かつて、韓国エンターテインメント業界において時価総額1位に輝いていたYGエンターテインメント。BIGBANG、2NE1、PSYなどを輩出し、K-POPの世界化に大きな貢献をしたが、ここ数年不祥事が相次ぎ、以前のような輝きを失っている。BIGBANGをはじめ、BLACKPINK、TREASUREといった好材料を揃えているものの、YGの将来はいまだ雲行きが怪しい。
BLACKPINK(ブラックピンク)の偉業、新人TREASURE(トレジャー)の台頭、K-POP伝道師 BIGBANG(ビッグバン)の帰還・・。
現在、YGエンターテインメント(以下、YG)の主力柱は3つだ。
K-POPシーンにおける”絶対的1強”、BTSの活躍のため、その偉大さが際立っていない感もあるが、BLACKPINKは現在、世界で一番有名な韓国のガールズグループとして知られている。
BLACKPINKは、米ビルボードチャートの他、アップルミュージックやSpotifyのような音楽配信プラットホームでも、その存在感を発揮。
TREASUREにおいては、日韓を中心にアジアで高い知名度を誇るようになり、今後、大物へと成長が期待される新鋭である。
BIGBANGに至っては、その実績は言うまでもない。K-POPがアジアを超え、世界でも十分に通用できるという自信をもたらした功績は実に大きい。”K-POPの帝王”という称号が付けられる、数少ないアイドルの1つと言えるほど、いまだにその人気と影響力は絶大だ。
もちろん、iKON(アイコン)やWINNER、AKMU(楽童ミュージシャン)など、錚々たる顔ぶれもYGを支えており、”名家”は、かつての栄光を取り戻すために全力を尽くしているように見える。
が、その努力に水を差すニュースが、先日(6月7日)飛び込んだ。
ヤン・ヒョンソク元代表、B.Iの件で”報復脅迫”の罪を問われる
元iKONのメンバーで、現在YGを出てソロ活動を開始したB.Iと、YGの元代表プロデューサーで、現在すべての役職から退いているヤン・ヒョンソク(以下、ヤン氏)にまつわるニュースだ。
B.Iの麻薬吸引の疑惑に関する情報を捜査機関に提供したハン・ソヒ(元練習生)に対し、ヤン氏が供述を変えるようと要請したことが、韓国の法律で定められている”報復脅迫”の罪に当たると、韓国司法が判断したというニュースである。
この報せを受け、韓国ネットでは「さすがYG」「またYGか」など、露骨にYGを批判するコメントが目立っている。
今回の事件に関わっているB.I、ハン・ソヒ、*ヤン氏の3人は、すでにYGを退社しているか、YGの経営一線から退いている。ハン・ソヒにおいては、YG練習生として知られているが、実際はYGに籍を置いたことがないという。
*ヤン・ヒョンソクは、YG株の17%を所有している代表株主ではある。
しかし、どうしても韓国の大衆は、この3人の肩書に”YG”を付けたがる。
終わらないV.Iの裁判
昨日(6月9日)は、”バーニングサン・スキャンダル”に関わっていたと見られる、BIGBANGの元メンバー、V.I(スンリ)の裁判の話題が韓国ネット上に広まった。
V.Iは昨年3月に入隊したため、現在関連スキャンダルに対する司法審判が、軍事裁判所に移管されており、23次にも及ぶ公判に被告として出席しているが、決着まではまだまだ時間がかかりそうだ。
韓国陸軍の服務期間が2年であることを勘案すると、V.Iは服務期間の大半は”裁判出席”に費やされる可能性が高い。すなわち、V.Iの裁判にまつわるニュースは、今後も絶える気配がないということ‥。
上述したように、韓国の大衆はV.Iに対しても、その肩書に”YG”を付けたがる。V.Iは、”バーニングサン・スキャンダル”が勃発した直後、YGとの契約解除に合意したため、YGを離れてから2年以上経っているにもかかわらず、だ。
前出のハン・ソヒについても、新たな疑惑が浮上しているが、もう一人、現役YGアーティストの名が一緒に注目を浴びている。
そのアーティストとは、BIGBANGのメンバー、T.O.Pである。
ハン・ソヒは2016年、T.O.Pと大麻を吸引した疑いで、2017年に有罪判決(懲役3年、執行猶予4年)を言い渡されている。しかし、執行猶予期間中の2020年に、再び麻薬類を吸引した疑いで起訴されたのだ。
昨日から今日にかけ、多くの韓国メディアがハン・ソヒの起訴事実を報じているが、記事の中には、T.O.Pとの因縁についても詳しく紹介されている。
不祥事と疑惑という亡霊
結果的にYGの”麻薬コネクション”を象徴するような人物となったハン・ソヒについても、韓国の大衆は”YGの元練習生”として記憶。MONSTA X(モンスタエックス)の元メンバー、ウォノのチーム脱退の決定打となった暴露や奇行と悪事でも有名なトラブルメーカーだ。
(関連記事)ハン・ソヒを警戒せよ! 韓国トップアイドルを脱退に追い込む時限爆弾(まとめ)
すでにYGと関係がない人々のニュースが報じられる度に、韓国ネットでは”YG”という肩書が付属品のように使用され、関連人物の名前も再び注目を浴びるようになる。加えて”麻薬”というワードもおまけに付いてくる・・。
長引く裁判、解明されない疑惑の数々・・過去の不祥事という”亡霊”たちが、YG社屋をさまよっているという現実に、疲れを吐露するファンも少なくない。
“名家復活”までは、見通しの立たない時間がかかるというもどかしさだけが残る。
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