BTS(防弾少年団)を応援する韓国ファンの間で流行っている新造語--”私債セクシー”をご存じだろうか? その意味を簡単に紹介すると「貸金業者の色気」という意味になるのだが、この造語がどのように流行しているのだろうか?

もはや説明不要な世界的人気グループ、BTS(防弾少年団)。

BTSは7人組ボーイズグループ

世界的人気グループBTS!(画像出典:BTS公式Twitter)

そんな彼らを見守る韓国ファンが「”グローバルアイドル”に育て上げた」という自負心は実に強い。

だからなのか、海外活動や新規コンテンツの発表など、BTSや所属事務所(HYBE)の一挙一動に敏感に反応し、茶々を入れることも少なくない。時には他国ファンと、激しい論争も辞さないのが韓国ファンという印象だ。

一方で、BTSの活動には常にアンテナを張り、新造語や話題を作り出す能力も卓越している。メンバーの愛称やケミ(相性)など、今や海外でも普通に使われる言葉の大半は、韓国ファンのSNSやコミュニティーから生まれた。いわば”自国ファン・ロイヤリティー”を存分に活用する。

そして近年、BTSにまつわる面白い新造語が誕生した。その言葉とは、”私債セクシー(사채섹시)”。

その意味を簡単に紹介すると「貸金業者の色気」という意味になる。

“私債”? “貸金業者”?

「BTSが投資してるの? それとも借金してるの?」と、首を傾げる人もいるだろう。

では、”私債”の意味からおさえておこう。

私債(日本の私募債とは、違うものと考えてほしい)とは、個人の債務という意味で、韓国ではよく”貸金業者”や”サラ金業者”を指す言葉として使われている。日本では、派手な柄のシャツを着た強面の男たちが、サラ金業者として借金返済を催促するシーンがドラマや映画で流れることがあるが、私債がまさにそのイメージ。

では、韓国ファンは何故BTSに、そんな悪いイメージ(?)を付けたのだろうか。

韓国では知る人ぞ知る、日本以上にノワールジャンルの映画やドラマが盛んで、作品の中に描かれる主人公(サラ金業者)の派手なファッションとビジュアルに、色気を感じさせる演出が非常に多い。

代表的な例として、2006年に公開されたチョ・インソン主演映画『卑劣な街』がそれだ。

チョ・インソン主演の映画『卑劣な街』

チョ・インソン主演の映画『卑劣な街』(画像出典:Daum映画)

派手なシャツのボタンは半分留めず、胸元を見せている。その上、高級そうなスーツを着ている。腕には金ピカの高級腕時計、派手な色をしたヘアスタイルにサングラスは必須。その実、男気溢れてけんかに強い‥そんな韓国ノワール映画が誕生させた、セクシーなサラ金業者に、韓国ファンはBTSを当てはめて、ユニークな新造語を作り上げたのだ。

RM

(画像出典:BTS公式FaceBook)

SUGA、V、ジョングク

(画像出典:BTS公式FaceBook)

ジン、ジミン、RM、J-HOPE

(画像出典:BTS公式FaceBook)

RM

(画像出典:韓国オンラインコミュニティー)

ジミン

(画像出典:韓国オンラインコミュニティー)

そして”私債セクシー”には、もう1つの意味がある。

韓国のサラ金業者は、毎日一定額を返済するよう義務付ける、”日収”という集金方式を取るケースが多い。そこにBTSの韓国ファンが目を付けて、サラ金業者のように「ファンが毎日彼らの近況を、チェックせざるを得ないような極上の色気を放っている」というのだ。

確かに、千変万化のBTSを堪能する事は、ファンでなくても楽しいもの。

さらに、派手なファッションと色気溢れるビジュアルの裏側に潜む自然体、そして人間臭さというギャップも、見る人をときめかせる。

BTSは、サラ金業者よりも(良い意味で)抜け出せない沼を生み出しているようだ。









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