• 今年(2023年)5月、歌手のIU(アイユー)が、著作権法を侵害したとし告発された。
  • そしてこの度、裁判所が却下決定を下したが、どうやら両者のバトルはまだ終わってはいないよう。
  • IUの法律代理人は、告発人の虚偽告訴罪を審議する必要性を訴え、悪質な誹謗中傷を続けるネットユーザーには法的対応を予告している。
今年5月、盗作疑惑が浮上したIU

今年5月、盗作疑惑が浮上した、歌手のIU (写真提供:ⓒ TOPSTAR NEWS)

韓国の人気歌姫・IU(アイユー)が著作権法を侵害したとし、告発された事件について、韓国捜査機関が却下決定を下した。

9月4日、IUの法律代理となる法務法人は「氏名不詳者が5月、アーティストを著作権法違反の疑いで告発した事件に対して、8月24日付で却下決定がなされた」と伝えている。

これに先立ち、今年(2023年)5月、一般市民とされる人物が、IUの楽曲6曲について盗作の疑いがあるという趣旨の告発状をソウル江南(カンナム)警察署に提出した。

法律代理人は「告発の対象となった6曲のうち、IUが作曲に参加したのは1曲のみで、この曲の場合も、告発人が著作権侵害を問題視した部分はIUが参加したパートではなかった」とし、「このような事実に対する証拠資料を捜査機関に提出し、却下決定が下された」と説明している。

しかし、このバトルはこれで一件落着、ということではなさそうだ。

告発が却下され不起訴処分になっても公訴権が消滅する訳ではなく、公訴時効が過ぎていなければ、新たな証拠などを集めて再び起訴ができるため、注意しなければいけないという。

また、今回の事件で注目すべきなのは、彼女を告発した人物が、音楽関係者ではなく“一般人”であるという点。

当時、盗作疑惑騒動が明るみになった際、韓国ネットでは「どうせまたアンチの仕業だろう」という反応が上がった。これまでIUは、アンチによる度重なる攻撃に悩まされてきたからだ。

法律代理人は「今回の告発行為は、最小限の法律要件と根拠も備えないまま、アーティストの名誉を失墜させ、精神的苦痛を与えようとした行為それ以上でもそれ以下でもない」と判断。

「今後このような無分別な告発を防止するため、捜査機関では、この事件の告発人の*誣告罪(ぶこくざい)が成立するかどうか、積極的に認知し、捜査を進行してくれることを促す」と伝え、告発自体に悪意があったかどうかを審議する必要性を訴えている。

*誣告罪:虚偽告訴罪。相手に刑事処分や懲戒処分を受けさせる目的で、虚偽の告訴を行った者に対して課せられる罪。

もし捜査機関が、悪意のある虚偽告訴として調査に踏みきるのであれば、今回の盗作騒動によって、捜査指針が変わる可能性も考えられる。

そのため韓国では、“BTS法”のような芸能人由来の法案として、「“IU法”の立法要求もあり得るかも?」とも囁かれているようだ。

また、今回の一連の騒動に伴い、告発人が問題視した楽曲の作曲家たちが、告発人を虚偽事実による名誉毀損の疑いで告発するなど、法的措置を取るための方法を講じている。

法律代理人も、IUに対する悪性デマ及びオンラインコミュニティーへの投稿・流布など、悪質な誹謗中傷コメントを対象にした、追加の刑事告訴を準備していると予告。

「今後も、一連の悪意的ないじめの根源になっている“サイバーブーリング(オンラインでのいじめ)”のような、暴力的で不法な行為を黙過しない予定」と付け加えた。

IUの盗作疑惑事件は却下処分となったが、バトルは終わらず、第2ラウンドのスタートが予想されている。

酒井知亜

韓国のデパ地下が大好き、酒井知亜です。韓ドラファン歴が長いですが、主にK-POP関連の記事を発信しております。韓国SNSで話題の最新イシューやスターの気になる素顔などを、読者のみなさんにわかりやすく伝えることをモットーに奮闘中です。

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