HA:TFELTに生まれ変わった元Wonder Girlsイェウンが、’脱アイドル’宣言をした。彼女の変身にかつて人気アイドル時代を記憶する人々は、何故か’脱アイドル’宣言を批判している..その原因を探ってみた。

元Wonder Girlsメンバー・イェウンが、”脱アイドル”を宣言した。

元Wonder Girls イェウン

元Wonder Girls イェウンが脱アイドル宣言をした(画像出典:韓国ファッションマガジンSingles)

5月27日ファッションマガジン『Singles』は、HA:TFELTという活動名でアーティスト活動を再開した元Wonder Girlsのイェウンのグラビアを公開した。イェウンはガールクラッシュをテーマに、ユニークかつカリスマ溢れる雰囲気を漂わせている。
「真心で伝え、心で感じられる音楽を作る」と、意気込んだイェウンは「Wonder Girlsのイェウンではなく’私’として生きる姿を見せたい。(アイドルとして)’感情労働’をせず、私自身が主体となる」と宣言した。(※感情労働:人間の感情に労働の負荷が大きく作用し、労働が終了した後も達成感や充足感などが得られず、ほぼ連日、精神的な負担、重圧、ストレスを感じる一連の労働)

続けて「自分のアイデンティティについて悩む現役アイドルからDMを受け取った。私の音楽とアクションが励みになったと言われた。(アイドルの)後輩に良い見本になれたらと思う。主体的な女性アーティストとして険しい道のりになるけど、いつか叶えたい」と、抱負を語っている。

アーティストの新しい挑戦と冒険は、K-POPの未来のためにも、そのダイバーシティを追及する姿勢は大いに称賛されるべきである。しかし、今回イェウンの’脱アイドル宣言’には、思わぬ誹謗中傷が寄せられている。イェウンの予想とおり、激しい道のりは既に始まっていた。

アイドルで金稼ぎしたくせに..批判殺到

5月27日の韓国ポータルサイト・NATEには、「HA:TFELT、脱アイドル宣言 現役アイドルからDMを受け(핫펠트 “탈아이돌 선언, 현직 아이돌 후배에게 익명의 DM 받아”/Newsen提供)」と題した記事が掲載された。かつての人気アイドルの近況に韓国ネットユーザーは熱狂するかと思いきや、冷ややかなリアクションで、彼女の帰還を迎えている。

「イェウンさん、あなたが思っているほどあなたに影響力はないwwww 自分の世界にのめり込んでいるな」「アイドルやって、男性ファンのおかげで金稼ぎしたくせに、はぁ~脱アイドル宣言? 君の車や家は、アイドルだった時に手に入れたものではないか」「中ニ病? アーティスト病? ボーカル練習して出直して」

イェウン本人には気の毒な話だが、”脱アイドル宣言”は多少、無理してる感が否めない。

Wonder Gilrs

Wonder Gilrsのメンバーとして一世を風靡したイェウン(左から一番)(画像出典:ハンギョレ日報)

脱アイドル宣言をして猛バッシングを受けたアイドルもいる

アイドルビジネスは”ファンダムビジネス”とも呼ばれる。
国民的な知名度も大事だが、アイドルのために、躊躇せず巨額の消費をしてくれるファンダムはアイドル界で欠かせない存在である。
スターへの’愛’を金銭で表現するファンダムのおかげで、スターになったアイドルは短時間に富を築くと言っても過言ではない。言わば大口のお客様だ。

そんなお客様が望むのは、変わらぬ姿で変わらぬ愛を見せ続けてくれること。
しかし、このようなファンの期待と願いを裏切り、猛バッシングを受けたアイドルだっている。

今回イェウンの発言は、ファンが抱いた’あなたが好きで幸せだったあの時’は、’感情労働’により演出されたものだと認めてしまったようにとらわれる恐れがある。
そして、アイドルという存在はファンへ愛を表現するため、“自分自身の主体性を失った可哀想な存在”と表現する部分も気になって仕方ない。アイドルが好きなファンなら「私の推しは、お金を吸い取るために上手にお芝居をする可哀想な人」と思ってほしいのか..

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Wonder Girlsが、K-POP発展に残した功績は大きい。
K-POPの女性アイドルの新しい典型を呈し、世界のファンの脳裏に焼き付けた。”K-POP=万能なアイドルによるカッコいい音楽”という数式を成立させた貢献者の一人でもある。

長い練習期間を経て熾烈な競争を勝ち抜きデビューしたK-POPアイドル。しかし、努力と忍耐で”夢”を守り続けてきた彼らを、イェウンには主体的ではない’感情労働’をする集団にしてしまった。それは、ファンのために従事するという’エンターテイナー’の基本を否定する軽率な発言ととらわれて仕方ない。

残念ながら、エンターテイメントの主体は永遠に’ファン’であるため、エンターテイナーは主体になれない点を忘れないでほしいとファンは思うのだ。

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