1996年、当時日本の人気バラエティー番組で披露されて一世を風靡、ヒット曲となった『オジャパメン』。その原曲を歌った”韓国アイドルの始祖”が、1980-90年代の韓国歌謡界を振り返った。
『オジャパメン』という楽曲を覚えているだろうか。
さかのぼること26年前の1996年。人気バラエティー番組『ダウンタウンのごっつええ感じ』で披露され、一世を風靡したヒット曲だ。
この懐メロは、韓国で1987年に公開された人気曲『オジェパムイヤギ(어젯밤 이야기/昨夜の物語)』のカバー曲である。
本作の発表後、韓国歌謡史に大きな足跡を残したのが、”ソバンチャ”という3人組の男性アイドルグループだ。
tvNドラマ『恋のスケッチ〜応答せよ1988〜(2015)』でも、リュ・ジュンヨル、コ・ギョンピョ、イ・ドンフィがステージで披露したため、韓ドラファンも知ってる人はいるだろう。

韓国アイドルの始祖 ソバンチャ(画像出典:韓国オンラインコミュニティー)
ちなみに”ソバンチャ”とは、消防車という漢字語の韓国語読みである。
1987年にデビューを飾ったソバンチャは、1度解散の危機を迎えるも、日本で巻き起こった『オジャパメン』ブームにより、日本市場を狙うという、当時としては大胆なプロジェクトを始動。
実際に『ごっつええ感じ』メンバーとも、日本のステージで共演を果たしている。
以降、”日本でも有名な韓国アイドル”というキャッチコピーを売りに、名実ともに”韓国アイドルの始祖”と称される存在となった。
しかし皮肉にも、日本のアイドルをアレンジして作られたのが、このソバンチャである。
ソバンチャがベンチマークしたのは、当時アジア全域で熱い人気を博していた、少年隊を筆頭とするジャニーズ事務所のアイドル。
ジャニーズアイドルのアクロバティックなパフォーマンスや揃いのファッションを、ソバンチャは”そっくりそのまま”吸収し、1980年代後半に、少女ファンを熱狂させた”アイドル全盛期”の幕を上げる。

ソバンチャは、日本のアイドルをベンチマークして作られた(画像出典:韓国オンラインコミュニティー)
ソバンチャを企画した人物は、後にSechs Kies(ジェクスキス)やFin.K.L.(ピンクル)、KARA(カラ)、SS501(ダブルエス501)など、スターアイドルを輩出した元DSPエンターテインメント代表のイ・ホヨンだった。
彼は、ソバンチャの大衆的な人気を自分の目で確かめ「韓国でも、日本のようにアイドル産業が盛んな時代が来る」と確信したという。
その後、K-POP時代へと移行する前まで、韓国歌謡界に根強く存在した”日本を見習う”という風習は、2000年代前半まで続く。
ソバンチャは、日本のアイドル産業をベンチマークした”成功事例”であり、”元祖アイドル”として現在も語り継がれているようだ。
その”元祖アイドル”のメンバー、キム・テヒョンがテレビ番組に出演し、胸に秘めていた”解散理由”を語ってくれた。
キム・テヒョンは、8月1日に放送されたtvN『フリーなドクターM』に出演。解散理由を「音楽番組で一度も1位になったことがないから」と明かした。
「10~15週間、ずっと2位だったこともある」と切り出したキム・テヒョンは「5週連続で1位になると、強制的に活動が終了するシステムだった。ソバンチャが音楽番組に出ないと、客席が埋まらないからわざと1位にしないという噂もあった」と、当時を振り返る。

ソバンチャのメンバー、キム・テヒョンが語る解散の理由(画像出典:tvN『フリーなドクターM』スクリーンショット)
続けて「あの時はダンスするアイドルを無視する傾向が強く、プライドが傷つくことも多かった。当時ダンスしていたアーティストなら、みんなそう思っていただろう」と、業界の低評価による自尊心の低下と、反抗的な気持ちが解散理由であると示唆した。
今や”国威の宣揚のシンボル”とまでなった韓国アイドルだが、1980-90年代は辛酸をなめていたようだ。
しかし、ソバンチャが成し遂げた偉業は、現在さまざまな形で海外に発信されている。
彼らの楽曲は、有名な韓流ドラマのOSTとして使われるなど、当時を背景とする映画やドラマに“時代の象徴”としてその名が登場している。
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