穏やかな微笑みが印象的な俳優、ナムグン・ミン。ドラマや映画を行き来し、ヒロインと恋に落ちる主役から卑劣な悪役まで、あらゆる役柄をこなせるカメレオン俳優としてアジア圏で多くの人気を得ている。彼の幅広い演技力は一体どこから来たのだろうか。
去る6月に開催された『第56回百想芸術大賞』のTV部門において、”ドラマ作品賞”に輝いたSBS『ストーブリーグ』。
プロ野球の落ちこぼれ球団に赴任したGM(ゼネラルマネージャー)が、ストーブリーグ期間中にチームを改革し、新シーズンを準備する話を扱った痛快ヒューマンドラマだ。
野球選手ではなく、グラウンドの裏側で球団を運営する縁の下の力持ち、”フロント”にスポットを当て、チームを優勝に導くため奮闘する姿を描き、視聴者に多くの感動を届けた。
本作でGM役に扮したのが、俳優ナムグン・ミン(42)だ。
爽やかで優しい雰囲気に包まれた彼が、冷静沈着で一風変わった敏腕マネージャーを細やかな演技で熱演している。
優しい笑顔を持ち、爽やかな好青年や人間味あふれるキャラクターを数多く演じている彼だが、実は2016年にアメリカの『ドラマフィーバー・アワード(The 4RD Drama Fever Awards)』で”最高の悪役賞”を受賞した過去を持っている。
『ドラマフィーバー・アワード』は、アメリカ最大の韓流コンテンツ・ストリーミングサイトであるドラマフィーバーが主管する権威ある授賞式。
190万人のドラマフィーバー会員を対象に20の部門別に分かれ、ウェブ投票を通じて最も多くの得票を得た俳優が選ばれる方式だ。
ドラマフィーバーの関係者によると、俳優のナムグン・ミンはSBSドラマ『匂いを見る少女』(2015)で”最高の悪役”部門にノミネートされ、他のノミネート俳優とはかなりの差をつけ、受賞の栄誉に輝いた。
同時に、北米地域に住む視聴者から多く愛されていたことも立証されている。
ナムグン・ミンと言えば、優しいほほえみとハンサムなビジュアルで女性の心に優しく宿る韓国屈指のイケメン俳優だ。
2001年にイ・ビョンホン主演映画『バンジージャンプをする』でデビューした彼は、脇役を経て、映画『卑劣な街』でチョ・インソンとともに主役を演じ、存在感をアピールした。
その後、軍服務やブランクを経て、2010年にKBSドラマ『セレブの誕生』で活動を再開。
2011年、MBCドラマ『私の心が聞こえる?』のチャン・ジュナ/ポン・マル役で人気と知名度を上げ、翌年、KBS『スチール写真』で専任教授を夢見る大学の非常勤講師役で、現実感ある高い演技力を披露した。
このように作品に出演する度に演技力と知名度を上げていったナムグン・ミンだったが、これといったヒット作はなく、”名前だけが知られている俳優”という位置づけにいた。
だが、SBS『リメンバー~記憶の彼方へ~』(2015)、SBS『野獣の美女コンシム』(2016)で次第に存在感を高め、その後、主役に抜擢されたKBS2『キム課長とソ理事~Bravo! Your life~』(2017)が大ヒットし、一躍トップスターへの仲間入りを果たす。
柔らかな雰囲気を持つナムグン・ミンだが、意外にも悪役に扮することが多い。それも卑劣な悪役、だ。
SBSドラマ『匂いを見る少女』、『リメンバー~記憶の彼方へ~』などの強烈な悪役の演技で、視聴者に外見とともに演技力も優れた俳優であることを印象付けることに成功した。
特に、『リメンバー~記憶の彼方へ~』のナム・ギュマン役では、悪役の神髄を披露している。
演じた本人も、ナム・ギュマンというキャラクターについては「悪魔の中の悪魔だ」と評し、「大変だった、早く終わらせたい」と語ったほどだ。
優しい笑顔が一転、笑みを消した時に見せる冷たい表情を、これほど上手に演じられる俳優も数少ないだろう。
2010年以降、一度も欠かさずにドラマ出演を遂げているナムグン・ミン。
自身の力で演技の幅を広げた努力家である彼は、善良な主人公、憎き悪役、心が読めないポーカーフェイスと、あらゆるキャラクターを完璧にこなす演技力を身に着けた。
高い演技力に加え、優れた伝達力、ハンサムなビジュアル、逞しい体型、柔らかい声など、ありとあらゆる要素を兼ね備え、どんな役にも染まり変幻自在な演技を魅せる彼は、2020年も私たちの前で新しいキャラクターを披露してくれることだろう。
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