収まる気配を見せないドラマ『雪降花』の歴史歪曲議論。ここまでエスカレートしたのはSBS『朝鮮駆魔師』の影響もあるが、『雪降花』のドラマ背景にも議論の要因が隠されている。同じように北朝鮮のロマンスを描き、大ヒットしたドラマ『愛の不時着』との違いとは何だろうか。(写真提供:ⓒ TOPSTAR NEWS)

ますます熱を帯びた議論に転じている、チョン・ヘインとBLACKPINK(ブラックピンク)ジスが出演するJTBCドラマ『雪降花』。トップスター同士のW主演、ヒット作を手掛けた監督と脚本家の強力タッグと、企画段階から話題を集めた作品だ。しかし、ドラマのあらすじがが公開されると、その期待は一転、”憂慮”へと変わってしまう。

ドラマ『雪降花』は6月以の放送予定にもかかわらず議論が生じている

放送は6月以を予定降しているものの、議論が生じたドラマ『雪降花』(写真提供:ⓒ TOPSTAR NEWS)

『雪降花』は、1987年のソウルを背景に、ある日突然、女子大学の学生寮に血まみれになって駆け込んできた名門大生スホ(チョン・ヘイン)と、彼が時代のために闘っている学生運動家だと思い治療をした女子大生ヨンチョ(ジス)のロマンスを描いた作品だ。

このロマンスドラマの中で、チョン・ヘイン扮するスホが武装スパイに設定された点、三角関係の一軸となるサブ男性主人公が”竹を割ったような性格”の安全企画部の職員であるという点から、大衆は”民主化運動”という重い現代史歪曲への懸念を示した。

これに対しJTBC側は「民主化運動を卑下し、安企部を美化するドラマでは決してない」と釈明したが、歴史歪曲議論は収まっていない。

北朝鮮 ロマンスを描き、大ヒットした『愛の不時着』との違いは?

大衆が敏感になっている”北朝鮮”という設定。
2019年に空前の大ヒットを記録したtvN『愛の不時着』も北朝鮮を舞台にロマンスを描いた作品だが、こちらは批判どころが称賛だけを浴びている。

ドラマ『愛の不時着』が世界的なヒットを見せた勝因とは

世界的なヒットを見せたドラマ『愛の不時着』の勝因とは(写真提供:©TOPSTAR NEWS)

では、『愛の不時着』と『雪降花』の違いは何なのだろうか。3月29日、韓国メディア・スポーツ京郷(http://sports.khan.co.kr/)は、『愛の不時着』と『雪降花』の違いについて興味深い考察をしている。

まず「愛の不時着」は100%フィクションを土台にしたという点だ。
ヒロインがパラグライダー中に国境を越えて北朝鮮に不時着したという軽い設定は、現実感がなく視聴者を自然に”ファンタジーロマンス”へと導いた。

また『愛の不時着』は、劇中で浮上しかねない南北理念と政治的イシューは徹底的に排除し、ロマンスにだけ集中した。リ・ジョンヒョク(ヒョンビン)とセリ(ソン・イェジン)が力を合わせて打ち破らなければならない相手は北朝鮮当局ではなく、”兄の死”という敍事を加え、チョ・チョルガンという個人の敵役にフォーカスしている。リ・ジョンヒョク率いる部隊や北朝鮮の女性たちも政治理念を最大限減らし、同志愛や隣人への情を込めた人物で表現されていた。

『雪降花』に見られる、拭いきれない政治的ニュアンスとは

一方、『雪降花』は、民主化運動を背景にした作品であることから政治的なニュアンスが拭いきれず、フィクションやファンタジーへと特化できずにいる。

加え、女性主人公の配役名に使用された”ヨンチョ”という名前も懸念事項として挙げられている。
民主化運動、社会運動家、そして女子大生の”ヨンチョ”という設定は、ジャーナリストのソ・ミョンスク氏のエッセイ集『ヨンチョお姉さん』に登場する、実在人物である民主化運動家のチョン・ヨンチョを彷彿とさせるとの意見も見られた。韓国現代史に大きな足跡を残した人物が、北朝鮮のスパイと恋に落ちるというフィクションは、類を見ないブラック・コメディーだと、怒りに震える人も少なくないようだ。

『ヨンチョお姉さん』は、ソ・ミョンスク著者が大学の先輩だったチョン・ヨンチョと共に、1970年代の軍事独裁政権下で経験した悲惨な日常と心理を回想しながら記録した作品だ。

今回の議論を受け、『ヨンチョお姉さん』の出版社側は「『雪降花』に対する懸念は把握している。出版社の立場でも状況を重く見守っている」とし「放送前なので、具体的な立場を明らかにすることは難しいが、ドラマが放送されれば、エッセイ集『ヨンチョお姉さん』との類似性や著作権侵害部分について綿密に検討する」と立場を伝えている。

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南北分断を背景にした男女の悲劇的ロマンスは、非常に創意的な素材であることは明らかだ。しかし『愛の不時着』も『雪降花』も共にロマンスを描いた作品であるのだが、背景にあるテーマによって大衆の意識がこれほどまでに開いてしまった。
視聴者がドラマをファンタジーとして受け入れるには、重き背景を排除し”ロマンス”だけを描くことが最善のようだ。

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