8月3日、韓国ネットでは「中国出身のK-POPアイドルが、”1つの中国を支持する”とSNSに書き込んだ」という情報が拡散された。そのアイドルとは、NCT(エヌシーティー)のメンバーであり、WayV(ウェイブイ)としても活動しているウィンウィンと、EVERGLOW(エバーグロー)のイロンだ。
またもや”1つの中国”が韓国ネットを騒がせている。

NCTのメンバーであるウィンウィンと、EVERGLOWのイロン(写真提供:©TOPSTAR NEWS)
8月3日、韓国メディアとオンラインコミュニティーでは「中国出身のK-POPアイドルが、”1つの中国を支持する(#只有一个中国)”とSNSに書き込んだ」という情報が拡散された。
そのアイドルとは、NCT(エヌシーティー)のメンバーであり、WayV(ウェイブイ)としても活動しているウィンウィンと、EVERGLOW(エバーグロー)のイロンである。
2人が支持声明を書き込んだのは、中国最大のソーシャルメディアであるウェイボー(Weibo)。文章には、中国国旗(五星紅旗)の画像が添えられている。
とはいえウィンウィンとイロンは、現在主に中国を拠点に活動中であるため、2人の行動はある程度予想されていた。
なぜなら、アメリカの政治家であるナンシー・ペロシ下院議長の台湾訪問が実現したためだ。
アメリカの大物政治家の台湾訪問に、中国側は猛反発。国内の結束力を促すと共に、軍事的動きも見られている。
台湾が、中国の一部であるという意味の”一个中国(1つの中国)”。アメリカが台湾に関与することを阻止すべく、中国当局は国を挙げて”対米抗戦”を宣伝しており、これには多くの中国著名人が賛同している。
そして、K-POP界で活躍中の人気アイドルも例外ではない。
一説によると、この”一个中国”キャンペーンに参加しない芸能人は、中国国内での活動が制限されるなど、不利益を被ると言われている。それゆえ中国で”芸能人”という職を続けるためには、選択の余地がないのである。
案の定、韓国ネットには、ウィンウィンとイロンを非難する声が多く上がっている。しかし一方で「これは仕方ないでしょ‥」「中国では、当局に憎まれたら一発レッドだからね」と、2人の境遇を理解し擁護する声を寄せるユーザーも。
中には「ニンニンは書き込んでないよね?」「ニンニン、お願いだからやらないで」と、aespa(エスパ)の中国人メンバーニンニンを心配する声が上がっている。
今年2月、中国で冬季オリンピックが開催された際、中国選手の金メダル獲得を祝ったニンニンは、韓国ネットで猛烈な批判に遭い、ファンを憂うつにさせた。
現在ニンニンのファンは、再びその”悪夢”に襲われないよう憂慮し祈っている。

aespa(エスパ)の中国人メンバー、ニンニン(写真提供:©TOPSTAR NEWS)
ニンニンは、今のところファンの願いどおり、政治的メッセージを公表していない。
ウィンウィンとニンニンは、同じSMエンターテインメント(以下、SM)所属。ではなぜ、2人の行動は分かれたのだろうか。
それに対して、韓国ネットユーザーは独自の見解を披露する。
ウィンウィンの場合、中国での”国内需用”と位置付けられる一方で、ニンニンは韓国や日本、欧米市場での成功が見込まれているためだと見ている。
しかし、aespaにとって、中国市場も無視はできない。

aespa(写真提供:©TOPSTAR NEWS)
先月aespaは、女性アーティストのアルバム初動販売記録(142万枚)を打ち出したのだが、そのうち約60万枚は中国ファンが購入(韓国通販サイトでの共同購買)したもの。
中国当局にとって、人気アイドルであるニンニンの”沈黙”は望ましくないだろう。もしも当局が、海外サイトの購入に制限を加えてしまえば、aespaへの打撃は大きい。
政治や外交と無縁のように見えるアイドルだが、残念ながらグローバル戦略の先端を辿るK-POP界では、今回のような”政治イシュー”が業界の不確実性を高めている。
aespa
aespa(エスパ)は、SMエンターテインメント所属のガールズグループとして、Red Velvet(レッドベルベット)以来、6年ぶりにデビューした新人ガールズグループだ。韓国人カリナとウインター、日本人ジゼル、中国人ニンニンの4人で構成されている。
aespaとは、“Avatar X Experience”を表現する“ae”と、両面という意味を持つ英単語“aspect”を結合させている。
2020年11月17日にシングル『Black Mamba』でデビュー。楽曲発表からわずか61日という短期間で、韓国地上波の音楽番組で1位を獲得するという快挙を成し遂げた。
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