人工知能(AI)技術を活用した”ディープフェイク”を使ってアダルトビデオやポルノ画像をネット上に流布する犯罪が世界中で深刻な問題として認識され始めている。今回、K-POPグループMOMOLAND(モモランド)のナンシーも、その苦痛を訴えているようだ。

K-POPガールズグループMOMOLAND(モモランド)のナンシーが、ネット上に流布された違法な合成写真で苦痛を訴えているという。

ナンシーの所属事務所MLDエンターテインメントは、1月11日、「最近オンラインコミュニティーやSNSに『2019アジア・アーティスト・アワードinベトナム』のMCを担当をしていたナンシーと関連し、不法で操作された写真が流布されている」とし、「ナンシーは盗撮および合成写真の被害者だ」と公式コメントを発表。

続けて「弁護士を通じて、性暴行犯罪の処罰などに関する特例法違反、人格権の侵害などに対する民事、刑事上の措置も取る予定だ」と強調し、悪意のある掲示物でアーティストを傷つけないよう願うと伝えた。

違法な合成写真で苦痛を訴えているMOMOLANDのナンシー

MOMOLANDのナンシーが違法な合成写真で苦痛を訴えている(写真提供:©スポーツ韓国)

これに先立ち、韓国のSNSなどでは芸能人の写真や動画を使用して”GIF画像(簡易的なアニメーション)”が盛んに投稿されてきた。特に、このような”GIF画像”は、音楽番組や放送に出演するアイドルが中心となっている。問題は、一角で女性芸能人を対象に身体の部位を過度に露出させるシーンをゆっくり再生させる、いわゆる”セクハラGIF画像”が共有されてきたという点だ。

さらに、最近ではこれに増して、より深刻な問題として浮上しているのが”ディープフェイク(DEEP FAKE)”だ。

ディープフェイクとは、ディープラーニングなど人工知能(AI)技術を活用し、まるで本人が登場して話しているかのような動画を生成する技術で、以前、ドラマのワンシーンにTWICE(トゥワイス)のツウィの画像を合成した映像がネット上で広がり話題になったことがある。

ドラマのワンシーンに合成されたTWICEのツウィの画像

ドラマのワンシーンにTWICEのツウィの画像を合成した映像(画像出典:スタートアップ3話キャプチャー、squaredotfx Youtube)

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ツウィの映像は悪意的に制作された訳ではなく、多くの大衆は”ディープフェイク”の技術をユーモアとして提供している。だが、一部ではこれを利用してアダルトな動画に有名人の顔を合成して流布する犯罪行為を犯す者もいる。

韓国では、ディープフェイクの制作・頒布は複数の罪に該当し得る重大な犯罪として規定されており、対象者の意思に反して性的な欲望または、羞恥心を誘発しかねない形で編集・合成した場合、5年以下の懲役または、5000万ウォン(約500万円)以下の罰金刑に。さらに、人を誹謗する目的で名誉を傷つけた場合、情報通信網法により、刑法上の名誉毀損よりさらに重いサイバー名誉毀損として、7年以下の懲役または、5千万ウォン(約500万円)以下の罰金刑に処せられるようになった。

SNSで流布されている人気アイドルたちの合成画像

人気アイドルたちの合成画像がSNSで流布されている(画像出典:オンラインコミュニティー)

日本でも昨年10月にディープフェイクを使ってアダルトビデオを合成したとされる男3人を名誉毀損と著作権法違反の疑いで逮捕したというニュースが報じられたが、調べてみた限り、まだ関連法案についての検討が行われていないのが現状だ。

女性芸能人、特にアイドルを対象にした性犯罪はますます知能的に変化しており、近年ではアイドルの年齢層が10代と若くなっているだけに、これらを対象にセクハラが強行される場合、深刻な問題になる恐れがある。

違法な性的画像や動画の作成、また流布に特化した法案によって、ダークウェブ(闇ウェブ)の悪質なデジタルコンテンツを根絶してほしいものだ。