放送前にもかかわらず歴史歪曲の恐れがあるという指摘が飛び出し、議論に巻き込まれているJTBCドラマ『雪降花』。韓国国民がここまで懸念する理由とは。
俳優のチョン・ヘインとBLACKPINK(ブラックピンク)のジスが出演することで話題を集めたJTBCドラマ『雪降花』だが、現在は別の意味で注目を浴びている。

JTBCドラマ『雪降花』。議論前に公開された番組ポスター(写真提供:©スポーツ韓国)
放送前にもかかわらず”歴史歪曲”の恐れがあるという指摘が飛び出し、議論に巻き込まれてしまった『雪降花』。
これは歴史歪曲論争で激しい批判を受けた末、第2話にして幕を下ろしたSBS『朝鮮駆魔師』による影響が大きい。
この余派により『雪降花』は、韓国大統領府の国民請願掲示板に制作や放映の中止を訴える請願までが掲載されてしまった。約20万人の韓国人がこれに同意し、その後の行方が見守られていたところだ。
今月14日、大統領府はこれに対し、「民間で行われる自浄努力および自律的選択を尊重する」とした一方で、「ただし、行き過ぎた歴史歪曲など、放送の公的責任を阻害したり、審議規定に違反する放送は放送通信審議委員会の審議対象となる」と回答。続いて「放映された放送の公正性・公共性および公的責任の遵守可否を徹底的に審議していく」と明らかにした。
1つのドラマがなぜここまで、韓国国民にアレルギー反応を起こさせてしまったのだろうか。
議論に発展した”あらすじ”の内容
『雪降花』は、1987年のソウルを背景に、ある日突然、女子大学の学生寮に血まみれになって駆け込んできた名門大生スホ(チョン・ヘイン)と、彼が時代のために闘っている学生運動家だと思い治療をした女子大生ヨンチョ(ジス)のロマンスを描く。

ヒロインを務めるBLACKPINK(ブラックピンク)のジス(画像出典:ジスInstagram)
1980年代の民主化運動を背景にした作品なのだが、ここに男性主人公が韓国に派遣された北朝鮮のスパイであることや、国家安全企画部要員を「原則主義者で竹を割ったような人物」として紹介した点など、とんでもないフィクション設定が入ったことで国民からの批判を浴びてしまった。
褒め称えるべき民主化運動が歪曲されることを懸念
『雪降花』で描かれる民主化運動とは、1987年の”6月民主抗争”を指していると見られる。この民主化運動は、韓国国民にとって後世まで語り継がれるような褒め称えるべき現代史のワンシーンだ。
そのような栄誉ある出来事に、スパイが絡むという設定自体が問題だという意見が多い。劇中、スパイ役キャラクターの行動がどうであれ、スパイが絡むという仮定自体が、韓国国民の力で勝利した民主化運動の価値を傷つける危険性が高いためだ。

ジスの相手役を担う、俳優 チョン・ヘイン(写真提供:©スポーツ韓国)
これ以前、1980年5月に起きた”518光州民主化運動”が、独裁政権の抵抗した市民が自発的に行動に移した民主化運動ではなく北朝鮮のスパイに扇動された市民の暴動だ、と多分に政治的な発言をする人も多いように、”6月民主抗争”もこれと同じく、スパイ疑惑が結び付けられてしまうのでは‥といった懸念だ。
国家安全企画部の美化を問題視
また、男性のサブ主人公役が「竹を割ったような、熱血国家安全企画部要員」という美化した設定も問題提起されている。国家安全企画部は1980年代当時、あらゆる公安事件に介入して独裁政権を庇護し、民主化運動を弾圧した機関だからだ。

熱血国家安全企画部要員を演じる、俳優のチャン・スンジョ(画像出典:チャン・スンジョInstagram)
このような人物設定は、民主化運動に参加した人々を拷問し、スパイ事件を捏造するなど、独裁を正当化するために多くの犯罪を犯した国家安全企画部を肯定的に描いて美化する可能性もある。
海外ファンに対し、歴史に誤解が生じる恐れも?
“6月民主抗争”を卑下したり、安全企画部を美化するという推測と憂慮で批判的な世論が広がっている。
主演俳優の1人であるジスは、海外ファンも多く認知度が高いK-POPアイドルであることから、このドラマを国外のファンが見て、韓国の民主化運動や歴史に誤解や偏見を持ってしまうのではと憂慮されている。これはtvN『ヴィンチェンツォ』で起きたビビンバ議論でも見られた懸念だ。

世界的アイドルのジスが国外に及ぼす影響とは(画像出典:ジスInstagram)
このほかにも、主人公キャラクターの歪曲された実在人物モチーフ疑惑などもあり、国民からは”1つのドラマが歴史を変えてしまうかもしれない”と言う懸念が見られている。
韓国国民がこれほどまでに”アレルギー反応”を起こすのは、ドラマに設定されたフィクションによって、勝ち取った勝利が歪曲されて伝わってしまう、褒め称えられる”6月民主抗争”が、虚偽をまとって伝承されてしまうのではという懸念からのようだ。
BLACKPINK
BLACKPINK(愛称 ブルピン / ハングル 블랙핑크)は、韓国のガールズグループ。2016年にYGエンターテインメントによって結成。
メンバーは韓国出身のジス、ジェニー、オーストラリア出身のロゼ、タイ出身のリサによる4名。公式ファンクラブ名は「BLINK(ブリンク)」。
編集部おすすめ記事
-
ウ・ドファン、デニム姿で見せた透明な日常!夏夜の静かなときめき
-
tvN「巫女と彦星」チュ・ヨンウが1位!「25年8月 韓国ドラマ俳優 ブランド評判」ベスト5
-
あの日の感動が再び甦る!9月CSで楽しめる韓国俳優 過去来日イベント3選
-
オム・ジョンファ、ソン・スンホンと10年ぶりに再共演!「かけがえのない私のスター」でラブコメ復帰
-
「100番の思い出」キム・ジョンヒョン、優しさと余裕を兼ね備えた“あしながおじさん”役で胸キュン予告
-
アン・ボヒョン、少年のような笑顔!ギルグの魅力あふれるセルカ公開
こちらも投票お願いします!
この記事と関連度が高いトピック
現在読まれています!
最新記事
-
まるで塩キャラメル!9月CS放送で堪能する「大人のロマンス」韓国ドラマ5選
-
アン・ボヒョン、少年のような笑顔!ギルグの魅力あふれるセルカ公開
-
ウ・ドファン、デニム姿で見せた透明な日常!夏夜の静かなときめき
-
“可愛い息子と” CNBLUE イ・ジョンシン、愛犬シンバくんとの日常ショットにファンほっこり
-
「100番の思い出」キム・ジョンヒョン、優しさと余裕を兼ね備えた“あしながおじさん”役で胸キュン予告
-
SS501ユニット”FIVE O ONE”、20周年公演のビハインドと未来への約束
-
GOT7 マーク、新曲「hold still」で描く愛と別れ・・深まる音楽世界に期待高まる
-
idntt初ユニット”unevermet”、「M COUNTDOWN」で鮮烈デビュー!初ステージで観客を魅了
-
BTOB イ・ミンヒョク、圧倒的カリスマ!ソロコンサート「HOOK – WHO : KING」ポスター公開
-
第4次韓流ブームから5年!「韓国ドラマ=Netflixで観る」方程式の誕生に一役買った作品10選
-
AMPERS&ONE、3rdミニアルバム「LOUD & PROUD」でチャート1位&MV1,000万回再生を同時達成
-
200万回再生突破!YOUNG POSSE、新曲「FREESTYLE」で5世代K-POPの中心へ
-
17時間前
PHOTO:©TOPSTAR NEWS
tvN「巫女と彦星」チュ・ヨンウが1位!「25年8月 韓国ドラマ俳優 ブランド評判」ベスト5
-
17時間前
PHOTO:©TOPSTAR NEWS
あの日の感動が再び甦る!9月CSで楽しめる韓国俳優 過去来日イベント3選
-
今年の秋トレンドは大物俳優のテレビ復帰!韓国で話題沸騰 秋の新作ドラマ5選
-
最新作も続々!25年9月に日本の劇場で出会える注目の韓国映画6選
-
日本のテレビ初上陸の便り!9月CSで届けるK-POP公演&韓国バラエティ5選
-
TOMORROW X TOGETHER、Danmeeアンケート「25年7月 K-POPボーイズグループ人気決定戦」1位に
-
イ・ドンウク、JTBC「優しい男の物語」の裏側を公開!淡く染まる静かな午後
-
ハン・ジミン、夏の真昼に咲く笑顔!デイジーのように輝く日常ショット公開
-
YOUNG POSSE、4th EP「Growing Pain pt.1 : FREE」カムバックショーケースに出席!(PHOTO20枚)
-
パク・ミニョン、新ドラマ「コンフィデンスマンKR」で知性×美貌×財力を兼ね備えた“天才詐欺師”に!
-
KBS「トクスリ5兄弟をお願い!」最終回視聴率20.4%!アン・ジェウクが見せた圧倒的存在感
-
母は連続殺人犯、息子は刑事・・コ・ヒョンジョン主演SBSドラマ「カマキリ -殺人者の外出」が描く禁断の心理戦
RECENT TOPICs
COMEBACK & DEBUT
-
BTS JIN ‘The Astronaut’ MVALICE ‘DANCE ON’ MVATBO ‘ATTITUDE’ MVEPEX ‘恋歌’ MVグループ名がT1419からTFNに! ‘AMAZON’ MVNCTテン ‘Birthday’ MVCLASS:y ‘ZEALOUS’ MVCLASS:y ‘Tick Tick Boom’ MV
ご意見を自由にコメントしてください!
記事に関するご意見や情報提供はこちらのフォームをご利用ください。