JYJのキム・ジュンスが、ミュージカルデビューから今年で10年を迎える。初ステージ『モーツァルト!』の出演が決まった時、彼は多くの冷笑を浴びた。しかし今や、彼を笑う者は誰もいない。今日の地位にたどり着くまで、どんな努力や苦労を重ねてきたのだろうか。

2004年にアイドルとしてデビューした当時、キム・ジュンスは17歳だった。

祝!ミュージカル俳優10周年!

祝!キム・ジュンス、ミュージカル俳優10周年!(画像出典:ジュンス 公式Instagram)

韓国の音楽界でも頂点に君臨し、満を持して日本に進出したはずが、再び地方回りの日々。いつしかその努力も認められ、日本でもトップクラスのアーティストへと成長した。

33歳になったジュンスは現在、初めてミュージカル界に足を踏み入れた『モーツァルト!10周年公演』に出演中だ。これを記念して、韓国のミュージカルウェブサイト「playdb」でスペシャルインタビューを受けているので、ダイジェストに紹介したい。

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セリフに心動かされ、ミュージカルの道へ

2010年10月に、JYJとしてカムバックする前の同年1月。ジュンスに韓国で初演されることになったミュージカル『モーツァルト!』の出演オファーがくる。

しかし当初は「断るつもりだった」という。一度も経験したことのないジャンルで、人前に立つ勇気がなかったからだ。しかし、台本を読んで気持ちに変化が訪れる。

ミュージカル『モーツァルト!』10周年に祝福コメントを寄稿

ミュージカル『モーツァルト!』10周年に祝福コメントを寄せたジュンス。(画像出典:EMKミュージカルカンパニー 公式Instagram)

「“なぜありのままの私を見てくれないのか”というセリフにハッとした。『黄金の星』という楽曲には涙が出そうになった。失敗してもいい、この役を借りて、僕が伝えたいことを表現できたら幸せだと思った」

詳細は割愛するが、当時のジュンスは前にも後ろにも進めない、芸能界で居場所を失いかけていた時期だったと記憶する。そんな自身の心境が、モーツァルトのセリフと重なる思いがしたのだろう。自由を渇望するモーツァルトに、強いシンパシーを感じて出演を決意する。

韓国で初演されることになった『モーツァルト!』の主演、ヴォルフガング・モーツァルトはクアドラプル(4人)キャストと発表され、そのクレジットに彼の名前が並んだ事を知ったミュージカルファンは、猛反発。以前は、演技するアイドルに対して“演技ドル”という肩書が付けられるほど、アイドルが芝居をすることの偏見が大きかった。

ミュージカル『モーツァルト!』は世宗(セジョン)文化会館大劇場で上演中。

ミュージカル『モーツァルト!』は、世宗(セジョン)文化会館大劇場で上演中だ。(画像出典:FaceBook)

ましてや、同じ主演を務めたイム・テギョンやパク・ゴンヒョンは、ミュージカル界ではすでに認められているスターだったため「アイドルにミュージカルの主役が務まるのか」と、ジュンスには冷たい視線が向けられていた。

この重圧もまた、「相当なものだった」と当時を振り返っている。

「自分だけの武器を持つ役者になれ」と言われて吹っ切れた

彼の特徴的な高音ハスキーボイスは、唯一無二の歌声だ。

それでも、ボーカリストであるジュンスでさえも、これまでの歌い方ではなく、ミュージカルに重要と言われている声楽発声を必死に取得しようとしていた。

ミュージカル『デスノート』より。

ミュージカル『デスノート』ではL役を熱演。(画像出典:ジュンス 公式Instagram)

しかしある日、演出家のユ・ヒソンに「君を観に来るお客さんは、君の魅力を観に来るんだ。どんな役者だって、万人に受けているわけじゃない。嫌いな人がいて当たり前なんだから、自分だけの武器を持つ役者になれ」と言われ、吹っ切れたという。

その言葉をきっかけに、より大きな視点を持ってミュージカルに向き合うようになり、自分だからこそできるスタイルを模索し始めるように。

結果『エリザベート』『ドラキュラ』『デスノート』と、自身の個性を生かすことができたのだった。

ようやく認められた『エリザベート』

どのカテゴリーでも、“沼”はある。ミュージカルもまた然り。出演者のファンもいれば、作品そのもののファンもいる。ミュージカルの世界観が好きな人もいる。

そして、ミュージカルを観る人は比較的シビアだ(あくまでも個人の見解の域は出ないが)。エンターテインメントは誰にとっても、敷居は低いものであってほしいが、“沼”にハマるとそうもいかなくなるのが、また人間。

ジュンスのターニングポイントとなった作品『エリザベート』

ジュンスがターニングポイントだったと言うミュージカル『エリザベート』。(画像出典:EMK ミュージカルカンパニー 公式Facebook)

良いものはきちんと称賛し、実力不足なものは容赦なく酷評する。それが実力を底上げする動力にもなっている。

そういった側面では、ミュージカルファンにとって“良くても悪くても称賛する”スタイルは我慢がならない。キム・ジュンスがそうだったという訳では決してなかったのだが、いかんせん“アイドル出身”であるがゆえに、出演するたびにターゲットとされ、ファンの衝突がたびたび発生していた。

そんな議論がようやく払拭できたのが『エリザベート』だったと、本人は語る。

「僕が『エリザベート』で演じたトッドは、40~50代という重厚な役割だったので、多くの非難を浴びた。だからこそ、僕ができるトッドを研究し、模索して、中世的に演じることにした。僕の中でこのキャラクターができあがってからは、もう感覚だけを信じて演じていた。これが、観客の好評を得ることになった」

これがきっかけで、以降トッド役のキャスティングにも変化が生じ、比較的若い俳優にもこの役が与えらるように。作品を重ねる毎に、ジュンスが1段1段しっかりと足をつけて階段を上ってきたことがわかるエピソードだ。

いつか創作ミュージカルに

ミュージカル俳優として歩んできた10年を振り返って、「10年前の当時は、夢見ることすら贅沢な事だった」と明かすジュンス。

楽屋でリラックスムードのキム・ジュンス。

楽屋でリラックスムードなジュンス。(画像出典:ジュンス 公式Instagram)

その一言は、読者に何とも言い難い、切ない思いを交錯させる。

「ミュージカルが僕にとって、残された最後の刀だった。それでも、こうして今日まで僕の姿を見つけて劇場に足を運んでくださるファンがいて、本当にありがたい。おかげで、第2の夢が見られるようになった。それは小規模な創作ミュージカルの発展にも役立ちたいということ。1つでも多くの作品、制作スタッフの力に微弱ながらなれるよう、ミュージカルの恩はミュージカルで返していきたい」

キム・ジュンスはミュージカル界において、チケットパワーを持つ“スター俳優”となった。それでも、ファンのために開催するファンミーティングでは、ユーモラスで茶目っ気たっぷりのXIA JUNSU(シアジュンス)を見せることも忘れない。

苦労を重ねた分、ファンへの感謝を何よりも忘れない実力と心の優しさを兼ね備えたキム・ジュンスは、これからもずっと見続けていたいスター俳優へと成長を遂げたのであった。



JYJ

2010年、東方神起のメンバーであったキム・ジュンス、キム・ジェジュン、パク・ユチョンの3人により結成されデビューした。
グループ名は3人のメンバー、ジェジュン(Jaejoong)、ユチョン(Yuchun)、ジュンス(Junsu)の英語名頭文字をとってつけられた。

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