【韓流20周年企画-『屋根部屋プリンス』編】2003年頃から日本で巻き起こった“韓流ブーム”だが、2012年に一時大きく衰退を見せた、“韓流暗黒期”とも言える時代がある。そんな時代に、日本人視聴者を魅了したドラマSBS『屋根裏のプリンス(2012)』を紹介する。
韓流ファンにとってはある意味、格別な年である2012年。韓国と日本の政治的問題により両国間の関係が急激に冷え込んだ年である。
当時、韓国大統領(イ・ミョンバク氏)の挑発的な言動により、日本では一部の人の”韓国離れ”が進んでいた。
しかしそんな中、“韓流暗黒期”に反し人気を博していたドラマがある。
元東方神起(TVXQ)のメンバー パク・ユチョン主演のSBSドラマ『屋根裏のプリンス(2012)』だ。
![パク・ユチョンが主演を務めた『屋根裏のプリンス』の1幕](https://danmee.jp/wp-content/uploads/2022/05/yanebeya-shoukai-4-1.png)
『屋根裏のプリンス』で主演を務めたパク・ユチョン(画像出典:SBS映像キャプチャー)
同作は、妻を失った朝鮮の世子であるイ・ガク(パク・ユチョン扮)が、300年の時を超えて臣下と共に、21世紀のソウルにタイムスリップし、パク・ハ(ハン・ジミン扮)と出会って愛を成就するファンタジーロマンス作品。
パク・ユチョンの見せる空気を読めない、コミカルな演技も注目の1つだが、SBSドラマ『その年、私たちは(2021)』で好演したチェ・ウシクの姿も見られる。
助演には、ソン・オクスク、イ・ムンシク、アン・ソクファンという、韓ドラファンなら名前までは知らなくても顔を見ればピンとくる人も多い、豪華ベテラン俳優陣が脇を固めている。
![屋根裏のプリンス』で熱演したソン・オクスク](https://danmee.jp/wp-content/uploads/2022/05/kor-actress0507.jpg)
屋根裏のプリンス』で熱演したソン・オクスク(画像出典:SBSニュース)
演出は、当時ヒットメーカーと言われ、SBSドラマ『神様、お願い(2005)』などを手掛けたシン・ユンソプ監督と、tvNドラマ『青春の記録(2020)』で有名なアン・ギルホ監督が務めた。
韓国では同時間帯の他社ドラマに、視聴率、話題性ともに完全に遅れをとっていたものの、放送回を重ねるごとに頭角を見せはじめ、最終的には同時間帯の視聴率1位を獲得した実績がある。
人気は韓国内に留まらず、日本はもちろん世界中に広がりを見せ、全話放送終了前に話題となるという、当時では異例のパターンを見せた。
そして、それを証明するかのように、『2012ソウルドラマアワード』では、全世界45カ国、総201作品の中で芸術性、独創性、大衆性に最も優れた作品と評価され、TV韓流ドラマ-最優秀作品賞を受賞している。
また、ハン・ジミンも本作を通して『SBS演技大賞』で2冠を達成しており、現代劇と時代劇のどちらもこなす多様な演技力があることを誇示し、演技者としての真価を世間に再認識させた。
パク・ユチョンは、イ・ガク役をはじめ、現代に生きるテヨン、テヨンになりすますイ・ガクという、3つの人格を完ぺきに演じ、視聴者や評論家から高い評価を得て、『SBS演技大賞』では3冠王に輝いた。
![『屋根裏のプリンス』でイ・ガク役を演じたパク・ユチョン](https://danmee.jp/wp-content/uploads/2022/05/pyc0507.png)
『屋根裏のプリンス』でイ・ガク役を演じたパク・ユチョン(画像出典:SBS)
ちなみに、当時K-POP界はもちろん、ドラマ界にまで活躍の場を広げたパク・ユチョンは、本作を契機にさらに俳優としての実力を世間に認められ、同年、MBCドラマ『会いたい』で、またもや主役に抜擢。女優のユン・ウネと息の合ったケミストリーを披露した。
このように見ると、ドラマのストーリー性はもちろん、出演者の演技まで高く評価された『屋根裏のプリンス』が、“韓流暗黒期”とも言える時代に、日本人視聴者を魅了したのにも頷ける。
現在、Amazon Prime Videoで全話視聴可能なので、まだご覧になっていない方は、出演者の演技にも注目しながら、視聴されてはいかがだろうか。
(投稿:西谷瀬里)
『屋根裏のプリンス(2012)』OST『After A Long Time』
JYJ
2010年、東方神起のメンバーであったキム・ジュンス、キム・ジェジュン、パク・ユチョンの3人により結成されデビューした。
グループ名は3人のメンバー、ジェジュン(Jaejoong)、ユチョン(Yuchun)、ジュンス(Junsu)の英語名頭文字をとってつけられた。
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