韓流ドラマのファンのみならず、日本の有名人までもが虜になっている『愛の不時着』。ドラマの中では過去にヒットした韓国ドラマのオマージュが沢山散りばめられており、遊び心満載な演出が視聴者を楽しませている。
“韓国ドラマ史上最高の作品”と言われ、韓流ドラマファンのみならず日本の芸能人までもを虜にしている『愛の不時着』。
現在、Netflix(ネットフリックス)で配信中の本作は、北朝鮮のイケメン将校リ・ジョンヒョク(ヒョンビン)と、韓国の財閥令嬢ユン・セリ(ソン・イェジン)の恋物語を描いたロマンチック・ラブコメディーで、韓国のケーブルテレビtvNでの最高視聴率を塗り替えるほど大ヒットを記録した作品だ。
ロミオとジュリエットのような韓国ドラマならではの悲恋に、“北と南”の生活や文化の違いが視聴者たちの興味を誘ったが、なによりも魅力的だったのは、過去に大ヒットした韓国ドラマのオマージュが随所に散りばめられていたことではないだろうか。
ここでは、劇中ホットイシューとなった“小ネタと名シーン”を振り返ると共に、元となっている韓国ドラマを紹介したいと思う。
よくおごってくれる綺麗なお姉さん
リ・ジョンヒョクとユン・セリの印象的な相合い傘のシーン。
このシーンは『よくおごってくれる綺麗なお姉さん』の雨のシーンをオマージュしていると言われている。
『よくおごってくれる綺麗なお姉さん』は、年下彼氏(チョン・ヘイン)×年上彼女(ソン・イェジン)の純愛ラブストーリーで、劇中ソン・イェジンは30代女性の仕事と恋をリアルに演じて、その実力をいかんなく発揮。
“お姉さんシンドローム”を巻き起こし、年の差カップルドラマの先駆けとなった作品だ。
アルハンブラ宮殿の思い出
ピアノの鍵盤を打つように、キーボードを連打してオンラインゲームに熱中していたリ・ジョンヒョク。
このシーンのBGMには『アルハンブラ宮殿の思い出』のOSTが流れていた。
『アルハンブラ宮殿の思い出』は、2018年12月~2019年1月にtvNで放送されたヒョンビン×パク・シネ主演のドラマで、現実世界とゲームの世界が交錯するサスペンス物語だ。
スペインの優雅な風景を背景とした映像美、騎士や拳銃が出てくるハイテクなARゲームが見どころとなっており、『愛の不時着』と同じ放送局であるtvN、ゲーム、ヒョンビンという三拍子をもじっている。
天国の階段
リ・ジョンヒョクの部下のキム・ジュモクは韓国ドラマ『天国の階段』のチェ・ジウの大ファン。
ユン・セリが「韓国に来たらジウ姫に会わせてあげる」と約束した通り、食事の席をセッティングされたジュモクは、ジウ姫に会える嬉しい気持ちを帽子で隠して表現している。
これは『天国の階段』でクォン・サンウが見せた名シーンの一つで、以前から韓国ドラマにハマっていた人にとっては嬉しい演出となった。
『天国の階段』は、2003年から2004年にかけて本国で放送されていた際、45.3%という高視聴率を獲得。
運命の赤い糸で結ばれた幼なじみの男女が、いくつもの困難を乗り越えて愛を貫き通す切ないラブストーリーを、チェ・ジウ×クォン・サンウの共演で描いたドラマだ。
(関連記事)チェ・ジウ ‘愛の不時着’ 特別出演、クォン・サンウのパロディーで爆笑
チュノ~推奴~
“南のドラマ通”のジュモクは『チュノ~推奴~』も観ていたようだ。
「テギルは最後どうなった?」とジュモクに尋ねられたセリは「死んだわよ」と返し、残念がるジュモク。
南に来た時、ネットカフェで『チュノ』の最終回を自身の目で確かめながら「テギル そんな..」と泣いていたシーンが印象的だ。
『チュノ』は、チャン・ヒョク×オ・ジホ×イ・ダヘ出演で、韓国時代劇の歴史を変えた大ヒットアクションドラマだ。
“テギル”とはチャン・ヒョクが演じていた役名であり、最終回の鬼気迫る演技力を見ると、ジュモクのように「テギル そんな..」という気持ちになるに違いない。
視聴者の心を掴んだ韓ドラオマージュ
上記で紹介したシーン以外にも、過去の韓国ドラマを彷彿とさせる場面が多く散りばめられている『愛の不時着』。
韓国ドラマ好きなら思わずクスッと笑ってしまうような、コメディー要素がたっぷりなシーンは今までのドラマには無かった面白さであり、このような遊び心満載な演出が視聴者の心を掴んだ理由の中の一つではないだろうか。
ヒョンビン
韓国の人気俳優ヒョンビン(ハングル 현빈)。1982年9月25日生まれ。
2003年にKBSのテレビドラマ『ボディガード』(2003)でデビュー。
2005年にMBCドラマ『私の名前はキム・サムスン』(2005)で大ブレイク。韓流スターとして、韓国や日本、中国をはじめアジア全域で人気を博している。
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