BTS(防弾少年団)を輩出したHYBE、K-POPの国際化に大きく貢献したSMエンターテインメント、そしてこれまで数々のオーディション番組を成功させてきたCJ ENMが、”ポップの本場”アメリカ市場を狙っていると韓国メディアが報じた。

“ポップの本場”アメリカ大陸を狙え!

ここ数年、アメリカ大陸におけるその影響力を拡大させてきたK-POP関連企業のアプローチが、さらに活発化しそうだ。

アメリカの主要チャートにランクインさせるだけに留まらず、K-POPの育成システムやプラットフォームを取り入れ、積極的に”現地化”を進めている。その一環として、各社は現地の有力メディアとタッグを組み、オーディション番組のローンチを計画している。

今月10日、韓国の有力日刊紙『朝鮮日報』は、インターネット版を通して、K-POP業界の3強--HYBE – SM – CJの”現地化”戦略を詳しく紹介している。

SM、アメリカの”大物”と手を組んだ

手を組んだSMとMGM

SMとMGMが手を組みオーディション番組を制作する(写真提供:©スポーツ韓国)

かつて”K-POP王国”として、K-POPの国際化に大きく貢献したSMエンターテインメント。同社は、ハリウッドを代表する”大物”MGM(Metro-Goldwyn-Mayer Studios Inc)と手を組み、『NCT-ハリウッド』として活動するメンバー選別が軸となる、オーディション番組を制作すると発表した。

朝鮮日報によると、MGMは主に映画やテレビ番組制作をしているアメリカの巨大マスメディア企業で、現地でオーディション番組を制作した経験があるという。韓国とアメリカを代表する両”大物”は、年内を目処にオーディション番組を公開するという計画をもとに協議を進めている。

(関連記事)「在籍メンバーもケアできてない」NCT ハリウッドプロジェクトが批判される理由

HYBE、BTSの人気と知名度を後ろ盾に

"アメリカ版BTS"の誕生を予告しているHYBE

HYBEは”アメリカ版BTS”の誕生を予告(写真提供:©スポーツ韓国)

今や世界的なグループに成長を遂げたBTS(防弾少年団)。同グループを輩出したHYBEは、世界最大のアルバム制作会社・ユニバーサルミュージックとともに、”アメリカ版BTS”の誕生を予告している。

アメリカにおけるBTSの人気と知名度は非常に高く、HYBEの新しい”試み”は、常に注目の的になっている模様。

朝鮮日報によると、HYBEはユニバーサルミュージックの主力レーベル、Geffen Recordsと合同レーベルを設立し、未来のスーパースターの卵を発掘する予定だという。

オーディション番組のノウハウならCJ

中南米を攻略するCJ ENM

CJ ENMは中南米を攻略する(写真提供:©スポーツ韓国)

『PRODUCEシリーズ』など、数々のオーディション番組を成功させてきたCJ ENMは、中南米を攻略する。

東方神起やスーパージュニアなどが人気を獲得し、北米に比べ、いち早く韓流とK-POPの人気に火が付いた」(朝鮮日報)

CJ ENMは、世界的な大手メディアグループである、ワーナーメディア(WANER MEDIA)が運営するVODプラットフォーム・HBOや、メキシコを拠点とする制作会社、Endemol Shine Boomdogと手を組む。

ワーナーメディアは、有力ニュースチャンネルであるCNNや、大手映画会社のワーナー・ブラザーズを擁する複合企業体であるため、波及効果や宣伝効果も期待できる。

韓国人のいないK-POPアイドル、今後も加速化の見込み

日本人グループでありながら、韓国の芸能システムが導入されているNiziU

NiziUは日本人グループでありながら、韓国の芸能システムが導入されている(画像出典:NiziU 公式Instagram)

K-POPアイドルの世界的な人気とともに、K-POPの”現地化”は幾度となく話し合われてきた。

K-POPは”韓国人だけ(もしくは、韓国人中心の)のグループであるべき”という、アイデンティティーを強調した”論理”では、市場の拡大に限界が生じてしまう。

そんな中、現地で選抜した逸材に、K-POP育成システムを取り入れるという”発想の転換”に勢いをつけたのが、昨年、日本中を熱狂させたNiziU(ニジュー)の成功である。

「全員が日本人で構成されているNiziUの成功事例から確認できるように”韓国人メンバーのいないK-POPアイドル”という形態が可能になった。NiziUは、JYPの首長であるパク・ジニョン(J.Y.Park)が、K-POPシステムを取り入れて発掘、育成したグループだ」(朝鮮日報)

最後に朝鮮日報は、K-POPの現地化が加速している理由の一つとして、新型コロナウイルスの感染拡大を挙げている。

「新型コロナの世界的な流行により、国と国の移動や交流が制限されているため、K-POP関連企業の”現地化”が加速したのだ」(朝鮮日報)







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