- BTS(防弾少年団)ジミンの米ビルボードチャートでのランクを巡り、雑音が聞こえてきた。
- 彼の記録は、ファンダムの大きな後押しが必要不可欠だった。ではその時、事務所は何をしていたのか?
- ある韓国メディアは、ファンの献身を紹介する一方で、事務所の体制については苦言を呈している。
BTS(防弾少年団)のジミンが、ソロ曲『Like Crazy』で、米ビルボードチャート“Hot 100”で1位を獲得した。
韓国ソロアーティスト史上初の快挙は、韓国国内だけではなく世界で大きく報道され、ジミンは、グループとしてだけではなく、ソロとしての成功の可能性をも示した。
そして『Like Crazy』は、翌週のチャートで45位に。このランクダウンを巡っては、現在も韓国ネットで様々な議論が上がっている。
そんな状況について、韓国メディア『ハンギョレ21 (h21.hani.co.kr)』のコラム では、「大多数のビルボードチャート予測サイトは、『Like Crazy』がリリース2週目にも10位内に無難に入ると予測していたが、実際は45位だった」「予測と実際の順位の差がこれほど大きいのは異例」と伝えている。
では、なぜ「トップ10にランクインする」という予測は外れてしまったのだろうか?
ハンギョレ21によると、「2週目の順位を決めたのは、ラジオのエアプレイ回数だった」と捕捉している。
米音楽産業専門誌HITS Daily Doubleのデータによれば、ジミンの2週目の音源セールス数は約12万回だったが、ビルボードチャートデータを流通するLuminateは、88%を削減した約1万5千回だけの集計となっているようだ。
これも気になる情報だが、どうやらこの数字は、10位内に入るには足りない販売数ではないのだという。
しかしファンは、今回ジミンが1位になった後にビルボードがルールを変更したと主張し、憤りを見せている。
2022年1月、ビルボードは音源ダウンロード数のカウント方式を変更している。ダウンロードは、1週間に1回のみのカウント、重複ダウンロードは集計に反映されないことになった。
しかし、ファンは1人あたりの週1回の集計方式が、正しく適用されているのかと疑問を提起。ビルボードの公式釈明を要求する「ハッシュ総攻(同じハッシュタグを使い、リアルタイムトレンド入りさせる行為)」を行った。
さらには、ラジオエアプレイ回数を増やすため、放送局のリクエスト掲示板のリンクを集めて共有し、参加を促した。
“Hot 100”1位、そして翌週45位のランクインは、ファンの大きな努力があってこそ実現した。
ところが、ジミンが打ち立てた記録の裏では、ファンの努力を無駄にするような、様々な疑惑(?)もあるようだ。
韓国の時事週刊誌ハンギョレ21では、このようなファンの“献身”を評価する一方で、BTSの所属事務所に対しては辛辣な苦言を呈している。
なぜなら、一見「ファンダム 対 ビルボードチャート」のような対決に見える構図も、詳しく状況を見るとそうではないのだという。
コラムでは、事務所がファンダムに全てを任せきりになっていると指摘し、「事務所は株価上昇など、反射利益のみを得る姿を発見することができる」と伝えている。
実際ジミンが“Hot 100”で1位を獲得した後、所属事務所HYBEの株価が7%上がっている。
また「ファンは事務所が音源を発表後、ビルボードチャートにランクインさせるための費用と努力の相当の部分を、ファンダムに転嫁していると感じる」と指摘。
今回、音源ストリーミングプラットフォームで、アルバムや曲情報が間違って記載された事実を発見し、事務所に知らせたのもファンだったという。
ジミンのファン連合である、あるツイッターアカウントでは「アルバム広報とモニタリングの多くの部分がファンダムによってなされていると見ている。アーティストの創作物をきちんと市場に広報することは所属事務所の義務であり、日々大きくなるK-POPの規模だけにプロモーションの投資が必要だが、十分に準備されていないと感じる」という意見も。
ファンの間では「なぜ事務所がしっかりと動かないのか?」「なぜ事務所が広報に力を入れてくれないのか?」と、ファンダムに頼りっきりである、事務所のサポート体制を疑問視する声も強くなっているようだ。
ハンギョレ21は、「事務所はファンダム依存を減らし、独自の力量を育てなければならない」と指摘している。
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