• 手軽に気軽に観ることができるOTTの普及により、さらに身近な存在になった韓国ドラマ。
  • 韓国の脚本家が一から手掛けた作品や、韓国の小説・漫画を題材にした作品といった韓国産のドラマが大半を占める中で、海外の作品をリメイクしたドラマが大ヒットする場合も。
  • 今回、本記事では日本の少女漫画を原作にした「花男」と「イケパラ」の日韓版を天秤にかけてご紹介。

手軽に気軽に観ることができる動画配信サービス、OTTの普及によりさらに身近なコンテンツとなった韓国ドラマ。

韓国の脚本家が手掛けた作品や、韓国の小説・漫画を原作にした作品が大半を占める中、時々海外の作品をリメイクしたドラマが制作され、大ヒットするケースも。

反対に元祖作品のキャラクターや、彼らが織りなす世界観が視聴者の脳裏に焼き付いており、期待作ながらも不発に終わってしまう場合も少々。

そこで本記事では、日本の少女漫画を原作にしたイ・ミンホ出世作の『花より男子~Boys Over Flowers』(通称 花男)と、日本でも大人気のSHINeeミンホが主演を務めた『花ざかりの君たちへ』(通称 イケパラ)に注目。

元祖作品にとどまらず、日韓で成功裏に幕を閉じた各作品の日本版と韓国版を天秤にかけ、それぞれどのような違いがあるのかに迫る。

『花より男子』

1992年から2004年にかけて日本漫画雑誌『マーガレット』(集英社)に連載された『花より男子』。

韓国版『花より男子』(画像出典:KBS)

『花より男子』をはじめ、『キャットストリート』(「マーガレット」にて2004年~2007年連載)や「花男」の続編を描いた『花のち晴れ〜花男 Next Season〜』(「少年ジャンプ」にて2015年~2019年連載)など、数々のヒット作を生み出した漫画家の神尾葉子氏が作画した。

本作は、貧しい家庭で育った牧野つくし(韓国版はクム・ジャンディ)が、とあることから富裕層の子息らが通う学園に入学し、その学園を支配する「F4」たちと衝突しながら繰り広げる学園物語。

日本では『マーガレット』連載終了後の2005年10月21日~同年12月16日まで、TBSでパート1の『花より男子』が放送。さらに2年後の2007年1月5日~同年3月16日まで続編となる『花より男子2 (リターンズ)』が放送され、若年層だけでなく幅広い世代にも愛され、両作ともに最高視聴率20%超を記録し大ヒットした。

一方、韓国では『花より男子~Boys Over Flowers』というタイトルで、KBS2で2009年1月5日~同年3月31日まで放送。原作ファンだけでなく、作品を目にしたことがない韓国視聴者からも多くの支持を受け、日本版を超える最高視聴率32.9%を叩き出した。そして主演を務めたイ・ミンホの出世作としても有名。

ヒロインの入学理由

日本版のヒロイン、牧野つくし(井上真央扮)は会社員の父、牧野晴男(小林すすむ扮)と主婦の牧野千恵子(石野真子扮)との間に生まれた明るく気の強い少女。

母、千恵子の「娘を玉の輿に乗せたい」という願望からお金持ちの子息らが通う英徳学園に不本意ながらも進学することに。

クム・ジャンディ(=牧野つくし)役を演じたク・ヘソン (画像出典:KBS)

一方、韓国版ではクリーニング屋を営む父クム・イルボン(アン・ソクファン扮)と母ナ・コンジュ(イム・イェジン扮)、弟のガンサン(パク・チビン扮)とともに暮らす正義感の強いクム・ジャンディ(ク・ヘソン扮)がヒロイン。

ジャンディはもともと有名な高校の水泳選手で、ひょんなことから水泳特待生として庶民が通えるレベルとはかけ離れているセレブな神話高校に編入することなる。

日韓ともにヒロインの境遇や、性格などはほぼ同じように描かれているものの、一般家庭で育ったヒロインがなぜ、セレブ級の学校に入学することになったのか、入学理由が韓国版ではアレンジを加えている。日本版は原作漫画と同様に、母親の意向となっている。

いじめシーン

日韓同様に、ヒロインを精神的に追い込むようないじめシーンが多数盛り込まれた。

韓国で問題視させたいじめシーンの一部 (画像出典:KBS)

しかし韓国版を観た日本の韓ドラファンからは、日本版よりも韓国版の方が陰湿ないじめのスケールが大きいと言った声が寄せられた。

いじめシーンについて日本では大きく問題視されることはなかったが、実際に韓国では放送中の2009年3月18日に韓国放送通信審議委員会から「F4らによる校内暴力などの過度な暴力描写と、歪曲された価値観を植え付ける恐れのある状況を描写し、放送審議規定に違反した」と警告した。

『花ざかりの君たちへ』

白泉社出版の漫画雑誌『花とゆめ』で1996年から2004年の約8年間にわたり連載された『花ざかりの君たちへ』。

韓国版『花ざかりの君たちへ』(画像出典:SBS)

1994年に『花とゆめ』23号掲載の『ハートの果実』で作家デビューを果たした中条比紗也氏の代表作でもある。

本作は、帰国子女の芦屋瑞稀(堀北真希/前田敦子扮)(韓国版はソルリ)が、中学時代に一目ぼれした走り高跳び選手の佐野泉(小栗旬/中村蒼扮)(韓国版はSHINeeミンホ)にもう一度跳んでほしいという思いから男性に扮し桜咲高校に編入するところから始まる青春ラブコメディ。

日本では2007年に堀北真希、小栗旬、生田斗真が主演を務めた作品と、2011年に前田敦子、中村蒼、三浦翔平でリメイクされた作品の2作品が放送された。

2007年版では最高視聴率21.0%を記録したものの、リメイク版では惜しくも最高視聴率10.1%という結果に。

一方韓国では、SBSで2012年8月から10月の約2カ月間にわたり放送。ソルリさん、SHINeeのミンホ、イ・ヒョヌが主演を務めた。

日本にはないキャラクター

漫画原作には、ヒロインの芦屋瑞稀をはじめ佐野泉、中津秀一、中央千里、梅田北斗、神楽坂真言、難波南などといった役柄が存在し、日本版も原作をもとにした登場人物たちが作品を盛り上げた。

韓国版も芦屋瑞稀=ク・ジェヒ(ソルリ扮)、佐野泉=カン・テジュン(ミンホ(SHINee))、中津秀一=チャ・ウンギョル(イ・ヒョヌ扮)、中央千里=ソン・ジョンミン(ファン・グァンヒ(ZE:A))、梅田北斗=チャン・ミヌ(キ・テヨン扮)など日本版同様のキャラクターが登場するものの、韓国版のみでしか見ることが出来ない登場人物が存在する。

カン・ギュンジュン演じる体育教師ピョン・グァンミン (画像出典:SM C&C)

そのひとり、カン・ギュンジュン演じる陸上部出身の体育教師ピョン・グァンミンは、完全韓国オリジナルのキャラクター。学生たちをいびり、別名「狂犬病」と呼ばれるグァンミンだが、国語教師ソジョン(イ・ヨンウン扮)に片思いする純粋な一面も持つ人物。

ちなみに『太陽の末裔 Love Under The Sun』(KBS/2016)などの人気作で主演を務めたキム・ジウォン扮するソル・ハンナ(=山科理香)は、日本版では2011年版の第2話にゲスト枠として登場する。韓国版のようにメインキャラクターではない。

キャラ設定変更

韓国版では日本版とは異なるキャラクター設定が存在する。

SHINeeミンホ演じるカン・テジュン (画像出典:SM C&C)

まずSHINeeミンホ扮するカン・テジュンは、高跳び選手として活動する傍ら、優れたルックスでタレント活動まで行い、多くの女性ファンがいるという設定。日本版では将来有望とされていた高跳び選手だった。

次に、日本版の中央千里にあたるソン・ジョンミンは、イ・ヒョヌ演じるチャ・ウンギョルに想いを寄せる役柄。しかし日本版を見ると学園で浮いていた自身に優しくしてくれた南を好きになったという風に描かれている。

そして本作で守護神のような存在の保健医チャン・ミヌ(梅田北斗)と、ハ・スンニ(難波南)は他人という設定だが、日本版では梅田は南の叔父にあたるキャラクターとして登場。

細かな部分ではあるが、登場人物の環境、関係性などを韓国版では少し変更している。

*****

韓国版では原作・日本版にはないアレンジを加えた部分もあるが、大幅な設定変更などはないため、原作ファンも日本版ファンも気軽に観ることができるのでは?

現在日本では『花より男子~Boys Over Flowers』のみ視聴可能。

Netflix、FOD、Hulu、Abema、Amazon Prime Video、Rakuten TV、みるアジアで配信中だ。(2023年10月12日現在)

ダンミ ニュース部

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