来る5月に開催が決定した『第58回 百想(ペクサン)芸術大賞』。今回ノミネートされた作品は、韓国放送局で放映された作品に加え、Netflix(ネットフリックス)をはじめとしたOTTサービスで配信されたドラマも名を連ねている。世界的ヒットとなった作品も顔を揃えたことから、『百想芸術大賞』が世界的な授賞式へと進化していくのではないかと期待されている。

来る5月に開催が決定した、『第58回 百想(ペクサン)芸術大賞』。

韓国はもちろん、日本をはじめとした海外のドラマファンが最も注目する賞レースだ。

『百想(ペクサン)芸術大賞』とは

『百想芸術大賞』は、韓国にて年に1度開催される総合芸術賞で、”韓国のゴールデングローブ賞”とも呼ばれている。韓国芸能人にとって最もグレードが高く、評価の高い授賞式でもある。

表彰は、TV部門(ドラマ、芸能、教養)、映画部門、演劇部門があり、過去1年間に放映、上映、公演された作品の制作スタッフと出演者が表彰される。

この中でも特に注目を集めているのは、TV部門のドラマ作品だ。

ドラマの審査対象(基準)は、2021年4月12日から2022年3月31日まで、地上波、総合編成、ケーブルチャンネル、OTTサービス、ウェブなどに提供されたコンテンツ(最低4部作、連作の場合は1/3以上放送された作品)だ。

つまり、海外でも視聴可能なNetflix(ネットフリックス)などで配信された作品(オリジナルシリーズ)もノミネート対象となっている。

『イカゲーム』『未成年裁判』『赤い袖先』‥錚々たる作品がノミネート

今回、ノミネートされたドラマ作品は、韓国でいう”歴代級”のラインナップとなった。

どの部門でも熾烈な接戦が予想されるものの、特に目を引いたのは”最優秀演技賞”だ。

女優のキム・ヘスはNetflixオリジナルシリーズ『未成年裁判』に主演した

Netflixオリジナルシリーズ『未成年裁判』に主演した、女優のキム・ヘス(画像出典:キム・ヘス公式Instagram)

まず、”最優秀演技賞”の女優部門には、Netflixオリジナルシリーズ『未成年裁判』で、独特のカリスマ性と卓越した演技力を披露したキム・ヘス。

続いて、Netflixオリジナルシリーズ『マイネーム: 偽りと復讐』で高難易度の派手なアクションに挑戦し、シリアスな極上演技を披露したハン・ソヒ、成人女性でありながらも、純粋な高校生キャラクターとフェンシング選手という難しい演技を見事にこなした、tvN(Netflix)『二十五、二十一』のキム・テリの名が挙がっている。

さらに、冷え切ったドラマ界に旋風を巻き起こした韓国時代劇、MBC『赤い袖先(原題/袖先赤いクットン)』のイ・セヨンと、KBS2(Netflix)『恋慕』のパク・ウンビンもノミネートされた。

俳優のイ・ジョンジェは世界的大ヒット作『イカゲーム』で主人公を演じた

世界的大ヒット作『イカゲーム』で主人公を演じた、俳優のイ・ジョンジェ(画像出典:韓国Netflix)

女優部門の豪華さに劣ることなく、俳優部門も錚々たるメンバーが顔を揃えた。

まず、Netflixオリジナルシリーズから、世界的な人気を博した『イカゲーム』のイ・ジョンジェ、軍隊内の不条理を扱う『D.P.─脱走兵追跡官─』のチョン・ヘインの名が挙がっている。

次に、有能な国税庁公務員に扮し熱演した、MBC『トレーサー』のイム・シワンと、惹きつけるストーリーで大好評を博したSBS『悪の心を読む者たち』のキム・ナムギル。

ノミネートされた、MBC『赤い袖先』の主演俳優、ジュノとイ・セヨン

MBC『赤い袖先』で主演を務めた、ジュノとイ・セヨンもノミネート!(写真提供:©スポーツ韓国)

最後に、ヒロイン役のイ・セヨンとともに”最優秀演技賞”候補に名前を連ねた、MBC『赤い袖先』のジュノ(2PM)というメンバーが揃った。

『百想芸術大賞』が世界的な授賞式になる?

ノミネートされたドラマのラインナップを見ただけでも、韓国国内だけでなく、海外で爆発的な人気を得た作品が多い。

これまでは、審査対象が地上波やケーブルチャンネルが主となっていたこともあり、韓国国内や日本をはじめとしたアジア圏のドラマファンの間だけで話題となっていた授賞式だった。だが、OTTサービスの作品も対象となったことで、世界的な話題作もノミネートされるようになった。

この流れを見ると、世界中にいる韓国ドラマファンから注目される、”世界的”な授賞式になる日も近いように感じる。

『マイネーム: 偽りと復讐』はNetflixで配信され、話題と人気を得た

Netflixで配信され、話題と人気を得た『マイネーム: 偽りと復讐』(画像出典:Netflixkr 公式Instagram)

ドラマを世に送り出すプラットフォームが多様化している現在、その流れを審査対象に組み込んだ『百想芸術大賞』の柔軟な姿勢も評価されている。

韓国ドラマが進化を遂げるように、歴史と伝統、そして権威ある授賞式『百想芸術大賞』も、先陣を切って進化し続けている。このような姿勢を見ると、すでに世界に向けて発信されている”韓国ドラマ”を称賛する、その授賞式も同じように注目を浴び、世界的に権威のある式典になっていくのではないだろうか。

『第58回 百想芸術大賞』は、来る5月6日に京畿道一山(キョンギド・イルサン)KINTEXで開催される。




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