BTSの兵役優遇に対する議論が、韓国国会でもビッグイシューになっている。長引く議論に疲労感を訴える韓国国民。特に若い男性を中心に、猛烈な反発が相次いでいる。なぜ彼らは「国家の恥」と言っているのか。

BTS(防弾少年団)の入隊問題は、もはや“国民の義務”レベルではなくなった。

BTSは入隊するのだろうか?

BTSは入隊するのだろうか?(写真提供:©TOPSTAR NEWS)

韓国メディアは、連日のように“BTSの兵役”というワードを用いた見出しで、政治家や国防部関係者の見解を伝えている。

特に現在、韓国国家は国政監査の真っ最中(10/4~10/24)。国会議員による国防部への質疑の中で、BTSへの兵役特例がビッグイシューになっているようだ。

とはいえ、メディアの報道も千差万別。『BTS、代替服務可能に』と報じるメディアもあれば、『BTS、入隊確定』と相反する意見を記載するメディアもあり、BTSファンだけでなく韓国国民も混乱している。

※代替服務:3週間の基礎軍事訓練を終了した後、アイドルとしての活動が保証される制度

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そして、この長引く“兵役優遇”を巡って「国家の恥だ」と批判する声が、次第に高まっているという。

主に兵役経験のない、20代男性たちからの反発が強いようだ。

彼らは、この議論が始まった約2年前から、“反対”の意思を示している。その理由は「平等ではない」から。

高い失業率に加えて、広がる貧富格差の原因が、韓国に蔓延する“公平性の欠如”と訴えてきた20代の男性たち。

彼らは「グローバルスターになり、富と名誉を手に入れたBTSに“兵役優遇”というボーナスをあげるな」と憤る。そして「海外の人が、韓国を嘲笑っている」と、海外ネットユーザーによる辛辣なコメントを転載している。

それは「なぜ、韓国の入隊免除の基準が、アメリカのチャートと授賞式なのか」というもの。

BTSの兵役議論が海外で紹介される数カ月前から、一部の外国人が「我が国(アメリカ)の音楽チャートが、韓国の国防に大きな影響を及ぼすとは不思議だ」「ビルボードさん、アジアの同盟国の方針に重要な役割を果たしてるね」「スポティファイ(Spotify)のストリーミング回数も参考にして」と、皮肉とも取れるコメントを寄せている。

兵役優遇が実現しなければ、年内に入隊をせざるを得ないジン

兵役優遇が実現しなければ、年内に入隊をせざるを得ないジン(写真提供:©TOPSTAR NEWS)

また連日北朝鮮によるミサイル挑発が続く中、政治家や軍の高位関係者は、人気アイドルの兵役について議論している事に違和感を示す。

北朝鮮は、10月4日と6日、2回に渡り中距離弾道ミサイルを発射。日本をはじめ、東北アジア諸国には緊張ムードが漂っているのに、だ。

そんな中、国会で“BTS兵役”が議論されている光景に「北朝鮮のミサイル問題は?」「本当に大事な国防問題は棚上げか!」と、強い怒りを感じていると見られる。

BTSに対する“兵役優遇”は、ファンからも「優遇を望んでいるのは、HYBEの経営陣と大口投資家だけ」「優遇が実現しても、イメージダウンは免れない」と、反対の声が支配的である。

韓国の政治家たちが、兵役優遇の主張に積極的な理由と動機は不明だ。だがこの議論が長引けば長引くほど、優遇の妥当性はともかく、韓国国民の疲労感による“反発の声”だけが増え続けると予測される。

(構成:Danmee編集部)




BTS

BTS(防弾少年団)は2013年6月13日にデビューした韓国の7人組男性アーティストグループで、パン・シヒョクのプロデュースにより誕生した。

HYBE(旧Big Hitエンターテインメント)所属。

デビューアルバムは『2 COOL 4 SKOOL』、デビュー曲は『No More Dream』。グループ名の”防弾少年団”には、10代、20代に向けられる抑圧や偏見を止め、自身たちの音楽を守りぬくという意味が込められている。

ハングル表記は”방탄소년단(バンタンソニョンダン)”から”バンタン”と呼ばれることが多い。

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