俳優のキム・ソンホ(キム・ソノ)が、スキャンダル後の自粛から約9カ月ぶりに、演劇『タッチング・ザ・ボイド』で復帰することを伝えた。しかし、新たなスタートに舞台を選んだことで、一部からは「逃げたのでは?」という批判的な意見が出ている。果たしてそうなのだろうか。

スキャンダルは、時として芸能人にとってイメージダウンに繋がり、その後の人生を左右することがある。

現在その岐路に立たされているとも言えるのが、俳優のキム・ソンホ(キム・ソノ)だ。

俳優のキム・ソンホは、2010年10月に私生活議論に巻き込まれた。

2010年10月に私生活議論に巻き込まれた俳優のキム・ソンホ。(写真提供:ⓒ TOPSTAR NEWS)

彼は、2021年10月に私生活議論が巻き起こって以降、映画『悲しき熱帯』のキャスティングが決定し、撮影したことを除いては活動を自粛、一時表舞台から姿を消すことに。

しかし7月20日、約9カ月ぶりに世間の前に登場し、演劇『タッチング・ザ・ボイド』の記者懇談会で同作を通して復帰することを報告した。

演劇『タッチング・ザ・ボイド』で演技を披露するキム・ソンホ。

キム・ソンホが出演する、演劇『タッチング・ザ・ボイド』のワンシーン。(画像出典:『タッチング・ザ・ボイド』)

するとこの知らせに喜ぶファンがいる中、一部からは「逃げたのでは?」という好意的とは言えない反応を示す人も。現在、韓国のネット上で話題となっている。

スキャンダル後でも比較的出演しやすいとされる演劇界を通して、芸能界に帰ってくることが、“逃げ”だと映ったようだ。お酒やドラッグなどでマイナスイメージを背負った俳優が、同様の流れで再び演技の世界に戻ってきたという過去の実例も影響していると思われる。

ちなみに記者懇談会でキム・ソンホは、復帰作に演劇を選択した理由について、「まず良い作品だということと、以前からオファーを受けていたからです」と説明。

「特別、映画や演劇に絞ったというわけではなく、いい俳優仲間と一緒に作品を作ることができ、(作品に)集中できると思い選びました」と語っている。

また、キム・ソンホの俳優人生を辿ってみても、そもそも舞台の世界は彼において仕事の一部だった。『タッチング・ザ・ボイド』が、“逃げ”で選択した道だとは言い切れない部分がある。

まず彼の芸能人生は、2009年に演劇でデビューしたことから始まった。

その後、俳優としての経験を積み、活動をドラマ界に広げると、2017年に出演したKBS2『キム課長とソ理事 ~Bravo! Your Life~』で、視聴者に存在感をアピールする。

そして同年のKBS2『最強配達人』では、ドラマ2作目とは思えない、新人らしからぬ高い演技で注目を集め、MBC『トゥー・カップス~ただいま恋が憑依中!?~(2017)』では好演が評価されて、2017年の『MBC演技大賞』で新人賞と優秀賞を受賞、一目置かれる存在に。

MBC『トゥー・カップス~ただいま恋が憑依中!?~(2017)』に出演したキム・ソンホ。

キム・ソンホが出演した、MBC『トゥー・カップス~ただいま恋が憑依中!?~(2017)』。(画像出典:MBC)

以降、途切れることなくお茶の間を賑わし続け、2018年にはなんと4作品に携わって、これまで以上に知名度を上げた。

しかしそんな中なんと、2019年に『メモリーインドリーム』で主役として舞台に上がっている。

また、2020年にヒットしたtvN(Netflix)ドラマ『スタートアップ: 夢の扉』を通して、韓国はもちろん一部アジアで絶大な人気を博した後も、2021年に『氷』で再び劇場に一時戻り、29公演に渡って訪れたファンを楽しませた。

キム・ソンホは、tvN(Netflix)ドラマ『スタートアップ: 夢の扉』に出演した。

tvN(Netflix)ドラマ『スタートアップ: 夢の扉』に出演したキム・ソンホ。(画像出典:tvN)

以上から分かるように、演劇はキム・ソンホにとって俳優人生の一部であり、ドラマ界で“旬”を迎えた時期にも、合間を見ては演技を披露してきた場だ。ここにきて、いきなり選択した道ではない。

自身の原点とも言える演劇で、再び役者として歩み始めたキム・ソンホ。果たして彼は、以前の活躍を取り戻すことができるだろうか。

(構成:西谷瀬里)






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