歌手でプロデューサーのパク・ジニョン(J.Y.Park)の人格教育が大きく評価され、所属アーティストたちが家族のように温かく、事務所内の雰囲気が和気藹々としているJYPエンターテインメント。だが、かつては鬼のような怖さで歌手の指導に当たっていたようだ。では、パク・ジニョンが今のように変わった契機は何だったのだろうか‥
グローバル オーディション『Nizi Project(ニジプロジェクト)』から輩出された新人グループNiziU(ニジュー)が、日韓で旋風を巻き起こし、今一度”ガールズグループの名家”を証明しているJYPエンターテインメント。
プロデューサーのパク・ジニョン(J.Y.Park)が、『Nizi Project』を通じて最も称賛を受けた部分が、練習生たちへの”人格教育”、家族のように温かな”円満な人間関係”を見せた部分だ。また自身も歌手としての”自己管理”、そして所属歌手との”親睦”などを通じて、彼の教育方針が大きなイメージアップに繋がった。
だが、かつては”鬼”のような怖さだったと、パク・ジニョンの指導方法が再注目されている。
“ライブの女王”と呼ばれている、歌手でミュージカル女優のIVY(アイビ―)。BoA(ボア)と共に最高の実力派として指折り数えられる彼女は、バラード歌手の準備をしていた際、偶然JYPのダンスチームのレッスンを受けることになり、パク・ジニョンの目に留まった。
彼女は「パク・ジニョン代表は、IVYという名前をつけて下さった方。一生の恩人です」と語ったことがあるが、過去に出演したMBCバラエティー番組『ラジオスター』で「昔のパク・ジニョン代表は、レコーディングの時は凄く怖くてとても頑固で、腹が立つほどでした。私がレコーディングをするのに、なぜか代表が発声練習をして遅刻して来ることもありました」とし「でも、今は本当に優しくなり、事務所の関係者も代表のことを”*歯が抜けたトラ”と言っています」と伝えた。
*歯が抜けたトラ(이빨 빠진 호랑이):人間が丸くなったという意味。
パク・ジニョンが変わった理由の1つに、JYPの停滞期が大きく左右したようだ。
2000年代、所属歌手のアルバムの作詞・作曲・プロデューシングに積極的に参加したパク・ジニョンだが、歌手に対するプロデューシング過程が一方的で、自身のカラーに無理に染めさせるという一面があったという。それに加え、Wonder Girls(ワンダーガールズ)のアメリカ進出で、思うような結果を出すことも出来なかった。これらに責任を感じたパク・ジニョンは、自身の思うままにするよりも、プロデューシングから意図的に距離を置いて、会社のシステムを重要視することにした。
パク・ジニョンは「クリエイティブ産業では、光らせるアイディアがカギ。もし職員が疲れているなら、良いアイディアが出るだろうか」とし「職員が最大限に良いコンディションを維持できるようにすることが重要だ」と、過去のプレゼンテーションで語ったことがある。
2018年7月1日から施行された、韓国の”働き方改革(労働時間の上限を週52時間に制限する改正勤労基準法)”に基づいて、JYPの職員数を増やすと同時に、効率的なシステムを構築して職員の労働時間を週52時間より少なくさせ、健康なライフスタイルのために有機農食堂やカフェを完備し、メンタルケアを充実させている。
(関連記事)JYP パク・ジニョン、”食”で人を管理するために使う費用は年間20億
一時は、SMやYGよりも会社のシステム面で遅れを取り、商業的にも限界が明確になり、パク・ジニョン本人を含めて深刻な停滞期を味わったJYP。マネージメント面で問題になった部分は本人の努力で改善し、優秀なスタッフを集めるだけでなく、さらに職員にやりがいや幸せを感じてもらえるよう、物心両面を向上させるように会社を再構築させたことで士気が高まり、結果、それがアーティストへの追い風となって、現在、商業的な成功を収めていると言える。
困難を乗り越えながら多くのことを学び、アーティストとJYPのスタッフを導いていく企業家パク・ジニョンは、今後どのようなビジョンで未来を見据えているのか。JYPはもちろん、韓国歌謡界の更なる成長が楽しみだ。
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