歌手ロイ・キムが、本格的なカムバックを準備中と韓国メディアが報じている。ファンの間では久しぶりのカムバックを喜ぶ声も上がっているが、世間一般には、いまだに韓国中に衝撃を与えた”バーニング・サン事件”の疑惑騒動のイメージが残っているようだ。
韓国メディアが、歌手ロイ・キムが、本格的なカムバックを準備中と報じている。
ロイ・キムは、2019年に、韓国芸能界を震撼させた“ある事件”に関与しているとの疑惑をかけられ、世間から”魔女狩り”のように悲しい扱いを受けた人物だ。
8月9日、韓国メディアのジョイニュース24(joynews24.com)は、歌手ロイ・キムが、8月のカムバックを目標に準備中で、遅くとも9月には新しい知らせを発表すると報道した。
所属事務所は、多数のメディアを通じて「カムバック日程は未定」と説明したが、彼が新曲を発表するならば、”久しぶり”に歌謡界に復帰することになる。
ロイ・キムのカムバックが、”久しぶり”となったのには、2つ理由がある。
1つ目は、兵役に行ったこと。2つ目は、2019年に韓国芸能界に大きな衝撃を与えた”バーニング・サン事件”の影響だ。
結論から言うと、ロイ・キムは、この事件に関与していない。にも関わらず、「彼も仲間の1人だ」という疑惑は、まるでそれが真実であるかのように広まってしまった。
ある意味、ロイ・キムも犠牲者である”バーニング・サン事件”とは、どんな事件なのだろうか。
“バーニング・サン”とは、もともとソウルにあったナイトクラブの名前で、ここには芸能人、財界有名人などが通っていた。
しかし、2018年11月、クラブで暴行事件が発生した。当初は単なる暴行事件かと思われたが、これがきっかけとなり、クラブの隠された闇の部分が芋づる式に明るみとなり、大きな事件へと発展していく。
まずは警察とクラブの癒着疑惑が浮上、その後クラブの中では、性的暴行や麻薬、暴行などが頻繁に起きていたことも発覚。一般人には憧れだったはずの”バーニング・サン”の裏の顔が露呈し始めた。
そして、その一連の疑惑・騒動の中心にいたのが、BIGBANGの元メンバー、V.I(スンリ)だ。
もともと”バーニング・サン”は、V.Iが経営に携わっていたと言われていたが、V.Iは「実質的な経営には関与していない」とすべての容疑を否認する。
しかし、性売買斡旋やバーニングサン資金横領に対する証拠が登場すると、BIGBANGから脱退し、芸能界を引退した。
ところが、ここからさらに韓国芸能界を震撼させる事件が発覚する。この事件が、ロイ・キムも疑惑をかけられた、歌手チョン・ジュニョンらの不法撮影物流布事件だ。
チョン・ジュニョンは、多数の女性らとの性的関係の動画を密かに撮影し、それを携帯電話のグループチャットを通じて共有していた。
このグループチャットには、チョン・ジュニョンをはじめ、FTISLANDのチェ・ジョンフン、CNBLUEのイ・ジョンヒョン、HIGHLIGHTのヨン・ジュンヒョンなどもいたことが明らかになり、彼らはその後グループを脱退している。
ここで、ロイ・キムもそのグループチャットにいたのではないか?という疑惑が上がる。チョン・ジュニョンの流布事件が話題になった頃、ロイ・キムもわいせつ物流布疑惑で調査を受けたからだ。
2019年4月9日未明、海外にいたロイ・キムは静かに韓国に入国し、調査を受ける。
調査過程では、ロイ・キムが芸能人のわいせつ物写真が合成されたことを知らせるために、チャットルームにそのキャプチャー写真を掲載したこと、そしてロイ・キムがいたチャットルームは問題のグループチャットではなく、他のグループチャットだったことが確認された。
そして、2019年11月、ロイ・キムは無事に起訴猶予処分を受け、流布事件およびバーニングサンとは関わりがないことが明るみになった。
ところが・・、すでに世間一般には「男性芸能人はみんなそうなのでは?」「男性アイドルは女性を性的対象にしか見ていない」といったマイナスイメージが広がっていたこともあり、すでに多くの人が「ロイ・キムも同類」「彼も事件に関与していた」という誤った情報が頭に焼き付いてしまっていた。
「ロイ・キムは事件に関与していない」という真実に、誰も聞く耳を持たない状態にまでなっていたのだ。
そのため、ロイ・キムは疑いが晴れても歌手活動を再開せず、そのまま2020年に海兵隊に入隊し、2021年12月、無事兵役を終えた。
そして、2022年8月「ロイ・キムが本格的なカムバックを準備中!」というニュースが入ってきた。
韓国のオンラインコミュニティーでは、「濡れ衣をきせられて悔しかっただろうに・・」「まだ誤解している人が多そうだね」「私は今日初めて真実を知った」などのコメントが見られる。やはり彼の無実を知らない人はまだまだ多そうだ。
中には、「ついにカムバック! 待ってたよ」「本当に久しぶりだね。歌が出たら、必ず聞く」など、彼のカムバックに期待する声も上がっている。
ロイ・キムは、カムバックを通じて、世間の誤解を払拭できるだろうか。
(構成:酒井知亜)
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