BTS(防弾少年団)メンバージミンが、公式ファンコミュニティーのWeverse(ウィーバース)に”#ジョンインちゃん、ごめんね”と書き込み、話題となっている。生後16カ月の幼児を死に追い込んだその真相に迫ってみる。
韓国中が悲しむ極悪非道な事件が起きた。

養子として迎え入れられた家庭で死亡したジョンインちゃん(生後16カ月) 養子になる前の明るい笑顔は消え、全身あざだらけの悲惨な姿に‥(画像出典:SBS『それが知りたい』スクリーンショット)
2020年10月、生後16カ月のジョンインちゃんが、養子として迎え入れられた家庭で死亡したのだ。この事件に、多くの韓国人が怒りで身を震わせている。
現在、事故死を主張するジョンインちゃんの養父母は、児童虐待の罪(養母)と児童福祉法違反(傍観)の罪(養父)で裁判を控えていると、韓国現地メディアは伝えている。
#정인아 미안해(ジョンインちゃん、ごめんね)
1月13日に行われる養父母の裁判に先立ち、韓国のテレビ局であるSBSの追跡報道番組『*それが知りたい』は、2日夜『ジョンインちゃんは何故死んだのか?-271日間の加害者と傍観者』という番組を編成。
*それが知りたい:過去にクラブバーニングサン事件や、音源買い占め疑惑、芸能人の死の裏に隠された真実、政治スキャンダルなど、不可解な事件を追及したり、暴露ネタを放送したりと、社会的なイシューを作ってきた番組
翌3日からは、放送を観た多くの韓国人が、SNSなどを通して怒りと悲しみに満ちた胸中を吐露するとともに、”#정인아 미안해(ジョンインちゃん、ごめんね)”という運動を展開している。この運動には、一般人だけでなく、多くの著名人も参加しており、BTS(防弾少年団)のメンバー、ジミンも賛同して話題となっている。
3日、ジミンはBTSの公式ファンコミュニティーのWeverse(ウィーバース)に”#ジョンインちゃん、ごめんね”と書き込み、同事件が持つ残虐なありさまを悔しがっている。

『#ジョンインちゃん、ごめんね』BTS ジミンが残したメッセージ(画像出典:Weverse)
個人のSNSでもなく、公式なツールを通してまでジミンが伝えようとした、ジョンインちゃん死亡事件の真相を、以下で伝えたい。
3度に渡る児童虐待の通報
昨年10月13日、天国に旅立ったジョンインちゃん。
その小さい身体には、生後16カ月の幼児が耐えられるとは思えない”傷”が、とても多く残っていた。身体の痣(あざ)だけではない‥解明された死因はなんと”すい臓の破裂(切断)による腹部損傷”である。
実は、過去3度に渡り「児童虐待が疑わしい」と、警察に通報があった。
ジョンインちゃんが通っていた保育園の先生たちは、養父母の代わりにジョンインちゃんを病院へ連れて行き、診断結果を基に警察に通報するが、警察は「証拠不十分」という理由で捜査終結を決めてしまう。それが、1回目の通報だった。
2回目の通報は、ジョンインちゃんが長時間車内に放置されていることに気付いた近所の人が、警察に連絡したものの、警察はまたしても「監視カメラの確保が難しい」という理由で捜査をうやむやに‥後に養母は「子どもの睡眠教育の一環で、車内で寝かせていた。アメリカではごく普通の教育方法だ」と、当時のことに対して主張しているが、欧米教育の詳しい専門家は「睡眠教育は、親が見守る中、自宅で行うものである(養母の)行為は明らかな虐待」と反論した。
3回目の通報は、ジョンインちゃんを診察した小児科医師からだった。医師は「ジョンインちゃんを養父母と分離しなければ危険」という趣旨で通報を行ったが、警察はこれを黙殺。ジョンインちゃんを救えるチャンスは、無情にも消えてしまったのだ。
実は、ジョンインちゃんを救えるチャンスはもう一度あった。
ジョンインちゃんが死亡する前日、様子が変だと思っていた保育士が迎えに来た養父に、一刻も早くジョンインちゃんを病院に連れていくようにと促したのだ。しかし、養父は病院に行かなかった。『それが知りたい』に出演した小児科専門医は、保育園内に設置された監視カメラの映像を見ながら「死亡前日は歩くことができたようだ‥その日のうちに病院へ連れて行っていたら、ジョンインちゃんは助かったかもしれない」と述べている。

死亡前日のジョンインちゃん(左) 死亡後撮影された腹部のレントゲン写真(右)(画像出典:SBS『それが知りたい』スクリーンショット)
養父は何故病院に行かなかったのか‥犯罪心理分析専門家はこう語る。
「3回目の通報が小児科医師からだったので、病院関係者を警戒するようになったと見られる。なお、養父母は誰よりもジョンインちゃんの状態を把握していたため、”今病院に行ったら虐待の事実が全てバレる”と怯えていたはず。養父は、ジョンインちゃんの死を予感していた‥でも、放置するしかなかった‥」
なぜ、警察は養父母を疑わなかったのか
3度の通報があったにもかかわらず、なぜ警察は、養父母の”虐待”を疑わなかったのか‥? 「警察が早く動いてくれたら、未然に死を防げたのに」と嘆く人々は、虐待通報を受けながらも、一貫して捜査に消極的な姿勢を取っていたソウル市陽川(ヤンチョン)警察署に、捜査関係者の処分などを求めて抗議している。
前出の保育士は「(警察は)養父母が養子縁組関連の仕事をしていて、(捜査に)協力的だったため、彼らを信頼していた」と述べている。実際、養母は養子としてアメリカなどで幼少期を過ごした人々が、韓国にいる両親を探すことを手伝う仕事(通訳など)をしていた事で知られている。また、2人とも信心深いクリスチャンだったため、「まさか、彼らが‥」と、疑心の目を避けることができたと見られる。
『それが知りたい』で進行役を務める俳優のキム・サンジュンは、そのような先入観を警戒すべきだと言う。
「犯罪心理分析分野で、犯人予備軍の特定が一番難しい犯罪が”児童虐待”だ。まともな職業、まともな人間関係を築いていても、自分の家では子どもを虐待していたという事例が無数にある」
***
ジミンの勇気ある運動の参加により、韓国だけではなく、海外でも同事件の真相が広く知られ、衝撃を受ける人が続出しているようだ。
これ以上、幼い命が奪われる悲劇が繰り返されないよう、人類全体の課題として”児童虐待”という問題に関心を持って取り組むべきではないだろうか。
『それが知りたい』のキム・サンジュンは、以下のコメントともに、番組を締めくくった。
「ジョンインちゃん、本当にごめんね。守ってあげられなくてごめんね。あまりにも知るのが遅くてごめんね‥」
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