2019年上半期最大のスキャンダルの中心人物となった元BIGBANG(ビックバン)のメンバーであるV.I。拘束前被疑者尋問により拘束令状が棄却され、現在入隊が迫っているV.Iだが、彼はこのままスンリジャ(勝利者)になるのだろうか…

6月11日一部の韓国メディアは、スンリ(V.I/元BIGBANG)の入隊により2019年上半期最大のスキャンダルが有耶無耶(うやむや)に終わる可能性を提起した。

スンリは「バーニングサン疑惑」「バーニングサンゲート」という2019年上半期韓国社会を揺るがした最大のスキャンダルの中心人物。

スンリのおかげ(?)で、韓国の富裕層や有力者が集まるソウル・江南(カンナム)の「醜悪な素顔」が韓国全土に知られ国民的な怒りを誘発する一幕を見せた。

元BIGBANG V.I スンリ 疑惑 バーニングサン

2019年上半期最大のスキャンダルの中心人物となったV.I(写真提供:©スポーツ韓国)

彼がかかわったと疑われる疑惑を見てみると、「売春斡旋」「性売買」「食品衛生法違反」「横領」など警察の捜査により明らかになった疑惑のみならず「麻薬投薬」「麻薬流通」「脱税」「警察との癒着」など、まだ疑惑にとどまってはいるが、疑われておかしくないものもいくつかある。

そのためか、韓国国民の間ではスンリの拘束捜査は不可避であるという意見が圧倒的に多かった。

しかし、5月14日に行われた拘束前被疑者尋問により拘束令状が棄却されたスンリ。
拘束令状の棄却に踏み切ったソウル中央地法(ソウル中央裁判所)のシン・ジョンヨル判事は「横領については争いの余地があり、他嫌疑についても証拠隠滅(いんめつ)など拘束事由を認めるのは難しい」と棄却事由を述べた。

問題はここだ。
裁判所より「争いの余地」があるという判断が出されたにもかかわらず、「争いの余地」をめぐる警察の追加捜査結果が出てないということだ。
スンリの拘束令状棄却から1ヵ月が経っているのに、嫌疑を確定することができる決定的な証拠を見つけてないのだ。
もどかしさに満ちた警察の捜査は、「争いの余地」を「争いは無用」と受け止めているのではないかという印象まで感じさせる。

他の嫌疑に対しても、スンリを圧迫できる証拠の確保に至っていないようで、「バーニングサンゲート」がこのまま締めくくられるのではという懸念の声が上がっている。

スンリが入隊したら、捜査は続けられる.. が、軍人の身分になったスンリに対する捜査の主務機関は軍の捜査機関になるため、警察との連携不足や疎かな捜査による軽い処罰はある程度予想されている。
韓国の軍捜査機関や軍事裁判所は、軍隊の営内に起きた犯罪もしくは軍人の身分である被疑者に対しては厳重な処罰を行うが、そうではない場合は捜査の難しさなどを理由に疎かに処理したケースが何度か報告されている。

韓国の兵役法には「兵役義務を負う人、本人が入隊延期を申請することを原則とする」と記されており、スンリ本人が入隊延期申請をしない限り、6月25日以降スンリは入隊通知を受けることになる。
韓国国民としてやらなければならない義務を行使すると言う人に非はない。
様々な嫌疑を受けている被疑者が、自分に有利な環境で法の審判を受けたいという心理も当然だ。

果たして、韓国国民が懸念している「スンリが本当にスンリ(勝利)する」ことは起きるのか。
6月末に上映(?)される「グレート・スンツビー(위대한 승츠비)」に関心が高まっている。

※グレート・スンツビー:アメリカの作家F・スコット・フィッツジェラルドが執筆した小説「グレート・ギャツビー」に因んで、アーティストや事業家として見せたスンリの活躍を称えるためのあだ名。

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