俳優のペ・スジが、初単独主演を務めるドラマ、Coupang Play(ク―パンプレイ)シリーズ『アンナ』で、*人生演技を披露している。

ドラマ『アンナ』で初の単独主演を務めているスジ。(写真提供：ⓒ TOPSTAR NEWS、画像出典：Coupang Play)

スジは『アンナ』で、ユミという名を捨てアンナとして生きるという女性を演じているのだが、役柄が悪女であるにも関わらず、視聴者はなぜか応援したくなる魅力があると口を揃える。

*人生演技：その人が演じて来た役の中で、最も印象強く記憶に残っていること。

6月29日、スジがインタビューに応じ、本作の演技について思いを語った。

“周囲の反応が良い”という言葉に、スジはより一層プレッシャーが軽くなったという様子を見せる。

「ファンの皆さんの反応を探して見る余裕はありませんが、私の周りの方たちや会社で話してくださっていることをたくさん聞きました。良い記事がたくさん出ていると。リロードしながら見ていました」

『アンナ』という作品を選んだ理由について尋ねると、「微妙な魅力」という返答が。

「良い悪いではなく、“アンナ”には妙に応援と共感ができる瞬間あったんです。その部分に、力強さのある物語だなと感じました。視聴者の皆さんも、そんなふうに受け取ってくれたら、新しい物語を伝えられそうな気がしました。今演じることを、すごく楽しんでいる自信があります」

スジは、アンナを不憫な人だと感じているという。

「嘘がないと苦しくなる時がある」と話すスジ。(写真提供：ⓒ TOPSTAR NEWS、画像出典：Coupang Play)

「この女性の人生は、気の毒です。人々から影響を受けて作られた人生なんですよ。この女性の視点で見てみたら、きっと全てが魅力的だったと思います。でも、アンナという嘘の人生を選択することも、全てを手にして幸せになったというよりは、息の詰まる感じという方が近いような気がします」

『アンナ』の台本を読むまで、*リプリー症候群についてよく知らなかったというスジは出演決定後、この症状についての勉強を始めたそうだ。

リプリー症候群：自ら作り出した嘘を信じてしまう精神状態のこと

彼女はこの物語で10代から30代のアンナを演じ、偽りで手にした華やかな人生を歩みながらも、彼女の不安定な心の内や感情的な部分を繊細に表現している。それが、今作でスジが“人生演技”と呼ばれている理由だろう。

「ユミに見えるという言葉が、とても脳裏に焼き付いています。ユミが共感を得られなかったらどうしよう、憎まれてしまったらどうしよう、そんな心配ばかりしていました。視聴者の皆さんが、一緒に応援しながら観てくれていると知って、とても気分が良いです。私の新しい顔を見たという反応も良かったです」

スジはアンナの10代～30代を見事に演じた。(画像出典：Coupang Play 公式Twitter)

彼女は普段、撮影現場ではムードメーカー的な存在を担っているというのだが、「この作品では、現場の雰囲気に神経を使わず、自身の感情に集中したかった」と告白する。それでも「現場は楽しかった。談笑した直後でも、彼女の感情をすぐにつかむことができた」とプロの顔をのぞかせた。

“国民の初恋”とまで言われていた彼女に、アンナという役をキャスティングした理由も気になった。

「イ・ジュヨン監督は、私をキャスティングする時、“人を一度も殺したことのない顔をしていたらいいな”と言っていました。私が嘘をついたことのないような、優しい顔をしていると思ったそうです」

そんなスジがつく嘘はどんなものだろうかと聞くと、「私はたくさん嘘をつきますよ」－－意外な答えが返って来た。

「嘘って、ある程度必要だと思いませんか？ その内容に差があるだけで。だって、優しい嘘という言葉があるじゃないですか。正直過ぎると、時にそれが負担になるし、気分が悪くなることもありますから」

最後に、この物語についての観覧ポイントを聞いてみた。

「この作品を観て、嘘で塗り固められた人生を生きるユミが、最終的に何を得たのか。何のためにこんな生き方をしたのか、考えてみてほしいです。そして、幻滅やつまらない事に焦点を当ててみてください」

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