- 主演映画の国内累計観客動員数9,000万人を誇る名俳優リュ・スンリョンが2025年2月、日本オフィシャルサイトをオープンする。
- 観客動員数1,000万人を超えた出演作が4作、栄誉ある賞を受賞したのは数知れない、ドラマ界のみならず映画界でも活躍する俳優だ。
- 劇場に来たことを観客に後悔させない彼のマスターピースを6作紹介する。大ヒットを連発し、数多くの賞を手にした理由が分かるラインナップだ。
2025年2月、主演映画の国内累計観客動員数9,000万人を誇る名俳優、リュ・スンリョンが、日韓映画および大衆文化の交流を促進し、日本のファンとのコミュニケーションを広げるために、日本オフィシャルサイトをオープンする。
これに伴い、俳優としての足跡やフィルモグラフィー、そしてまだ知られていない彼の素顔を紹介。その第二弾として、彼が出演した珠玉の映画を取り上げる。
ドラマ界でも活躍するリュ・スンリョンだが、映画界ではさらに本領発揮。韓国で大ヒットの指標とされる観客動員数1,000万人を超えた出演作を、なんと4作も持つ俳優だ。そのうえ、各授賞式で栄誉ある賞に輝いたのも1度や2度ではなく、演技力はお墨付き。彼のフィルモグラフィーは目を見張るほど華やかで、役者としての実力の高さがうかがえる。
特に、役の持つ人間性を表現するのに長けており、内側から人となりが滲み出てくるような演技は物語に説得力を持たせる。セリフや表情など一見、些細にも思える言動の1つ1つから、人物像をはじめ感情まで描き出し、観る者に共感と想像を促すから驚きだ。
劇場に来たことを観客に後悔させない名俳優リュ・スンリョンの名演技が光る、彼のマスターピースを6作紹介する。なぜ、出演作が大ヒットを記録したのか、数多くの賞を手にすることができたのか、納得の名演技を堪能できるラインナップだ。
神弓 KAMIYUMI (2011)
『神弓 KAMIYUMI』は、リュ・スンリョンにとって記念すべき初受賞作品。『NANTA(ナンタ)』を経て映画界に飛び込んで約7年後、ついに『第32回青龍映画賞』で男優助演賞を受賞、演技力の高さが称えられた映画だ。

©神弓 KAMIYUM
活動の場をスクリーンに移した2004年以降とんとん拍子に各作品に出演し、演技者としての実力を誇っていた彼だが、栄誉ある賞に輝いたのは本作が初めて。清国の精鋭部隊の首長で弓の使い手を熱演して、その名を知らしめた。
鋭い目つきと全身から溢れ出るカリスマは、一度見ると忘れることができないほど強烈。パンチの効いた独特な雰囲気を持つキャラクターを作り上げ、今もなお大衆の記憶に残り続けている。
昨年公開された『アマゾン活命水』(2024)で元国家アーチェリー代表を演じた際に、約14年前の『神弓 KAMIYUMI』での活躍が言及されたのは、それだけ存在感を残したことを証明していると言っても過言ではない。
僕の妻のすべて (2012)
『神弓 KAMIYUMI』の翌年には、『僕の妻のすべて』でまたしても『第33回青龍映画賞』で助演賞を手にしている。2年連続受賞はたやすいことではないが、見事やってのけたリュ・スンリョン。
どんな女性でも虜にしてしまう非凡な能力を持ったカサノヴァを、コミカルかつセクシーに描き出し、一度観るとやみつきになる演技で大衆を魅了した。

©僕の妻のすべて
観覧車の中で故イ・ソンギュンさんと争う場面など、アドリブも多かったそうで、彼ならではのギャグコードが随所に盛り込まれ、リュ・スンリョンという存在がエンターテインメントそのものなのではないかと感じさせるほど。
プレイボーイという設定なのだが、的外れなアプローチ方法で終始笑いをとる姿も、観客の心を鷲掴みにしたポイントだ。
王になった男 (2012)
リュ・スンリョンの勢いはとどまることを知らず、『王になった男』では、『第22回釜日映画賞』と『第49回大鐘賞映画祭』で男優助演賞を獲得する。観客動員数1,000万人を突破した大ヒット映画だ。
彼が演じたのは、イ・ビョンホン扮する王・光海君の忠実な側近。同じくイ・ビョンホンが演じた王の代役を務めるハソンに君主としての心得を教えるキングメーカーなのだが、絶妙な匙加減と間で劇に笑いをプラスした。

©王になった男
なかでもイ・ビョンホンとの息の合った演技は抜群、他の者に正体がばれないよう必死で取り繕う様や、ハソンを小馬鹿にするでもなく大切にするでもなく、適度にぞんざいに扱って面白さを生み出している。
そうかと思えば最後には涙を誘い、極上の感動作を完成させた。コミックシーンとして観客を笑わせたハソンとのやり取りの数々が、終盤にはまるでよい思い出であったかのように押し寄せてくる。さすがリュ・スンリョンとしかいいようのない計算されつくされた演技だ。
7番房の奇跡 (2013)
『王になった男』の翌年に公開された『7番房の奇跡』でも圧巻の演技を見せたリュ・スンリョン。韓国のゴールデングルーブ賞と言われる百想芸術大賞で映画部門の大賞に輝くなど、合計5つの授賞式で栄誉ある賞を受賞した。本作もまた、観客動員数1,000万人を超えた韓国の映画史に残る名作の1つだ。
作品ごとに異なる役に挑戦し続けてきたリュ・スンリョンが本作で挑んだのは、知的障がいのある父親役。幼女殺害容疑をかけられ、刑務所に収監されることになるキャラクターだ。

©7番房の奇跡
ハンディキャップを持つ難しい役でデリケートな部分もあるが、ここでもしっかりとコミック演技を入れてくる。しかし『王になった男』や『僕の妻のすべて』とは一味異なる味付け。
あくまで役から滲み出る面白さを追求したかのようなギャグコードで温かさと面白みを物語にプラスし、“コミック演技”という一言で終わらすことのできない、演技スペクトルの幅広さを改めて実感させた。
バトル・オーシャン 海上決戦 (2014)
『バトル・オーシャン 海上決戦』も、観客動員数1,000万人を突破したリュ・スンリョンの代表作の1つ。韓国を代表する大物俳優チェ・ミンシクと共に主演を務めた作品だ。
海賊出身の日本の武将・来島通総を熱演した彼は、冷酷な性格の持ち主で、戦で勝つためなら手段を選ばない大胆かつ強烈なキャラクターを見事に描き出しており、チェ・ミンシクに劣らぬ演技を披露したと高く評価されている。

©バトル・オーシャン 海上決戦
発声や表現方法など、現代劇とは異なる時代劇でもお手の物。すでに『神弓 KAMIYUMI』で実力の高さは立証済みだが、改めて俳優としての地位を強固なものにした作品と言えるだろう。
しかも驚くべきは、彼が日本語で演じたという点。母国語でなかったにもかかわらず、役の微妙な感情や迫力、カリスマまで見事に表現し、観る者の没入を妨げない完璧な役作りで、物語を大いに盛り上げた。
エクストリーム・ジョブ (2019)
『エクストリーム・ジョブ』も、リュ・スンリョンを語るうえで抜きにはできないメガヒット映画。観客動員数1,000万人越えを果たしたのはもちろん、秀でた演技が評価され、『第8回大韓民国ベストスター賞』で主演賞に輝いている。
『バトル・オーシャン 海上決戦』まで順調な役者人生を歩んできたリュ・スンリョンだったが、同作以降、約4年もの間ヒット作に恵まれず思い悩んだ彼にとって起死回生の1作となったのが『エクストリーム・ジョブ』だった。

©エクストリーム・ジョブ
コメディ映画の完成版と言っても過言ではないほど、ウィットに富んだシーンのオンパレード。瞬く間にリュ・スンリョンワールドに引き込まれる。このあと一笑いとるなと予想できるシーンでも、観る者の想像の上をいくクオリティーで楽しませてくれるのが、彼が信頼される俳優として活躍し続けているゆえんだろう。
また、職場でも家でも率いていく立場の役なのだが、どこか間抜けさがあり愛さずにはいられない。単なる笑いで終わらない立体的な役作りも、本作が支持された大きな理由と言える。
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