BTSのヒット曲『DNA』の作詞に参加したメンバーのSUGA。彼は、発言することが叶うことでミンストラダムスと呼ばれている。
2017年11月19日、『アメリカン・ミュージック・アワード(AMA)』で、ある1組の韓国アイドルがステージに上がった。
この授賞式に参加していた、アメリカのセレブたちは「Who?(誰?)」という表情を浮かべていたが、曲が始まると、まるで場内は彼らのコンサート会場になったかのように、大歓声が沸き起こる。
7人のアイドルが披露した曲は『DNA』。歌詞は、集まった観客にはあまり馴染みのない韓国語だ。
大歓声の中、約4分間のステージを終えると、全世界のネット上で”BTS”というクエリ(検索語)で、とてつもないトラフィックが発生。一時、彼らの名前は世界の”トレンド”に上がった。
そして、彼らの歌った『DNA』が、どのような内容の楽曲なのか、調べる者たちの目に留まった歌詞がある。
その歌詞とは――「すべては偶然ではないから」。
そう、彼らの名前はBTS(防弾少年団)だ。
韓国のアーティストというハンディキャップをものともせず、現在世界的な人気を誇っている、あのBTSだ。
DNAを作詞したSUGAは予言者
BTSの5thミニアルバム『LOVE YOURSELF 承 ‘Her’』のタイトル曲は『DNA』である。
同曲を作詞したのは数人いるが、その一人がSUGAだ。
SUGAは、ファンの間で”予言者――ミンストラダムス*”として有名で、彼のメモや手紙、発言が現実になるからと、そう呼ばれているそうだ。
*ミンストラダムス:SUGA(本名:ミン・ユンギ)が、目標に掲げていたことが実現するという意味。BTSのファンが、世界的な予言者であるノストラダムスの名前をもじって名付けたという。
2015年、自分に宛てた手紙にはこう記されている。
「2016年には、授賞式に参加しただろう。大賞の受賞者として‥」
1年後。BTSは、デビュー以来初の大賞を受賞する(2016 MelOn MUSIC AWARDS)。
またリアリティー番組では「蚕室(チャムシル)運動場*でコンサートがしたい」と発言したのだが、2018年にその夢も叶う。コンサート時に蚕室運動場は、9万人のファンで埋め尽くされた。
*蚕室運動場:1988年ソウル五輪のメインスタジアム。日本に例えると国立代々木競技場クラス。
2019年にBTSは、米・ビルボードで2冠(トップグループ賞/トップソーシャルアーティスト賞)を達成したが、これもSUGAにより予言されていたという。
そんな予言者であるSUGAは、自身が作詞した(共同作詞ではあるが)『DNA』の中で、世界的な成功を予知していたかのように「すべては偶然ではないから」という一節を盛り込んだのはないだろうか。
SUGAが約束する”共存”
BTSとしてデビューをして、世界中のファンと出会うといった、言い換えればSUGA自身の”第2の誕生”、そして世界的な成功といった”運命”を予感していたSUGA、いや、ミンストラダムス。
彼は、前出の手紙でこうも綴っている。
「BTSはこれからも永遠に続く」
ハングルのニュアンスを正確に理解しているつもりで、彼の言葉を解くと、
「BTSというグループはバラバラにはならず、ずっと一緒に活動する」
「BTSという一つの価値、象徴を守るため、メンバー、ファン、会社が一丸となって結束する」
BTSメンバー7人がいるだけでは”BTS”は成り得ない。ファンも会社もひっくるめて、共存し合うことでようやく”BTS”は成り立つのだと、SUGAは言う。
アーティストに”運命共同体”と言われることほど、嬉しいことはないではないか。
BTSが、SUGAが、愛される理由が、ここにある。
(関連リンク)BTSコラボジュエリーMOMENT OF LIGHT 日本公式サイト
BTS
BTS(防弾少年団)は2013年6月13日にデビューした韓国の7人組男性アーティストグループで、パン・シヒョクのプロデュースにより誕生した。
HYBE(旧Big Hitエンターテインメント)所属。
デビューアルバムは『2 COOL 4 SKOOL』、デビュー曲は『No More Dream』。グループ名の”防弾少年団”には、10代、20代に向けられる抑圧や偏見を止め、自身たちの音楽を守りぬくという意味が込められている。
ハングル表記は”방탄소년단(バンタンソニョンダン)”から”バンタン”と呼ばれることが多い。
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