FNCエンターテインメントと日本テレビが、タッグを組んで放送されたサバイバルオーディション番組『Who is Princess?』。PRIKIL(プリキル)というグループ名で、5人の選抜組がデビューを予定しているが、ネット上の反応を見るとそれほど話題になっていないようだ。ではなぜ、『Who is Princess?』への関心が薄いのだろうか。
既に5名のデビューが確定された、サバイバルオーディション番組『Who is Princess?』。
5名の選抜組は、『PRIKIL(プリキル)』というグループ名で、今年5月にデビューする予定だ。
『Who is Princess?』は、FTISLAND(エフティーアイランド)やCNBLUE(シーエヌブルー)といった人気バンドを輩出した、FNCエンターテインメント(以下、FNC)が日本で展開するガールズグループプロジェクトである。
2021年10月5日より、民放テレビ局である日本テレビや、VODサービスHulu(フールー)などで放送・配信され、”第2のNziU(ニジュー)”誕生が期待されていた。
だが、いざ蓋を開けてみると、2020年に放送された『虹プロジェクト』ほどの盛り上がりは見せなかったというのが衆論のようだ。
そんな空気は、FNCの本拠地である韓国でもさほど変わらない様子。
『虹プロジェクト』が公開された2年前、「JYPエンターテインメント(以下、JYP)が日本で”第2のTWICE”を作る!」と騒いでいた韓国ネットの熱気が、残念ながら、『Who is Princess?』からは感じられない。
韓国メディアを見ても、報道件数は非常に少ない。
実際、韓国ネットで”Who is Princess”と検索すると、”Princess”というワードがタイトルに入っている、モバイルゲームの最新情報が先行・ヒットするなど、『Who is Princess?』に対する韓国人の注目度の低さがうかがえる。
ではなぜ、韓国国内において『Who is Princess?』への関心が薄いのだろうか。
韓国メディアやオンラインコミュニティー、SNSでも『Who is Princess?』に対する報道と書き込みがあまりにもが少ないため、その原因を探るヒントがない。
推し量る要因として考えられるのは、以下の2つ。
まず、FNCの持つ女性アイドルグループの実績がJYPほどではないという点。
NiziUを輩出したJYPは、世界で通用するK-POPガールズグループの典型と称されるWonder Girls(ワンダーガールズ/2007年デビュー)を筆頭に、miss A(ミスエイ/2010年デビュー)、TWICE(トゥワイス/2015年デビュー)、ITZY(イッチ/2019年デビュー)など、多くのガールズグループを世に送り出した、いわば”ガールズグループの名家”である。
一方のFNCは、AOA(エーオーエー/2012年デビュー)以降、ガールズグループの輩出実績がほぼないに等しい。
2019年に、日本人メンバー2人が所属しているCherry Bullet(チェリーバレット)をデビューさせるも、相次ぐメンバー脱退や成績不振で苦戦を強いられている。
韓国の音楽ファンにとっても、JYPの手掛けるガールズグループよりは、その”波及力”が衰えて見えるのは言うまでもないだろう。
そしてもう1つ、”K-POPの育成方式”で誕生した”日本のガールズグループ”というコンセプトが、”二番煎じ”として韓国人の目に映った点も、看過できない。すなわち『Who is Princess?』から、”新鮮さ”が味わえなかったのだ。
また2021年5月以降、世界各地で”現地出身K-POPアイドル”を輩出するというプロジェクトが、韓国エンターテインメント業界の大手各社によって進められており、その範囲を見るとアメリカや中南米まで広がっている。
言い換えれば、日本をはじめ、アジア諸国で現地アイドルを育成・輩出するという試みは、もはや”ホットニュース”ではなくなっているのだ。
これらの――韓国人の薄い関心を象徴するような出来事があったので、紹介したい。
HYBEが運営する、ファンコミュニティープラットホームのWeverse(ウィバース)は、昨年10月に『Who is Princess?』のコミュニティーを開設。それ以降、韓国ネットのオンラインコミュニティーには「Weverseに新しいコミュニティーができてるけど、誰?」「ルックスが日本人みたいけど、(日本人で)合ってるよね?」といった反応が相次いだ。
韓国のウィキペディアと呼ばれるナムウィキでも、その情報は非常に少なく『虹プロジェクト』を取り上げるナムウィキページと比較しても、その差は歴然。
今年5月にデビュー予定の、『Who is Princess?』選抜組PRIKILは、果たしてNiziUほどの活躍を見せ、韓国ネットの話題をさらう事ができるだろうか。
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