- 俳優チェ・ジウら注目俳優が出演するホラー映画『ニューノーマル』が、日本のドラマにそっくりだと指摘されている。
- 映画は6つのエピソードのオムニバス形式となっているが、その内の5つのストーリーが酷似しているというのだ。
- 韓国では、製作陣オリジナルの作品であるかのように広報されていたため、物議が起きている。
俳優チェ・ジウらが出演する新作映画が、日本のドラマに酷似していると韓国内で物議を醸している。
その映画は、11月8日に韓国で公開されたばかりのホラー・スリラー映画『ニューノーマル』。
出演者は、チェ・ジウの他にも、JTBC『力の強い女 カン・ナムスン』主演のイ・ユミ、SHINee(シャイニー)のミンホ、俳優ピョ・ジフンとしても活躍中のBlock B(ブロックビー)出身のP.O(ピオ)、“国民の弟”として愛されるトロット歌手のチョン・ドンウォンなど、豪華なラインナップが揃っている。
さらに演出を務めたのが、映画『奇談(2007)』や『コンジアム(2018)』といったホラーもので韓国中を震撼させたチョン・ボムシク監督だけに、公開前からホラー映画ファンから熱い関心を受けていた。
しかし、いざ公開されると、ストーリーが日本のフジテレビ系列の深夜ドラマ『トリハダ』に酷似しているという反応が上がった。
オムニバス形式で描かれている映画のエピソード6編のうちの5編のストーリー構造がそっくりだというのだ。
しかも、日本ドラマの基本ストーリーをそのまま用いているにも関わらず、韓国製作陣のオリジナルであるかのように広報したことに対し物議が起きている。
日本の深夜ドラマ『トリハダ』は、2007年3月から放送が始まり、2009年10月の『トリハダ6』まで制作された人気シリーズで、2012年と2014年には日本で劇場版が公開されている。
韓国のホラーやスリラーファンの間では、どんでん返しが奇抜で「幽霊無しでも怖い作品」としてかなり知られたドラマである。
韓国メディア・朝鮮日報(www.chosun.com)の記事によると、韓国映画『ニューノーマル』の観客が日本のドラマ『トリハダ』にそっくりだと気づいたのは、最初のエピソード「M」からだったという。
それは、一人暮らしの女性(チェ・ジウ扮)宅に火災警報器の検針員が訪問する話で、起承転結の展開やどんでん返しが『トリハダ』とほとんど同じ。
違う部分は、ニュースに登場する人物の身長が、日本の俳優160cmからチェ・ジウの身長175cmに変わったことと、ロボット掃除機が妨害物として出てくる程度だった。
また、ピョ・ジフンが隣に住む女性をのぞき見する役を演じるエピソード5「Peeping Tom」でも基本ストーリーが似ており、一部のシーンでは、カメラアングルや小道具、台詞まで同じ。
イ・ユミが出演する、デートアプリを通じて男女が出会うエピソード3「Dressed to kill」も、日本ドラマと違ったのは、赤だったカバンが黄色に変わった程度だったそう。
最後のエピソードでは、主人公が匿名の質問者に死体の処理法を教えながら死に至るという内容など、基本的なストーリーの骨格が『トリハダ』そのままで進んでいく。
朝鮮日報では、映画『ニューノーマル』の問題は、映画の公式資料や広報物、クレジットなどでは、まるで韓国の制作陣が最近の韓国の現実を反映して作った作品であるかのように知らせ、観客を誤認させる点だと伝えている。
映画の広報では、10年ほど前の日本ドラマのテーマや問題意識が土台となっているにも関わらず、「新鮮で独創的なウェルメイドスリラー」「ユニークなKホラー」と知らせた。
また、ほとんどのストーリーが日本ドラマの設定そのままだが、「韓国の現実に基づいたリアルなキャラクター」と強調すると共に「監督・脚本チョン・ボムシク」あるいは「シナリオ・監督(Written and Directed by)チョン・ボムシク」と表記されているという。
朝鮮日報の問い合わせに対し、製作会社側は「『ニューノーマル』は、『トリハダ』の版権を買い入れ製作したのが正しい」として「映画上映後に出るクレジットに版権部分を表記した」と答えている。
実際に、映画の全体エンディングクレジットの途中に「一部のアイディアは、日本のテレビ『トリハダ』シリーズに基づいた」とひらがなとカタカナで表記されているという。
しかし、ストーリー構成をそのまま用い、台詞やアングルまで一致しているシーンが多いため、それを「一部」と表現するには無理が多いと指摘されている。
またクレジットでの説明も、韓国の「脚本チーム」「アイディアチーム」の後ろに表記されているため、観客に正しい情報を伝えているとは言い難い。
物議を醸している映画『ニューノーマル』について、韓国のウィキペディアと言われるnamuwiki(ナムウィキ)で調べてみると、「過去の日本のドラマ『トリハダ』のリメイク作であり、韓国社会に合わせて脚色した作品」と、すでに“リメイク”と説明文が載っている。
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