- 今年に入ってから、より色濃くなっている“韓国映画の不振”。
- 新作が続々と公開されてはいるものの、韓国メディアが報じるのは、残念な結果に終わった作品ばかり。
- そこで、韓国映画の危機として不名誉な記事に取り上げられてしまった5作品に注目し、実際の国内観客動員数をご紹介する。
韓国メディアが、「国内映画の危機」に関する話題を連日報じている。
“韓国映画の不振”は、2022年夏頃から取り沙汰されるようになったが、2023年に入ってからはより浮き彫りに‥。
最近のヒット作といえば、韓国で観客動員数1,000万人達成の『犯罪都市3』と、500万人超えの『密輸』の2つのみ。残念ながらその他は、期待された良い結果を出せていない。
特に韓国映画界では、赤字・黒字の別れ道となる“損益分岐点”を超えるかどうかが、ヒット作と判断される一つの目安となっているため、国内の観客動員が伸び悩み、損益分岐点を超えられなければ「失敗作」として評価が下されることも。
そこで今回は、韓国メディアが「国内映画の危機」を報じる記事に取り上げられ、不名誉な烙印を押されてしまった韓国映画5作品に注目。最終的な国内観客動員数など、どんな成績を収めたのかをチェックしてみよう。
宇宙+人 (2022)
2部構成で描かれる作品の第1部となる本作は、高麗時代末期・神剣を巡り争奪戦を繰り広げる道士たちと、2022年・人間の体内に収監された宇宙人の囚人を追う者たちの間に、時空の扉が開かれ繰り広げられるSFアクション・ファンタジー。
韓国エンタメらしい華やかさとSFが融合した独特の世界観は、観客の好みが分かれ、好評不評の意見が真っ二つとなった。
純製作費は330億ウォン(約33億円)で、損益分岐点は730万人だったが、最終観客動員数は約154万人。これは費用回収の基準となり、損益ゼロの売上高を示す損益分岐点の約2割の値となっている。
![『宇宙+人』](https://danmee.jp/wp-content/uploads/2022/07/uchuhito1-715x1024.jpg)
『宇宙+人』(画像出典:movie naver)
●韓国公開日:2022年7月20日
●出演:リュ・ジュンヨル、キム・テリ、キム・ウビン、ソ・ジソブ 他
●損益分岐点:730万人
●観客動員数:約154万人
非常宣言 (2022)
ハワイへ向かう飛行機の中で、化学テロにより乗客が次々と死亡し、恐怖と混乱の渦に包まれていく航空パニック映画。迫力ある映像と、極限状態の機内の緊張感が伝わってくるような工夫を凝らした演出となっている。
ソン・ガンホ、イ・ビョンホン、キム・ナムギルなど歴代級とも言われる俳優陣が揃い、超話題作と期待されたが、韓国国内での成績は振るわなかった。
純製作費は、歴代ショーボックス映画の中で最高の260億ウォン(約26億円)がかけられ、損益分岐点は500万人。しかし、観客動員数は約206万人に留まり、損益分岐点の半分にも満たなかった。
![『非常宣言』](https://danmee.jp/wp-content/uploads/2023/09/common-2-714x1024.jpg)
『非常宣言』(画像出典:NAVER)
●韓国公開日:2022年8月3日
●出演:ソン・ガンホ、イ・ビョンホン、キム・ナムギル、チョン・ドヨン、イム・シワン 他
●損益分岐点:500万人動員
●観客動員数:約206万人
ザ・ムーン (2023)
不運な事故で宇宙に取り残されてしまった1人の宇宙隊員と、彼を無事地球へ帰還させようとする元宇宙センター長の奮闘を描いた感動大作。
月探査を題材にした初の韓国映画にかけられた純製作費は、破格の280億ウォン(約28億円)。SF作品として特殊効果が高く評価された一方で、無理に感動を誘うような演出に違和感を覚えた観客もいたようだ。
損益分岐点は600万人動員だったが、最終的な観客動員数は約51万人と残念な結果に終わった。
![『ザ・ムーン』](https://danmee.jp/wp-content/uploads/2023/06/koreanmovie-TheMoon-715x1024.jpg)
『ザ・ムーン』(画像出典:CJ ENM MOVIE)
●韓国公開日:2023年8月2日
●出演:ソル・ギョング、ド・ギョンス(EXO D.O.)、キム・ヒエ、パク・ビョンウン、チョ・ハンチョル 他
●損益分岐点:600万人動員
●観客動員数:約51万人
非公式作戦 (2023)
モロッコで撮影された本作は、1986年のレバノン韓国外交官拉致事件をテーマにした物語。失踪した同僚を救うためにレバノンに向かった外交官と、詐欺師気質の濃い現地の韓国人タクシー運転手の2人が繰り広げる、バディーアクションムービー。
大規模な海外ロケーションと、ハ・ジョンウとチュ・ジフンの息の合った演技に期待が寄せられたが、作品のジャンルや素材が『モガディシュ 脱出までの14日間(2021)』や『交渉(2023)』に似ているとも言われ、観客動員は伸び悩んだ。
純製作費は200億ウォン(約20億円)で、損益分岐点は500万人。最終観客動員数は約105万人と、損益分岐点の1/5程度に留まった。
![『非公式作戦』](https://danmee.jp/wp-content/uploads/2023/07/koreanmovie-Ransomed-715x1024.jpg)
『非公式作戦』(画像出典:SHOWBOX)
●韓国公開日:2023年8月2日
●出演:ハ・ジョンウ、チュ・ジフン 他
●損益分岐点:500万人動員
●観客動員数:約105万人
保護者 (2023)
10年ぶりに出所し知らなかった娘の存在を知ったことで、平凡に暮らしたいと願うスヒョク(チョン・ウソン扮)と、彼を狙う人々の物語を描いたアクション映画。
公開前は、主演のチョン・ウソンが長編映画の初監督を務めたことで話題になったものの、公開後は、観客の良い口コミを得られなかった。
製作費は80億ウォン(約8億円)で、損益分岐点は160万人動員だったが、国内観客動員数は約12万人と惨敗に終わった。
![『保護者』](https://danmee.jp/wp-content/uploads/2023/09/movie-A-Man-of-Reason-717x1024.webp)
『保護者』(画像出典:namuwiki)
●韓国公開日:2023年8月15日
●出演:チョン・ウソン、キム・ナムギル、パク・ソンウン、パク・ユナ、キム・ジュナン 他
●損益分岐点:160万人動員
●観客動員数:12万人
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