毒マスクなしでは生きられない2071年の世界が舞台。

荒廃した世界の中で酸素を運ぶという重要な役割を担い、人並み外れた戦闘能力を持つ伝説の配達人“5-8″(キム・ウビン扮)を中心に物語が展開するバトルアクション。

filmarksでの評価は【3.4】と、今年公開のNetflixオリジナル作品では最下位となってしまったが、公開直後からグローバルの非英語ジャンルで2週連続で1位を獲得する人気を見せた。

レビューでは、最新技術を駆使し荒廃した街の風景を表現した映画並のクオリティーの高さと、主演のキム・ウビンのカッコよさが際立ったというコメントが多い。

一方で、全6話のため、視聴者には「作品の世界観に深く入り込む前に終わってしまった」という印象を残し、高い評価には繋がらなかった。