映画「パラサイト 半地下の家族」がアカデミー賞で4冠達成という偉業を成し遂げた中、「独島(ドクト)は私たちの土地」を原曲としている劇中ジェシカが歌ったラップに対する日本のユーザーたちの反応が韓国で話題になっている。

‘♪ジェシカ ウェドンタル イリノイ シカゴ クァソンベヌン キム・ジンモ クヌン ニ サチョン’

これは、映画「パラサイト 半地下の家族(原題 原題 기생충 / 以下 パラサイト)」の中で、女優パク・ソダム(ハングル 박소담)が演じるジェシカが歌うラップとして知られている歌だ。

観客を惹き込ませる名演技を見せたパクソダム

観客を惹き込ませる名演技を見せたパク・ソダム(画像出典:기생충 HP)

‘ジェシカのラップ’は「独島(ドクト)は私たちの土地(ハングル 독도는 우리땅)」のメロディに、ポン・ジュノ監督と「パラサイト」の共同作家でスクリプター(撮影シーンの様子や内容を記録・管理する役)であるハン・ジンウォン氏が歌詞を付けた歌だ。

また、「独島は私たちの土地」のメロディに新しい歌詞を付けていることにより「ハミングだけで短く使われる曲も全て著作権料を支払わなければならない」という映画界の掟のため、原作者におよそ2000万ウォン(約200万円)の著作権料を支払ったとも知らされている。

劇中、チェ・ウシク(ハングル 최우식)が演じるギウ(ケビン)の紹介で、お金持ちの家に課外教師として入ることになったギジョン(ジェシカ)。

二人は最終的に、ジェシカのプロフィールについて話を合わせるために「♪ジェシカは一人っ娘、イリノイ州シカゴ、学科の先輩はキム・ジンモ、彼はあなたのいとこ(ハングル 제시카 외동딸 일리노이 시카고 과선배는 김진모 그는 네 사촌)」と替え歌を歌っている。

チェウシクとパクソダムによるジェシカのラップが話題

チェ・ウシクとパク・ソダムによる‘ジェシカのラップ’が話題(画像出典:기생충 HP)

この‘ジェシカのラップ’は、日本の観客の間でも爆発的な話題を集めており、MBCニューストゥデイなどの各種韓国媒体は2月12日、「パラサイト」についての日本の反応を報じた。

日本で「パラサイト」が公開されてから、1ヶ月半の間で累積観覧客数は約113万人。

「パラサイト」がアカデミー賞を受賞した際、日本の主な新聞の一面に受賞の便りが掲載されて、ポータルサイトの人気映画の順位も1位を記録するなど、日本国内での関心もより一層高くなり熱い雰囲気に包まれている。

このような中、日本のツイッター(Twitter)などのSNSでは‘ジェシカのラップ’について、原曲を知っているユーザーの間では「独島の曲なのであまり良い気持ちはしない」「反日歌の代表格でしょう?」という反応が見られたものの、一方では「私も歌えるようになりたい!」「すごく愛らしい曲」「ジェシカのラップのシーンが好き」「ジェシカがカッコよすぎる!」などの反応が寄せられて、印象に残るシーンの一つとして話題になっている。

※独島:日本海にある島根県竹島の大韓民国、朝鮮民主主義人民共和国による朝鮮語における呼称。両国はそれぞれ竹島の領有権を主張している(説明引用:Wikipedia)

報道によると、「パラサイト」の製作スタッフは日本で‘ジェシカのラップ’がこのように人気を得るとは全く予想できなかったと伝えている。

ジェシカのラップ然り、日本における「パラサイト」人気は、劇中扱われている素材が貧富の格差と非正規職、就職氷河期など日本社会が抱いている問題と無関係ではないため、日本の観客たちから共感を得ていると考えられる。


映画「パラサイト」‘ジェシカのラップ’(動画出典:NEON)

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