中華圏のマガジン『プレステージ香港(Prestige Hong Kong)』3月号のカバーを飾ったBIGBANGのメンバー、T.O.P。カムバックを間近に控えているこのタイミングで「BIGBANGのT.O.Pに戻るまでには時間がかかる」と語り韓国ネットをざわつかせているようだ。

BIGBANG(ビッグバン)のメンバーT.O.Pが、今後の計画を明かし注目を浴びている。

3月9日、T.O.Pは中華圏のマガジン『プレステージ香港(Prestige Hong Kong)』3月号のカバーを飾った。一緒に公開されたインタビューでは、2017年の大麻吸引事件について触れ「最悪の瞬間だった」と回想。

『プレステージ香港(Prestige Hong Kong)』3月号のカバーを飾ったT.O.P

『プレステージ香港(Prestige Hong Kong)』3月号のカバーを飾ったT.O.P(写真提供:©TOPSTAR NEWS 出典:Prestige Hong Kong)

また「初めて公の場で語ることになるが、5年くらい前に極端な選択を試みた」とし「それがどれだけ知人や家族、ファンの心を傷つけ、苦しめたのか‥後になって気付いた」と心境を語った。

音楽活動については「音楽をやめることを真剣に悩んだ。しかし、大変な思いをしていた時、前に進むモチベーションになったのが音楽だった。5年間で100曲以上、作曲に打ち込んだ」と告白。

また、多くのファンが心配している、BIGBANGの一員としての計画にも言及している。

T.O.Pは「BIGBANGメンバーであることは、誇らしいこと。しかしここ数年、BIGBANGのT.O.Pは存在しないだろうと思っていた。正直に言うと、これが最後だとは言いたくないが、BIGBANGのT.O.Pとして戻るまでは、だいぶ時間がかかるかもしれない」と打ち明け、今後は個人活動に力を入れるという意思を明らかにした。

BIGBANGを脱退する?

T.O.Pの発言を巡り、韓国ネット上が「T.O.PがBIGBANGを脱退する」と騒ぎだしたのだが、彼の言葉に”脱退”というワードはどこにもない。

しかし、カムバックを間近に控えているBIGBANGなだけに、このタイミングで「BIGBANGのT.O.Pに戻るまでには時間がかかる」という発言したことに、「大きな覚悟を感じる」と、韓国ネットは受け入れているようだ。

T.O.PがBIGBANGを脱退する?

T.O.PがBIGBANGを脱退する?(写真提供:©TOPSTAR NEWS)

そして、その覚悟の中には、”アイドル”という肩書きが含まれていないというのが衆論である。

では、T.O.Pが目指している”リスタート”とは、どのようなものなのだろうか。

彼の発言と、韓国メディアの分析から見えた、いくつかのヒントを紹介する。

音楽制作者としての道

T.O.Pはプレステージ香港とのインタビューで「K-POP界の育成システムは過酷なものだ。ロボットのように指示を受け、訓練を重ねていく。スターになれるかもしれないが、(アーティスト)本人は孤立し淋しさを感じる」と指摘。

そして「僕はロボット制作者にはなりたくない。真のアーティストに育つように、手助けしたい。BIGBANGとは違うグループを作る」と展望を語っており、音楽制作者という道を念頭に置いてるかのような印象を持つ。

また最近、韓国の芸能界では、T.O.Pに関するいくつかの”噂”が出回っているという。

複数の関係者らは「数百億ウォン台の投資を受け、自身のビジネスを構想しているようだ」「一緒に仕事する人を探していると聞いた」などと証言しており、これが音楽制作を前提とした動きであるかは不明だ。

俳優としての道

T.O.Pはアイドルと俳優業を並行しており、その実力とスター性が認められた数少ない芸能人の一人である。

2007年にドラマデビューを果たし、以降は映画界でも活躍。2010年に公開された映画『戦火の中へ』では、優れた演技を見せ数々の賞を総なめするという、華やかな経歴を持つ。

『戦火の中へ』に出演したT.O.P

『戦火の中へ』に出演したT.O.P(画像出典:NAVER映画)

しかし、前出の大麻事件により、現在テレビ局が制作するドラマへの出演機会は閉ざされている。

そんな彼にも近年、一筋の光が差している。それは、Netflix(ネットフリックス)を代表とするVODプラットフォームの台頭だ。

海外ファンを多く抱えており、高い演技力を誇るT.O.Pにとって、俳優としての道を模索するにはこれが絶好のチャンスと言えるだろう。

アートキュレーターとしての道

知っての通りT.O.Pは、”名画マニア”としても有名で、彼の”アート愛”は、もはや趣味レベルではない。

2016年には、世界的なオークション会社であるサザビーズ(Sotheby’s)が主催した、香港オークションでキュレーターを務めるなど、コレクターとしての高い手腕を発揮。

また友人である日本の彫刻家、名和晃平とコラボレーションするなど、日韓の美術界で話題となった。

多くの韓国メディアは、彼が最も心を癒され情熱を燃やしている”アート界”に、本格進出するのもあり得ると予測している。

***

人気アイドルとして、長くファンに愛されてきたT.O.P。アイドルではない彼を想像するには、まだ抵抗感を抱くファンも多いだろう。

YGエンターテインメントの所属アーティストと、BIGBANGの人気メンバーという、”安全な柵”を乗り越え、さらなる挑戦を試みているT.O.P。

果たして次は、どんな姿になって、ファンの前に戻ってくるのだろうか。

(関連記事)BIGBANG ‘解散予想’という大胆な見出しを出した韓メディア‥その根拠とは





BIGBANG

BIGBANG(ビッグバン / ハングル 빅뱅)は韓国出身の4人組男性アーティストグループ。
メンバーはG-dragon、TOP、SOL、D-LITE(元メンバーV.Iは2019年3月に芸能界引退)で、YGエンターテインメントに所属している。2006年に韓国でデビュー。メンバーは、MTVコリアの「リアルドキュメンタリーBIGBANG」を通して選ばれた。
2006年デビュー後から若い世代のファッション、トレンドに大きな影響を与えたグループであり、これ以降にデビューするアイドルグループのコンセプトなどにも影響を与えたグループだ。

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