韓国ドラマ『サンガプ屋台』『人間レッスン』『コンデインターン』などにはヒットを狙ったある法則がある。ドラマの内容が一発で分かるような親しみやすさと、ウェブなどの記事やTwitterでのハッシュタグによる拡散という利便性を高めるため、“文字数”に狙いがあるようだ..
ドラマの成功のカギを握る重要な要素として選ばれる“タイトル”。
最近のドラマのタイトルには、独特な法則が見られることが分かった。
現在放映中のJTBCドラマ『サンガプ屋台(쌍갑포차)』、MBCドラマ『コンデインターン(꼰대인턴)』、Netflixで配信中の『人間レッスン(인간수업)』、ウェブ漫画『恋愛革命(연예혁명)』、JTBCドラマ『模範刑事(모범형사)』、MBCドラマ『十匙一飯(십시일반)』、OCNドラマ『番外捜査(번외수사)』… 何かお分かりだろうか。
そう、ほとんどのドラマのタイトルが四字熟語を連想させるような“四文字”の法則になっている。(※邦題ではなく、韓国語のタイトルの文字数)
6月9日にも、俳優チソンが下半期に放送されるドラマ『悪魔判事(악마판사)』の出演を前向きに検討中だと韓国メディアが一斉に報じたが、ここでもドラマのタイトルが“四文字”だ。他にも、今年下半期に公開される予定の、パク・ボゴム主演の『青春記録(청춘기록)』、有名ウェブトゥーン原作の『女神降臨(여신강림)』などがある。
四文字の法則
文字数に限りがあるネットの見出し対策面から、長いドラマのタイトルは省略されるようになった。
2013年に放送された、イ・ジョンソクが出演したSBSドラマ『君の声が聞こえる(너의 목소리가 들려)』を『君声聞(너목들)』、ヒョンビン主演のtvNドラマ『愛の不時着(사랑의 불시착)』を『愛不(사랑불)』と略すように。(※日本語は略されたタイトルを直訳したもの)
だが、3文字に略すと短すぎて何のドラマなのかよく分からず、かと言って、そのままでは語感があまり良くない。
そういった中、ドラマのタイトルも一目見て内容まで何となく理解できるような“わかりやすさ”が求められるようになった。
さらにSNSが有効的な宣伝ツールとなっている今の時代では、ハッシュタグをつけやすい短いリズムが話題の拡散に直結するため、略すことなく一発でドラマのインパクトを伝えられるような四字熟語のようなタイトルが流行の兆しを見せているようだ。
四文字というリズム
バラエティー番組『無限に挑戦(무한도전)』『一泊二日(1박2일)』などはすでに“四文字”が使用されていた。
音にしたときのリズム感の小気味よさ、文字を並べたときのビジュアルの面白さ、簡潔ながらも完成されたリズムと文字の組み合わせで、四文字という短い言葉の中に深い意味が込められているように感じる。
[nextpage title=”(次)日本でも四文字タイトルのドラマが人気…?!”]
少し話が反れてしまうが、日本のドラマでも『逃げ恥(逃げるは恥だが役に立つ)』『ロンバケ(ロングバケーション)』『渡鬼(渡る世間は鬼ばかり)』など“四文字”というリズムは非常に親しみやすい。
クラシック音楽を始め、ポップスなどでも、ほとんどの音楽が4拍子で出来ており、おそらく人間にとってシンプルにして心地の良いリズムが4拍、そして“四文字”というリズムなのかもしれない。
タイトルの重要性
番組をランチングする時、視聴者にいち早く知らせるためには、タイトルだけを聞いてどのような内容なのかが分かるように、短くてインパクトを与えることが重要とされる。
特に“放映終了”という期間が与えられているドラマより、数ヶ月、いや数十年間持続するかもしれないバラエティー番組はより一層番組名がカギを握ることになる。
製作スタッフたちは、新番組を作る際、人々が口にしやすいタイトルを作るために多くの時間を費やし、マーケティングまで計算して苦心するというが、まさにドラマのタイトルも長寿バラエティー番組が長く続くジンクスや、人々に与えるインパクトといった法則に従っているように思う。
ドラマやバラエティー番組のヒットは、内容の面白さがあってこそなのだが、意外とタイトルによって視聴率も左右されてしまうほど、番組のタイトル名というのは重要度の高い存在になっている。
こういったことから、インパクトはあるもののドラマの内容に支障をきたすほどの強烈さはなく、ほどよい塩梅でドラマの雰囲気を伝える“四字熟語風”なタイトルの傾向は、当分の間続いていきそうな予感がする。
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