4月17日に放送が開始したドラマSBS新金土ドラマ‘ザ・キング:永遠の君主’。視聴率は上々の滑り出しを見せ、第3話以降も気になる謎の数々に、視聴者はさらに夢中になりそうだ。
*この記事にはネタバレが含まれています、ご注意ください。
ついにベールを脱いだSBS新金土ドラマ‘ザ・キング:永遠の君主(ハングル 더 킹-영원의 군주)’(以下、ザ・キング)。
’ヒットメーカー’である脚本家のキム・ウンスクと、イ・ミンホ (ハングル 이민호)&キム・ゴウン(ハングル 김고은)のキャスティングの段階からすでに話題を集めていた本作は、今月17日に初回放送を迎え、第1話の視聴率は10.1%、翌18日の第2話は11.4%(ニールセンコリア 全国基準)を記録して、順調な船出となった。
第1話では、皇帝である腹違いの弟(イ・ゴンの父親)を殺したイ・リム(イ・ジョンジン / ハングル 이정진)が、次元の門を開けて大韓大国と大韓民国の2つ世界を行き来しながら悪事を企て、大韓大国の皇帝としてたくましく成長したイ・ゴン(イ・ミンホ)は、25年待ちわびた末、大韓民国でチョン・テウル(キム・ゴウン)と出会った様子が描かれた。
これまでの物語は、人物が過去や未来へ行くタイムスリップを素材にしたものは多くあったが、並行世界は見慣れていない。第1話でも、大韓大国と大韓民国の人物が交差して登場することがなく、それが視聴者の混乱を招き、基本概念に集中していると、キャラの魅力を見落としてしまうくらいだ。
しかし、第2話では大韓民国で出会ったイ・ゴンとチョン・テウルを中心に物語が進行し、しっかりとドラマの世界観に引き込ませた。自分が並行世界に来たことを知ったイ・ゴンを、おかしな人扱いする刑事のチョン・テウルの対立が笑いを誘う。
韓国の芸能ニュースでは概ね’キム・ウンスクのファンタジーロマンス’という共通分母と’キム・ゴウン’の登場だけで、2つのドラマの似ている部分を比較対象としている。たしかに’トッケビ’以来のキム・ウンスク作品であるし、両作品共に相手が自分が探していた存在だったということは同じだ。そしてその相手がキム・ゴウンであることも。しかし、実際にこの作品を観た者として、‘似た描写’というにはいささか無理やりすぎるのではないかと思う。
キム・ゴウン演じるチョン・テウルは、テコンドー道場を経営する父親から鍛えられたゆえの気質を持ち合わせていることが話の展開で伝わってきたし、‘トッケビ’のチ・ウンタクが’死’と向き合わざるを得なかったせいで形成された’強さ’とは、一線を画していた。そして先に記したように、第1話は物語の時間軸の謎やその他もろもろを把握するのに精いっぱいで、筆者は‘トッケビ’を思い出すひまなどなかったのである。唯一‘トッケビ’を思い出したのは、第2話の高校時代を再現した制服姿ぐらいだ。
そもそも扱っていたテーマ自体が、どちらも違う方向の異質世界である。わざわざ比較するなど、作家に対しても失礼極まりない。‘ザ・キング’を、作者を知らずに観た視聴者が「‘トッケビ’と似てるな」と感じるだろうか、おそらく感じないだろう。
‘ザ・キング’には‘ザ・キング’だけの楽しみ方がある。これから視聴する人には、一切の前情報はさておいて、作品そのものをぜひ楽しんでもらいたい。
ドラマ‘ザ・キング:永遠の君主 OST Part 1 / Zion.T ‘I Just Want To Stay With You’ MV(動画出典:Stone Music Entertainment)
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