チャン・ウヒョクが代表を務めるWHクリエイティブが、元社員2人を相手取り、虚偽事実を流布した疑いで告訴した。この告訴に至るまでの経緯とは? 併せて彼の過去を紹介する。
“第1世代アイドル”として、K-POPのパイオニアと称されたチャン・ウヒョクが、窮地に追い込まれている。
7月19日、チャン・ウヒョクが代表を務めているWHクリエイティブは、元社員2人を相手取り、虚偽の事実を流布した疑いで告訴したことを明らかにした。
これに先立ち、去る6月、元練習生A氏が「2016年2月、元人気アイドル出身で、当時所属事務所の代表だった人に楽曲について意見を述べたら、その場で暴言を吐かれ、暴力を振るわれた」と暴露。当時、その正体については明かされていなかったが、韓国ネットでは、チャン・ウヒョクの名前が浮上していた。
そんな暴露から4日後、A氏は「本人と会って解決した。双方に誤解があった」と釈明。騒動は一段落したかのように見えた。
しかし今度は、元社員だと名乗るB氏とC氏が登場。2人も代表の正体は明かさないまま「暴力と暴言は日常茶飯事だった」「感情のコントロールができない人だった」と、追加暴露を行うのだった。
今回、チャン・ウヒョクが告訴したのは、このB氏とC氏と見られる。
チャン・ウヒョク側は「当時の関係者と会い事実関係を確認したが、2人の暴露は事実無根であり、誹謗中傷を目的とした悪質行為である」とし「(チャン・ウヒョクの)名誉を傷付けた責任を問うべく、告訴に踏み切った」と、その経緯を説明した。
しかし同日、チャン・ウヒョクと被告の1人が交わしたスマートフォンメッセージが公開されるという、急展開を見せる。
元芸能記者出身のイ・ジンホ氏が、自身のYoutubeチャンネルでその内容を配信している。
ここでは、被告の1人が「いくら考えても、練習生の頭を叩くのはちょっと気をつけないと‥暴力はいかなる理由でも、正当化されるものではない」と、アドバイスをするのに対し、チャン・ウヒョクが「それはそうだ。殴ってはならない」と、自身の暴行を認めるかのようなメッセージが登場。
イ・ジンホ氏は「(暴行と暴言の)証拠は他にもある」と強調し「この内容が事実であれば、チャン・ウヒョクが責任を取るべき」と声を上げた。
今回、思わぬ形で世間の注目を浴びることになったチャン・ウヒョク。彼は、冒頭でも触れたように、第1世代アイドルとして一世を風靡した人物である。
K-POPの歴史に詳しい人なら、彼が活動していたH.O.T.(エイチオーティー)の実績も耳にしているだろう。
1996年、SMエンターテインメント(以下、SM)の男性アイドルとしてデビューを飾ったH.O.T.は、現在まで引き継がれているK-POPのフォーマットを作り上げたアイドルグループ。
2001年に公式に解散したのだが、2018年に再結成。現在は、H.O.T.という名前は残しているが、公式的な活動は行っていない状況だ。
90年代後半~00年代前半、H.O.T.の人気は実にすさまじく、後にSMが築く”K-POP王国”の土台を作ったと言っても過言ではない。
中でもチャン・ウヒョクは、チームのパフォーマンスを自ら企画し、初めてK-POPに”メインダンサー”という概念を取り入れたと評される。
他の追随を許さない、華やかな実績と象徴性で、現在も韓国芸能界でその存在感を発揮しているチャン・ウヒョクなだけに、今回の”不祥事”は彼のキャリアに大きな傷痕を残すことになりそうだ。
90年代後半、大衆音楽産業においてはまだ不毛の地だった韓国で、ダンスという分野で記念碑的な功績を残したチャン・ウヒョク。残念ながら、多くの大衆から後ろ指を指される苦境に立たされている。
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