韓国俳優チ・チャンウク、優等生が役者を目指したら起きること

俳優のチ・チャンウクは、KBS 2TVの新水木ドラマ『あなたの願いを言えば』に出演中だ。いまや“アジアのスター”として知られる彼だが、実は高校2年生までは勉強ばかりしている優等生で、俳優は目指していなかったという。そんな彼に起こった、心の変化と当時のエピソードを紹介する。

俳優のチ・チャンウクが、KBS 2TV新水木ドラマ『あなたの願いを言えば』で好演を披露している。

俳優のチ・チャンウクが出演中の『あなたが願いを言えば』のティザーポスター(画像出典：KBS2)

チ・チャンウクはこれまで、ワイルドでダークなキャラクターから、ユーモラスでお茶目な役柄まで、幅広く演じて来た。本国のみならず、アジア全域から人気を集めており、韓国ドラマ界では欠かせない俳優の一人だ。

なんと言っても、キラキラとした爽やかな笑顔が魅力的。スターになるために生まれてきたようなビジュアルの持ち主だが、高校2年生までは家と塾を往復する生活で、演技者の道に進むとは思っていなかったという。

学校の先生に「勉強ができなければ、人生がめちゃくちゃになる」と言われ、勉強一筋だったとか。

高校1年生と2年生の成績表は、最高評価を示す”秀(수)”で埋め尽くされているそうで、その優秀さが垣間見える。

しかし、高校3年生になり進路について考えた時「先生の言う通りにしていたら、幸せになれないような気がした」というチ・チャンウクは、好きなことに挑戦してみたくなる。その過程で“俳優”という世界を知り、興味を持つ。

「面白そうだし、演技をすることで楽しく心が満たされるのではないか」と考え、大学の演劇映画科に行くことにしたそうだ。

母親からは、俳優を目指すことを大反対され衝突、過去にあるバラエティー番組に出演した際「母と最も仲の悪い時期だった」と語ったほど。

進路を決めた後、チ・チャンウクは、韓国の表現でいう「勉強と塀を築く(諦める)」状態に。念願だった彼女作りと、ネットカフェで徹夜でオンラインゲームに励み(？)ながら、役者としての“素養”を身に付けていく。

もちろん、彼の成績は“垂直降下”。高校3年生の成績表には、最低評価を示す“可(가)”で埋め尽くされた。

こうして俳優界に足を踏み入れたチ・チャンウクは、2008年に独立映画『スリーピングビューティー』でデビュー。

2009年にKBS2『ソル薬局の息子たち』などを通して注目を浴び、2010年のKBS1『笑ってトンへ』で主人公を演じ、人気俳優となる。

KBS2『ソル薬局の息子たち(2009)』に出演したチ・チャンウク(右)(画像出典：KBS)

そして2013年に、MBCドラマ『奇皇后～ふたつの愛涙の誓い～』で元の皇族タファンを演じ、自分一人では何もできない操り人形のような姿から、嫉妬により狂気を帯びた様子まで、全話を通して視聴者を感嘆させた。

その圧倒的な存在感を示し、演技力が認められると『2013 MBC演技大賞』で、特別企画部門男性優秀演技賞を受賞している。

チ・チャンウクは、MBC『奇皇后～ふたつの愛涙の誓い～(2013)』で、演技力が高く評価された。

MBC『奇皇后～ふたつの愛涙の誓い～(2013)』で、演技力が高く評価されたチ・チャンウク。(画像出典：MBC)

以降の活躍は、多くの人が知るところだ。日本でも有名なKBS2『ヒーラー〜最高の恋人〜(2014)』、tvN『THE K2～キミだけを守りたい～(2016)』、SBS『怪しいパートナー(2017)』、カカオTV『都会の男女の恋愛法(2020)』、Netflix(ネットフリックス)オリジナルシリーズ『アンナラスマナラ－魔法の旋律－(邦題/2022)』などで主演を務め、いまや韓ドラ界になくてはならない存在である。

高校生時代の優等生エピソードから俳優としての歩みまで見るに、チ・チャンウクは一つのことに集中し、向き合い、確実に結果を残すタイプのようだ。

現在35歳(日本年齢)の彼がさらに役者道を極め、これからどんな姿を披露してくれるのか、ますます期待がかかる。

(構成：西谷瀬里)