今や、韓国俳優のブランド評判で1位を占めるほど人気絶頂のヒョンビン。だが、ヒョンビンがここまでの地位に上りつめるまでには様々な苦労と屈辱を経験してきたようだ。
韓国ドラマ『愛の不時着』で、愛する女性を守るために命を掛けるヒョンビンのメローな演技は、女性たちの心を掴み、抜け出すことの出来ない“ヒョンビン沼”へと陥らせた。

俳優 ヒョンビン(画像出典:愛の不時着 公式HP)
これまで、強靭ながらもカリスマ溢れる演技を見せた映画『逆麟(2014)』、詐欺師に変身した『スウィンダラーズ(2017)』、生涯初の悪役『ザ・ネゴシエーション(2018)』など、“ジャンルを問わずキャラクターを消化する俳優”の位置づけを固めているヒョンビン。
だが、ここまでの道のりは決して容易なものではなかった。
学生時代、学芸会のような舞台で演劇を行ったヒョンビンは、幕が閉じた時の観客たち拍手の音が忘れられないことから演技の魅力にどっぷり浸かり、演技者の道に進むことになった。
中央(チュンアン)大学時代、始めて映画『シャワー(2002)』にキャスティングされたものの、撮影が中断になりデビューの機会を逃すことに。
ヒョンビンはその後、映画『あいつはカッコよかった』のオーディションに挑戦したが、残念なことに主人公はソン・スンホンが抜擢された。

これまで多くの屈辱を味わったヒョンビン(画像出典:スター研究所 キャプチャー)
続けて、映画『オオカミの誘惑』の監督もヒョンビンのキャスティングを考慮したが、演技の経験が無いという理由で脱落してしまい、主演はカン・ドンウォンの手に。
だが、そんなヒョンビンに、いよいよ作品の機会が訪れる。
シチュエーションコメディ『ノンストップ4』に電撃キャスティングされたのだ。
温かな容姿で万能スポーツマンとして登場したヒョンビンは、序盤は数分のみの出演だった。しかし、あまりにもハンサムだったため、出演分量が多くなり、最後には女優ハン・イェスルとラブラインを形成して、主人公級に上りつめるほど注目の新人スターとして浮上した。
この勢いに乗って、SHINHWA(神話)のキム・ドンワンが主演を演じたテコンドー映画『まわし蹴り(2004)』に出演したヒョンビンは、同作がスクリーンデビュー作となった。

スクリーンデビュー作となった『まわし蹴り』(画像出典:スター研究所 キャプチャー)
映画を準備していた数か月間、1日6時間テコンドーの練習をして、当時テコンドー公認2段の資格を取得するほど情熱を見せたヒョンビン。
だが、『まわし蹴り』が公開された2004年7月は、カン・ドンウォンの『オオカミの誘惑』、ソン・スンホンの『あいつはカッコよかった』が同時に公開し、2つのオーディションに落ちたヒョンビンは、3作品のうち最も低い興行成績で屈辱を味わうことに。
その後、『ノンストップ4』に出演していた彼の演技を見て「あまりにも美しくて、セリフの言い回しも上手だ」と、ドラマ『アイルランド(2004)』に直ちにキャスティングされたヒョンビンは、訴えるような力と濃厚な声で魔法のようなセリフを吐き出し、当時演技大賞男性新人賞を受賞して演技者として認められた。
今や、韓国俳優のブランド評判で1位を占めているヒョンビン。外見的な魅力はもちろんだが、これまでの屈辱をバネに、無数の挑戦で積み上げた経歴と、努力を繰り返す姿が大衆やドラマ・映画の製作者たちに認められたことが、トップスターに上りつめた理由の一つに挙げられるのではないだろうか。
ヒョンビン
韓国の人気俳優ヒョンビン(ハングル 현빈)。1982年9月25日生まれ。
2003年にKBSのテレビドラマ『ボディガード』(2003)でデビュー。
2005年にMBCドラマ『私の名前はキム・サムスン』(2005)で大ブレイク。韓流スターとして、韓国や日本、中国をはじめアジア全域で人気を博している。
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