韓国ドラマに登場する、どこか懐かしい雰囲気に満ちた下町。Netflix(ネットフリックス)オリジナルシリーズ『イカゲーム』でにも登場した古びた下町は、本当に存在するのだろうか。実は韓国では撮影に適した場所として使用される、あるエリアがあるという。

世界的に話題のドラマ、Netflix(ネットフリックス)オリジナルシリーズ『イカゲーム』のロケ地が注目を浴びている。

ロケ地が話題になっている、Netflixオリジナルシリーズ『イカゲーム』

Netflixオリジナルシリーズ『イカゲーム』のロケ地が話題に(画像出典:韓国Netflix)

今回、『イカゲーム』のロケ地が注目を集めたのは、韓国政府が大都市住宅の供給を拡大するために進めている”都心公共住宅複合事業”に関係している。

韓国国土部が、年内再開発予定地区に指定すると明らかにした19カ所の中には、『イカゲーム』の主要撮影場所と道一つの間に位置する地域が含まれているという。

『イカゲーム』の主人公が住む、下町エリア。このようなノスタルジックな雰囲気に包まれた古びた下町は、韓国ドラマではよく登場する。

海外の観光客が足を運ばないような場所であり、韓国人でさえもあまり見かけない場所であることから、この風景はセットなのか、CGで作られたものなのかとの疑問の声も多いそうだ。だが、実際に存在する場所だという。

古びた下町をロケ地にしているのは『イカゲーム』だけでなく、SBS『野王~愛と欲望の果て~』や、Netflix『Sweet Home -俺と世界の絶望-』など、日本でも人気のあるドラマにも登場している。

なぜこのような街並みが撮影場所に選ばれるかというと、前述した通り”再開発地区”であることが理由のよう。

開発を控えていることもあり、そのエリアの住人はほぼ退去している。よって、街に人が少なく、撮影をしても野次馬が集まることがない。また、雰囲気のある建物も揃っていることから、セットを作らずともそのまま使用できる。

特に、追撃シーンや火災シーンの多い、スリラーやサスペンスジャンルのドラマには喜ばれるエリアだそうだ。

韓国ノワール劇によくある、真夜中に犯人を追いかけるシーン、街中での銃撃シーンなど、人が住んでいる居住区では到底撮影できないようなシーンも撮影が可能であるからだ。

ロケ地が実在する、Netflixのオリジナルシリーズ『Sweet Home -俺と世界の絶望-』

Netflixのオリジナルシリーズ『Sweet Home -俺と世界の絶望-』のロケ地も実在する(写真提供:©スポーツ韓国、画像出典:Netflix)

開発予定地とあって、韓国に住む人にも馴染みのない場所。このようなエリアで撮影されるため、韓国人でも見かけたことのない下町風景がドラマに登場するという訳だ。

『Sweet Home -俺と世界の絶望-』では、まだ再建されていないソウルの15階のアパートが作品の舞台となる”グリーンコート”として登場する。また、『野王~愛と欲望の果て~』は、再開発で空き家となった家をドラマ撮影用に使用したそうだ。

『イカゲーム』も、2人の主人公、ギフン(イ・ジョンジェ)とサンウ(パク・ヘス)が幼い頃にイカゲームを楽しんで遊んでいた村が、再開発の対象地であった。サンウの母親である魚屋があるペクウン市場や、ギフンとイルナム(オ・ヨンス)が焼酎を飲んだコンビニエンスストアもこのエリアで撮影されたそうだ。

住人の気配がなく、撮影していても人が密集しないという制作側には都合の良いエリアであり、ドラマに適した風情も演出できる好都合な場所。さらに、再開発されるとあって、炎上シーンや崩壊シーンなど少々荒々しいシーンも撮影が可能だ。

このような様々な理由が重なって、再開発エリアは制作側から愛される”撮影場所”となっている。









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