『第63回グラミー賞授賞式』まで2カ月をきったが、現在、そのグラミー賞にノミネートされているBTS(防弾少年団)に対し、人種差別行為が行われるのではないかと懸念されている‥。(写真提供:ⓒ TOPSTAR NEWS)

アメリカの音楽会で最高の栄誉と言われる『グラミー賞』。本来なら今月末に開催される予定だったが、新型コロナウイルス感染拡大の影響で、3月14日(現地時間)に延期が決まっている。

今回は、世界的な人気を誇る韓国のボーイズグループBTS(防弾少年団)がノミネートされているということで、韓国のアーティストとして初の受賞になるかどうかの期待がかかっている状況であるが、その一方で、BTSに対する人種差別の懸念も広がっている。

グラミー賞にノミネートされているBTS

BTSはグラミー賞にノミネートされている(写真提供:ⓒ TOPSTAR NEWS)

こうした懸念は、2017年、『2020 ビルボード・ミュージック・ アワード(BBMAs)』で、BTSが”トップ・ソーシャル・ アーティスト賞”を受賞した際に起こった出来事が発端となった。

BTSは2017年から2020年まで現在4年連続でこの賞を授賞しているが、2017年の初授賞当時、ツイッター上には、

「いったいこのアジア人たちは誰?」

「このおかっぱ頭のアジア人たちはどうしてここに来てるの?」

「私はこのアジア人たちがいったい誰なのかまったく知らない。知りたくもない。何を言っているのか理解できなかった。最近の賞レースはすべてゴミだ」

「私は人種差別に反対している。しかし、アメリカの歌手やバンドが韓国の授賞式に出演することなんてないじゃないか。だからBTS、どうか韓国にお帰りください」

など、アジア系グループがジャスティン・ビーバーやアリアナ・グランデなど、ほかの名だたる西洋系アーティストを差し置いて、名誉ある賞を受賞したことに対しての批判が相次いだのだ。

そして、こうしたBTSに対する人種差別的批判はSNS内だけではとどまらず、さらにアメリカ内だけにとどまる話ではなかった。

メキシコのテレビ番組『Farandula 40』では、『ビルボード・ミュージック・ アワード』に出席したBTSの姿を放送し、2人の司会者が「彼らがGUCCI(グッチ)を着ても無駄だ。今回のコレクションは失敗だ」「男がこんな骨だけで弱々しく見え、変なヘアースタイルをしているのに服がよく見えるはずない」と述べた。さらには「ゲイクラブで働いているみたい。LGBTのグループが売春しているようだ」というようなセクハラ発言まで飛び出し、視聴者を驚かせた。

これに対し、世界中のARMY(アーミー:BTSファンの名称)たちが『Farandula 40』の司会者や出演者に対して抗議。その後、司会者は自身のSNSで「BTSと彼らのファンを不快にさせる意図はなかった」「不快にさせてしまったのであれば謝罪する」と、謝罪文を掲載した。

人種差別が懸念されているBTS

BTSに対する人種差別が懸念されている(写真提供:ⓒ TOPSTAR NEWS)

さらにオーストラリアの公営放送Channel9のニュース番組『20toOne』では、BTSの世界的な人気に関する報道を流し、司会者の女性がBTSを「最高の人気を博しているBTS」と紹介すると、男性司会者で有名コメディアンのジミー・カーは「私は聞いたことがない。本当にイマイチだ。韓国で何かが起きたというニュースを聞いて爆弾かと思ったら、BTSだった。しかし、このグループを見ると爆弾が爆発するよりもイマイチだ」と揶揄した。

それに加え、別の出演者は「キム・ジョンウン(北朝鮮国務委員長)が男性アイドルを好きになれば、朝鮮半島で戦争の問題がなくなるかもしれない」などと述べた。

これに対しても、世界中のARMYたちが放送局と番組関係者に対し、公式謝罪を要求。”#channel9apologize”というハッシュタグがオーストラリアのツイッタートレンドで1位になるなど大問題に発展した。Channel9は、「問題となった『20 to One』のエピソードは放送規定に違反しておらず、BTSの人気を強調するためユーモラスに表現したものだ」と釈明。番組側もSNSで「無礼に思い、不快な思いをさせたなら謝罪する」という文を掲載するに至ったが、その誠意のない文面にファンはますます憤るだけだった。

また2018年、トルコでは政治的コラムで東洋人を卑下する発言が物議を醸したことがあった。トルコの日刊紙イェニシャーパークのコラムで「『韓国モデル』という言葉は、アメリカをよろこばせるもので、何の疑問も考えず国をアメリカ文化に捧げるようなもの」と述べ、BTSを事例に挙げた。 また、このコラムでは「裂けた目のアジア人を通してポップソングを聴かせながら、人々にこれを保守的だと思わせるのが西洋のやり方だ」と人種差別的表現も使用していた。

「音楽は国境を越える」とはよく音楽ファンが使用するスローガンだ。しかし、音楽を通しても人種差別は目に見える形で行われている。もしかするとグラミー賞では、アメリカ人の反応を恐れ、BTSに賞を与えることを断念してしまうようなことが起こる可能性も否定できない。ただでさえ保守的と言われているグラミーだから‥だ。

(関連記事)「好き嫌いが激しい」「人種差別の温床」グラミーの厚い壁をぶち破ったBTS

その答えがでるまであと2カ月‥。世界中のARMYは緊張した面持ちで朗報を待っている。



BTS

BTS(防弾少年団)は2013年6月13日にデビューした韓国の7人組男性アーティストグループで、パン・シヒョクのプロデュースにより誕生した。

HYBE(旧Big Hitエンターテインメント)所属。

デビューアルバムは『2 COOL 4 SKOOL』、デビュー曲は『No More Dream』。グループ名の”防弾少年団”には、10代、20代に向けられる抑圧や偏見を止め、自身たちの音楽を守りぬくという意味が込められている。

ハングル表記は”방탄소년단(バンタンソニョンダン)”から”バンタン”と呼ばれることが多い。

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