LE SSERAFIMのメンバーとして活動中の宮脇咲良のファンが、オンライン上の誹謗中傷を根絶するよう、HYBEとSOURCE MUSICに徹底した対応を求めた。なぜ宮脇咲良は、無差別な攻撃を甘受しているのだろうか。韓国のコラムニストであるユン・クァンウン氏が、その理由を分析した。

7月25日、宮脇咲良のグローバルファン連合が、声明文を発表した。

LE SSERAFIMの日本人メンバー、宮脇咲良

LE SSERAFIMの日本人メンバー、宮脇咲良(写真提供:©TOPSTAR NEWS)

声明文には、宮脇咲良に対するオンライン上の誹謗中傷を根絶するよう、彼女の所属事務所であるHYBEとSOURCE MUSIC(以下、SOURCE)へ、徹底した対応の要求などが盛り込まれている。

HYBEはBTS(防弾少年団)やTXT(トゥモロー・バイ・トゥギャザー)を輩出し、今やK-POP界で強大な影響力を持つエンターテインメント企業になった。

同社が”女性アイドル”というジャンルを開拓するためにLE SSERAFIMをローンチし、メンバーである宮脇はグローバル人気をけん引する重責を担っている。

デビューから3カ月が経ったLE SSERAFIMにおいて、宮脇は名実ともにエースとも言えるだろう。

そんなエースに対する待遇に、世界各国のファンが不満を提起し、対策を求めているのだ。

K-POPアイドルを標的にする、ネット上の中傷に憂慮を示すコラムニストのユン・クァンウン氏は、自身のコラム「HYBEはなぜ宮脇咲良を保護していないのか(7月26日)」で、HYBEの積極的な対応を注文する。

また同氏は、宮脇が韓国ネットで中傷を浴び続けている背景を分析。果たして、なぜ彼女は無差別な攻撃を甘受しているのだろうか。

『PRODUCE 48』から始まった誹謗中傷

ユン氏はまず、誹謗中傷の根源をMnetのオーディション番組『PRODUCE 48(2018年6月15日~同年8月31日まで放送)』だと適示した。

韓国を拠点に活動するグループ、IZ*ONE(アイズワン)メンバーを選抜する過程で、韓国人の練習生を応援していたネットユーザーが、当時すでに日本で人気アイドルだった宮脇を中傷。

それが今日まで続いている状態で、さらに増幅しているという。

Mnet『PRODUCE48』に参加していた当時の宮脇咲良

Mnet『PRODUCE48』に参加していた当時の宮脇咲良(写真提供:©TOPSTAR NEWS)

最初はけん制目的から始まった攻撃は、次第に”右翼アイドル”という刺激的なワードまで用いた中傷へと発展。

ユン氏はこの不穏な雰囲気を煽り、ライバル構図を作り上げたMnet側の落ち度も指摘している。

Mnetは宮脇が番組内で放った発言を、多少刺激的な韓国語字幕で流すなど、番組の話題性のために”炎上商法”に足を踏み入れたという見解だ。

『PRODUCE 48』の安易な対応

最終的にIZ*ONEの選抜メンバーとなった宮脇は、デビュー後も守られることはなかった。

ユン氏はその理由を、“期限付きグループ”という特殊性に起因すると見ている。

IZ*ONEの活動全般を仕切っていたCJ ENM側が、自国を離れて韓国でアイドル活動を行う宮脇へのサポートを、軽視したのである。

宮脇が中傷されも、誰も警告をしない‥他アイドルの事務所ように、法的対応を取る事務所もない‥いつの間にか宮脇は、”オンライン上で中傷してもいいアイドル”にされてしまったのかもしれない。

IZ*ONE派生グループ同士の誹謗合戦の犠牲に

ユン氏は、IZ*ONE活動が終了しているにもかかわらず、宮脇への中傷がさらにエスカレートする理由について「第2ラウンドが始まった」と分析。

昨年下半期から現在まで、韓国主要エンターテインメント企業でデビューをしたガールズグループは5組。この中にIZ*ONE派生グループは、2組(IVEとLE SSERAFIM)もある。

2021年12月にデビューしたIVE

2021年12月にデビューしたIVE(写真提供:©TOPSTAR NEWS)

同氏は既存のアンチファンの中傷に加えて、かつての“戦友”から“ライバル”となったIVEとLE SSERAFIMのファンが繰り広げている、”誹謗合戦”の最も大きな被害を、宮脇が受けていると話す。

特に、”HYBEのガールズグループ”として、世間のスポットライトを独占したLE SSERAFIMは、ただでさえ、”万人の標的”になっている。

悪質なネットユーザーは、IZ*ONEの時のように、”中傷してもいいアイドル”として宮脇を攻撃している可能性は大きい。

しかし宮脇は、IZ*ONEの時とは違い、所属事務所の徹底したサポートを期待して、自ら韓国で”第2章”の幕を開けた。

しかし、ファンが訴えるように、そしてコラムニストの嘆きのように、所属事務所の”徹底した対応”が見られていないのが、実状であるようだ。

HYBEとSOURCEの誠意ある”約束”と、責任ある”保護”を、世界のファンが望んでいる。






IZ*ONE(アイズワン)

IZ*ONE(アイズワン / ハングル 아이즈원)は、韓国と日本合同のグローバルガールズグループである。
2018年に韓国の音楽専門チャンネルMnetで放送された日韓合同オーディション番組「PRODUCE 48」を通して、韓国の芸能事務所に所属する練習生57人、日本のAKB48グループに所属するアイドル39人、総勢96人の練習生から、韓国の視聴者投票で選ばれた12人のメンバーによって結成された。

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