KBS2ドラマ『紳士とお嬢さん』は、2021年9月から翌3月まで、韓国の週末を彩っていた。そして現在は、海外の視聴者から多く愛されているという。“韓国家庭あるある”や、韓国ドラマらしい展開を盛り込んだ作品が、世界的に人気作となったのはなぜだろうか。

KBS2ドラマ『紳士とお嬢さん』は2021年9月から翌年3月まで、週末のお茶の間ドラマとして、韓国の“お母さん世代”に支持されていた。

KBS週末ドラマ『紳士とお嬢さん』は驚異的な視聴率を誇った

驚異的な視聴率を誇った、KBS週末ドラマ『紳士とお嬢さん』(画像出典:KBS)

主演に俳優のチ・ヒョヌとイ・セヒを迎え、自身の選択に責任を尽くして幸せを探していく“お嬢さん”と“紳士”が出会い、繰り広げられる波乱万丈な物語だ。

約6カ月に渡り放送された作品で、放送直後から視聴率は20%超えを記録。さらに、最高視聴率38.2%という、驚異的な数字を出した国民的ドラマだ(全国基準/ニールセンコリア調べ)。

韓国のお茶の間で、モンスター級の人気となった『紳士とお嬢さん』は現在、Netflix(ネットフリックス)*グローバルでも躍進を見せているという。

*現在、日本のNetflixでは非公開

去る8日、OTT順位集計サイトのフリックスパトロールによると、『紳士とお嬢さん』はテレビシリーズ部門で355点を記録し、世界ランキング3位にランクイン。

そんな『紳士とお嬢さん』の人気を後押ししているのは、ホンジュラスやニカラグア、サルヴァドールなどの南米やバーレーン、クウェート、オマーン、カタールなど中東エリアだ。これらの地域で、1位もしくは2位を記録。

このほか、モルディブ、スリランカなどでも1位に上がっている。

韓国ドラマらしい演出が数多く登場する『紳士とお嬢さん』

『紳士とお嬢さん』のワンシーン。韓国ドラマらしい演出が数多く登場(写真提供:©スポーツ韓国)

この状況について、韓国メディアの朝鮮日報は、『紳士とお嬢さん』の快挙について「異例中の異例」と報じている。

『紳士とお嬢さん』が、南米と中東の一部の国では数日間に渡り、1、2位争いをするほど人気を集めているが、実は韓国国内のNetflixではランキングのトップ10にも入れず苦戦。

韓国の作品で、これまで世界的な人気を集めていたのは『キングダム』シリーズや『イカゲーム』など、ジャンル特性が強いものや、韓流スターが出演しているものが多かった。

しかし『紳士とお嬢さん』は、どちらにも該当しておらず、むしろ“ザ・韓国ドラマ”といえるようなストーリーで構成。

妻と死別し、3人の子どもを1人で育てる財閥会長イ・ヨングク(チ・ヒョヌ扮)と、子どもたちの世話をする家庭教師パク・ダンダン(イ・セヒ扮)のラブストーリーを描いている。

そして、韓国ドラマらしく、ストーリーにはさまざまな”障害”が登場。恋に落ちた2人だったが、イ・ヨングクの記憶喪失で危機を迎える‥といった内容も盛り込まれていた。

同メディアはこう説明した上で、韓国のネットユーザーの声も紹介している。

オンライン上では、「韓国の週末ドラマなので、国内視聴率が高いのは理解できる。だけど、Netflixで人気なのが不思議に感じる」「もう週末ドラマも海外で通用する時代なんだな」「記憶喪失や財閥と、韓国ドラマの定番ストーリーの醍醐味を知ってしまったのですね」などの反応がみられ、韓国国民はこの人気に首を傾げているようだ。

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これまでに世界の視聴者を魅了してきた韓国ドラマは、確かに魅せられる特徴があった。Kゾンビをはじめとしたクリーチャー系であり、ホラー色の強い作品が愛されていた。

だが、ここにきて定番ラインともいえる”財閥の御曹司”、”記憶喪失”、”シンデレラストーリー”も高い人気を集めるようになった。これまでの事を考えると異例ともいえる出来事だ。

(構成:星野沙)






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