- KBSの公営放送50周年を記念して制作された、特別企画ドラマ『高麗契丹戦争』が今月11日に放送開始する。
- “大河ドラマの名家”KBSは本作にかなりの力を入れており、製作費に270億ウォン(約27億円)を費やしているという。
- だが突如浮上した財政面の問題により、本作の制作費が削られてしまうのではといった心配の声が上がっている。
韓国を代表する放送局KBSの公営放送50周年を記念して制作された、特別企画ドラマ『高麗契丹戦争』が今月11日より放送開始する。
全32話編成の本作は、寛容なリーダーシップで高麗を一つに集め、契丹との戦いを勝利に導いた高麗の皇帝、顕宗と高麗軍の総司令官だったカン・カムチャン将軍の物語を描いた大河ドラマだ。
高麗第8代国王の顕宗役に9人組ボーイズグループZE:Aのメンバーで、俳優としても活躍するキム・ドンジュンが、そして彼の政治の師匠カン・カムチャン将軍役には国民的俳優で時代劇のカリスマ、チェ・スジョンが務める。
特に、カン・カムチャン将軍役に抜擢されたチェ・スジョンは、約5年ぶりのドラマ出演。時代劇に関しては、2016年にKBSで放送された『壬辰倭乱1592』以来の出演となる。
“大河ドラマ”と呼ばれる史実に基づいた韓国時代劇も根強い人気を誇っているKBSの新作かつ、演技力が高く評価されている二人の共演に、放送前にも関わらず多くの視聴者から期待の声が寄せられている。
そしてその期待の声に応えるかのように、”大河ドラマの名家”KBSの本作に対する力の入れ具合も凄まじい。
本作のハイライトとも言える「亀州(クィジュ)大捷」は、ランニングタイムだけで30分に達するだけでなく、激戦が繰り広げられる戦闘シーンのCGに歴代最大の制作費が費やされ、ここだけでしか観られない名シーンを完成させたという。
さらに全体の製作費に270億ウォン、日本円にして約27億円をかけている超大作としてKBSの期待がかなり高いことが伺える。
だが、その制作・放送を担うKBSが危機的状況に瀕している。
原因は、受信料収益による財政面の問題。日本のNHK同様に公営放送局であるKBSも国民から受信料を徴収している。
ただ、日本とは異なり韓国では電気料金と一緒に徴収される仕組みとなっているため、人によれば受信料の徴収を認識していない場合もあるという。
しかし、それがKBSにどのような影響を与えるのだろうか?
それは、韓国政府が突如打ち出した「電気料金と受信料の別々徴収」。
韓国政府はこれまで電気料金と一緒に徴収していた受信料を、今後はKBSが独自に国民に支払いを求める方法に改めると決定したのだ。
そうなると、これまで知らずして徴収された受信料をわざわざ自ら支払う人はいないのではといった声が上がっている。
(関連記事)「韓国ドラマの歴史」公営放送局KBSが直面した絶体絶命の危機とは
このような状況下でKBSの超大作『高麗契丹戦争』の制作費がかなり減ってしまうのではという心配の声も。
事実、”大河ドラマの名家”らしく時代劇のリアル感を出すために槍や弓矢、斧などの小道具や衣装にも力を入れているという本作。
今後、受信料の収益が見込めない場合、超大作にも関わらず限られた中での撮影によりクオリティが下がってしまう可能性も無きにしも非ず。
だが、KBSはこの危機的状況でも巨額の製作費をかけて”大河ドラマの名家”のプライドを守ろうとしているのではないだろうか。
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