世界的なブームを巻き起こしているK-POPについて、その過去と現在、そして未来を考察する【K-POP百科】今回はワールドスター・BTSの源流を探ってみたい!1995年ソ・テジ?1996年 H.O.T?
昨今、世界の音楽シーンにおける最高の話題であり’最大の躍進’は、K-POPの台頭である。
ユーロビートやヒップホップサウンドによる強烈なイントロ、一糸乱れず高いシンクロ率を誇る群舞、そして時にはノリよく時には切ない歌声が響くサビ..世界の人々がK-POPに魅了される理由は他にもたくさんある。

2013年にデビューし、今やワールドスターとなったBTS(画像出典:BigHitエンターテイメント)
アジアを中心にその勢いを広めていたK-POPが、一気にアジアを超え、世界から注目されるジャンルになった背景には、BTS(防弾少年団)という存在無くして語ることはできない。
2013年6月にデビューを果たしたBTS(防弾少年団)は、2014年日本オリコンチャートイン(NO MORE DREAM)、2015年米Billboard初チャートイン(花様年華pt.2)、2016年UKチャート初チャートイン、2018年米Billboard200で1位(LOVE YOURSELF 轉 ‘Tear’)と、輝かしい成績を残しながら今なお快進撃を続けている。
BTSのファンを自称する世界のファンは、彼らが放つ’メッセージ’に救われたと口を揃える。
ヒップホップアイドルとして、芸能界入りを果たしたBTSは2013年デビュー当時、10代の悩みや愛を描いた『学校3部作(2 COOL 4 SKOOL/O!RUL8,2?、Skool Luv Affair)』を発表。BTS伝説の始まりと言われる『学校3部作』で、当時10代の共感を得てスターダムにのし上がる。
「おい、お前の夢は何だ?」「夢なんか見なくても誰も文句は言わない」「あなたの道を歩け、たった1日を生きても」「地獄みたいな社会に反抗しろ」などの歌詞はヒップホップサウンドに乗って、10代の悩みとストレス、泣訴(きゅうそ)を代弁するようだった。
実はこのような、’思春期の代弁者’の潮流はBTSが始まりではない。10代から熾烈な競争社会に放り出される国--韓国では、10代のうっ憤を晴らすためのビジネスが盛況していた。
90年代後半のBTS – H.O.T
2000年代に事実上K-POP界を支配していたSMエンターテイメント。SMエンターテイメントを代表する男子アイドルは、様々な階層をターゲットにした’メッセージ付き’の曲を発表した。
韓国のSMAPと呼ばれる神話(シンファ/1998年デビュー)は、デビュー曲『解決士』を通じて、権威主義に満ちた韓国社会を批判し、東方神起(2003年デビュー)は『”O” -正・反・合』を通じて社会の調和と信頼、共存を訴えた。
これらに先立ち、1996年にデビューしたH.O.Tはデビュー曲『戦士の末裔』を通じて’校内暴力’の深刻さを訴えた。

当時SMエンターテイメント所属で1996年デビューしたH.O.T(画像出典:韓国ポータル Daum)
H.O.Tは周知のとおり、SMエンターテイメントの巨大なK-POP王国建設の立役者である。
「何様のつもりだ?何で俺を殴るんだ」「弱者の首を絞めるお前からもう抜け出したい」「お前の親友だった俺を、罪の意識を感じずボコボコにした」「俺はお前の飯になった」「(大人に)チクっても変わるものはない」「アホみたいにぶん殴られ、すべてを失い彷徨い..」など、一部の歌詞だけでも校内暴力の’痛み’や大人への恨みが伝わる曲は、当時の10代に支持された。
過去にBTSは、韓国の音楽祭で『戦士の末裔』へのオマージュを込めて歌とダンスを披露したことがある。男子アイドルによる’10代の代弁者’と社会へのメッセージを、パワフルなラップとダンスで表現した点からいうと、BTSの源流はH.O.Tのデビュー曲『戦士の末裔』であろう。
しかし’10代の代弁者’だけにフォーカスを当てると、その源流は、1年前の1995年に遡る。
H.O.Tのデビュー曲『戦士の末裔』(動画出典:Youtube MBCkpop)
BTSが歌った『戦士の末裔』(動画出典:Youtube Suga deer)
韓国文化大統領 – ソ・テジ
1992年は、K-POPの歴史において重大なパラダイムシフトが起きた年と覚えられるだろう。
‘文化大統領’と称賛されたソ・テジが、K-POP界に現れた正にその年である。後に「現在のK-POPのAtoZはすべてソ・テジから始まったと言っても過言ではない。BTSとEXOが最新機種のiPhoneであれば、ソ・テジは最初のスマートフォンだ」と褒め称えられる存在となった。
(ソ・テジは、後にYGエンターテイメントを創業したヤン・ヒョンソクと、当時最高のダンサーと呼ばれたイ・ジュノを招き入れ’ソ・テジと子供たち’というチームを結成する)

1992年デビューして韓国音楽シーンを変えたソ・テジ(中)と子供たち(YG創業者のヤ・ヒョンソクが右)(画像出典:tistoryブログ)
ソ・テジは、1995年に発表した『Come Back Home』を通じて、10代の悩みと彷徨い、家出についてメッセージを発信していた。
「俺は今何を探すためにむきになっているのだろう」「俺は休まずどこに流されているのだろう」「繰り返される毎日の中で捨てられた自分を見た」「やがて恨みとなり、真実は消えた..舌先で」「まだ我々は若いから、明るい未来が待っているから、その冷たい涙を拭いてCome Back Home」と、アイデンティティーを失い街を彷徨う10代の学生らにメッセージを投げている。
ソ・テジと子供たち『Come Back Home』(動画出典:MBCKpop)
この曲が発表された1995年には、家出をした多くの10代が家に戻ったという調査結果があり、あるテレビ番組の司会者は「政府より歌手の力が大きいと感じた」と述べるほど、その影響力は凄まじいものだった。
翌年の1996年に引退を宣言したソ・テジだが、多くのアーティストやプロデューサーにインスピレーションとモチベーションを与えたとされる。その一人がSMエンターテイメントの創業者で現総括プロデューサーであるイ・スマン氏だ。彼はソ・テジが引退した1996年1月から8ヵ月経った同年9月に、H.O.Tと『戦士の末裔』を世に送り出している。
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いつも10代の悩みや葛藤、不安といったものは、世の中の大人から目を背けられてきた。
「悩む?不安?それを考える余裕があるのか!そんな余裕があれば勉強しろ!それがお前の人生に役立つんだ」と..。
そんな10代問題を、多くの歌手がテーマに取り上げ、彼らのストーリーを歌った。世の中はようやく彼らの悩みと葛藤‥そして夢に耳を傾けてくれた。
‘アイドルの10代の代弁者’という数式を作ったH.O.T、そして初めて10代の問題に目を向けた’文化大統領’ソ・テジ..彼らが、今やワールドスターとなったBTSの源流なのではないだろうか。
BTS
BTS(防弾少年団)は2013年6月13日にデビューした韓国の7人組男性アーティストグループで、パン・シヒョクのプロデュースにより誕生した。
HYBE(旧Big Hitエンターテインメント)所属。
デビューアルバムは『2 COOL 4 SKOOL』、デビュー曲は『No More Dream』。グループ名の”防弾少年団”には、10代、20代に向けられる抑圧や偏見を止め、自身たちの音楽を守りぬくという意味が込められている。
ハングル表記は”방탄소년단(バンタンソニョンダン)”から”バンタン”と呼ばれることが多い。
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