- Disney+(ディズニープラス)オリジナルシリーズの『ムービング』が今、韓国で大人気となっている。
- そんな中、Disney+は事実上、既存の月額料金を4,000ウォン(約400円)引き上げることを決定。
- 韓国では「ヒット作が出たことで、名分を掲げて消費者負担を増大させている」と非難の声が上がっている。
現在、ドラマ『ムービング』で大ヒットを飛ばしているDisney+(ディズニープラス)が、韓国内での利用料引き上げに踏み切った。
Disney+オリジナルシリーズの『ムービング』は8月9日に公開され、全20話中の第7話までを一挙配信。その後は毎週水曜日に、2話ずつ公開されている。
ストーリーは、超能力を隠して暮らしている子どもたちと、過去の辛い秘密を胸に秘めて生きてきた親たちが、時代と世代を越えて押し寄せる巨大な危機に共に立ち向かっていくヒューマンアクション。
原作は韓国で大人気の同名ウェブトゥーンで、実写化にかけられた制作費は、韓国ドラマ史上最高額の約650億ウォン(約65億円)と言われている。
さらにキャストは、リュ・スンリョン、ハン・ヒョジュ、チョ・インソン、チャ・テヒョン、リュ・スンボムなど超豪華な役者陣が揃ったことで、公開前から大きな話題を集めていた。
そしていざ公開されると、アクションシーンや超能力の描写の完成度が高く「見応え抜群!」と、韓国国内だけではなく、世界的に好評を博している。
その反響の高さと人気ぶりから「もしNetflix(ネットフリックス)で配信されていたら、『イカゲーム』を超えたのでは!?」といった反応も寄せられている。
韓国メディアのヘラルド経済によると、Disney+は『ムービング』の人気で、8月に最も多い利用者数増加率を記録し、7月の1日平均25万人から37万人と、前月比の48%も上昇したという。
さらに、アプリの週間使用時間も歴代最大となり、『ムービング』公開前の8月第1週0.8億分と比較して、公開後は週間使用時間が130%アップしたことが分かった。
そんな歴代級作品との呼び声高い『ムービング』を前面に押し出し、OTT市場での逆転を狙うDisney+が打ち出したのが「料金の引き上げ」。
韓国では、「ヒット作が出るやいなや、名分を掲げて消費者負担を増大させている」といった非難の声が上がっている。
Disney+は、9月6日の通知事項の中で「11月1日以降、新規加入者は、新しいメンバーシップタイプと料金体系が適用される」と明らかにした。
韓国のDisney+は従来、月額料金9,900ウォン(約990円)、年間料金9万9,000ウォン(約9,900円)の単一メンバーシップで運営してきた。
しかし、11月1日からは、月額9,900ウォン(年間9万9,000ウォン)の“スタンダード”と、月額1万3,900ウォン(年間13万9,000ウォン)の“プレミアム”の2つのメンバーシップに分かれる。
両メンバーシップはいずれも広告ベースの料金プランではなく、コンテンツダウンロードも制限なく利用できるが、画質、オーディオ、同時接続可能人数などの技術仕様で差がある。
なお、“プレミアム”の仕様は、従来の単一メンバーシップと同じため、事実上、既存の月額料金を4,000ウォン(約400円)引き上げたことになる。
そしてその代わりに、既存メンバーシップより画質が低く、同時接続可能人数も減らした“スタンダード”を新たに追加した。
料金の値上げは、Disney+に限ったことではないが、韓国進出当時、Netflixの対抗馬に挙げられるほどの期待を受けたDisney+には、ずさんな翻訳や不親切な字幕が目立ち、利用者からは不満の声が上がっていた。
しかも、8月16日には『ムービング』の配信で、再生エラーの不具合も発生。
「世界的なストリーミングサービス」と自負するDisney+に対し、利用者からは「近所の小さな商店レベル」とディズる声もあったという。
主演のリュ・スンリョンは「深刻なエラーが出たようだ」と自身のSNSでエラーについて言及し、俳優自ら解決策を共有するなど対応した。
今、韓国で大人気の『ムービング』は、「神作品」として高く評価されている。
しかしDisney+自体は、ずさんなサービスと料金引き上げにより、非難を受けている状況。
「『ムービング』以外は見るものがない‥」という反応も聞こえる中、『ムービング』の全話配信後の利用者数がどう変わってくるかが気になるところ。11月からの値上げは、吉と出るか凶と出るか。
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