韓国アイドルを好きになると、避けて通れないものが2つある。一つは”入隊”で、もう一つは”7年ジンクス”だ。日本の芸能システムとは異なる、この事務所の契約問題。これまではマイナスイメージが多かったが、最近は少し変化しつつあるようだ。
ガールズグループのApink(エーピンク)とOH MY GIRL(オーマイガール)は、最近グループ編成が変わった。
Apinkは、去る2月14日にデビュー10周年を記念したスペシャルアルバム『HORN』を発売。タイトル曲『Dilemma』でカムバック活動を行っていたが、メンバーのソン・ナウンはスケジュールの都合で参加する事ができなかった。
彼女は2021年に、YGエンターテインメントへと移籍した当時「Apinkの活動は継続する」と明言していたが、最終的にはそのままグループを離れることを発表。
事務所移籍の背景には、女優活動に重きを置きたいという思いがあったと見られている。
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そして5月9日、OH MY GIRLメンバーのジホが事務所との契約満了を伝え、グループを脱退することが明らかに。
“7年目の成功グループ”として話題に上がったことが記憶に新しい彼女たちだったが、”7年ジンクス”を6人で乗り越えることは叶わなかった。
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そして最近、MONSTA X(モンスタエックス)が再契約で揺れている。
現在はショヌ、キヒョン、ヒョンウォンの3人が再契約を締結したと報じられており、ミニョク、ジュホン、I.M(アイエム)が話し合いの最中だという。
違う事務所でもグループ活動のできる時代へ
韓国アイドルにハマると、必ず自身の”推し”に降りかかってくる話題が、”入隊(男性グループの場合)”と”契約問題”である。
ほとんどのグループが当初は7年での契約を交わし、その後については各事務所によって、またメンバー個別でも違ってくるようだ。
再契約のタイミングで、事務所とチーム離脱を報告してきたアイドルを無数に見てきたファンにとって、7年という時期はとてもナーバスであり、また祈るような気持ちにもなる。
しかし”魔の7年”、”7年ジンクス”と呼ばれている再契約問題について、最近は当人たちの心境が少し変化しているという。
この代表的な例が、約1年2カ月ぶりにカムバックすることを発表したGOT7(ガットセブン)だ。
彼らは、JYPエンターテインメントと再契約のタイミングで他事務所へ移籍、7人全員が別々の事務所へ籍を置いた。
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それでもグループ活動には前向きな姿勢を見せ、2022年にそれを実現させるに至った。マイナスイメージだった”7年ジンクス”を、見事克服して見せたのだ。
彼らがそれぞれがやりたい音楽、やりたいジャンルを、”アイドル”というカテゴリーに制限されることなくできる環境を持ちながら、”アイドル”を全うできる環境を整えることに成功したこの前例は、今後契約問題に直面するファンに、少なからず希望を持たせたのではないだろうか。
応援しているアイドルグループは、できれば再編成なく継続してほしいというファンの思いは、変わらないからだ。
ある韓国メディアでは、音楽業界関係者のコメントを以下のように伝えている。
「これまでは、メンバーが一人でも再契約をしなければ解散の雰囲気だったが、最近はメンバー再編を受け入れ、各自の自律性を尊重する雰囲気になっている」
「チームの愛情とは別に、7年もの間グループ活動に最善を尽くしたのだから、以後はメンバーの選択を、所属会社は支持してあげてもいいのでは」
“7年ジンクス”の意識に変化? 受け身から自己発信へ
これまでのK-POPアイドルは、基本的に国内活動においての人気が大きく左右していた面が大きい。
契約としての7年ではあるものの、グループとしての人気のピークをそれ以降も継続させることは、移り変わりの激しいアイドル界では決して簡単ではないことを、当人たちも知っている。
しかし、K-POPが日本の音楽市場へ進出し、さらにはBTS(防弾少年団)をはじめ世界へとK-POPが拡散された現在、人気の継続が可能になった。
加えてSNSやYouTube(ユーチューブ)の普及も手伝って、事務所プロデュース一択だったものが、自ら考え発信するという選択肢も増えている。現に”自主制作アイドル”という新語も誕生しているほどだ。
そのため、契約を更新しないということが、決して負の感情だけではなくなったという見方が強まっており、今後の韓国音楽市場(芸能事務所)に変化が起きるのか、関心が集まりそうである。
Apink
2011年4月19日にデビューした韓国の6人組ガールズグループApink(エイピンク / ハングル 에이핑크)。リアリティー番組から誕生したグループで、コンセプトは妖精。
グループ名の由来は、最上級のAに少女らしさのpinkを合わせてApinkとなった。
2022年4月8日、ソン・ナウンが脱退を発表。
現在はリーダーのパク・チョロン、ユン・ボミ、チョン・ウンジ、キム・ナムジュ、オ・ハヨンの5人で活動を継続している。
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