- 最近、Disney+(ディズニープラス)に、韓国のオリジナルコンテンツ制作から撤退という噂が広がった。
- しかし、莫大な制作費を投じた新作『ムービング』を公開すると、高い話題性と人気を獲得。
- 「Disney+が最後の賭けに出た」とも言われている作品が、一気に救世主として浮上したようだ。

Disney+オリジナルシリーズ『ムービング』(画像出典:Disney+Korea)
8月9日から、Disney+(ディズニープラス)オリジナルシリーズ『ムービング』の配信がスタートした。
韓国で大人気の同名ウェブトゥーンが原作の本作は、超能力を隠したまま現在を生きる子どもたちと、過去の辛い秘密を隠したまま生きてきた親たちが、時代と世代を越えて押し寄せる巨大な危険に共に立ち向かう、スーパーアクションヒーローものとなっている。
超能力を素材としたアクションスリラーは、韓国国内で初めての試み。
実写化のためにかけられた制作費は、なんと約650億ウォン(約65億円)! これは、韓国ドラマ歴代最高額だという。
さらには、リュ・スンリョン、ハン・ヒョジュ、チョ・インソン、チャ・テヒョン、リュ・スンボム、キム・ソンギュン、キム・ヒウォン、ムン・ソングンといった超豪華なキャスティングも実現。
莫大な制作費が投じられた見ごたえ抜群の話題作は、配信前から大きな話題となっていた。
そしてついにベールを脱いだ『ムービング』。ドラマのレビューサービスを提供するfilmarks(フィルマークス)では、【★4.3/5.0】と早速高い評価を受けている。

制作発表会に出席した、豪華出演者たち (写真提供:ⓒ スポーツ韓国)
公開後早くも好評を得ている『ムービング』だが、実は配信前には、期待とともに憂慮の声も上がっていた。
それは、Disney+がこれまでに様々なオリジナルシリーズ作品を出したものの、興行と話題性の部分で「大成功」と言える成績を収めていないからである。
最近は、韓国のオリジナルコンテンツ制作から手を引くという噂も広がっていたことから、破格の制作費と超豪華な俳優陣で臨む『ムービング』は「Disney+が、最後の賭けに出た作品」とも囁かれていた。
実際に『ムービング』が世に出るまでには、かなりの時間を要した。
まず2017年にドラマ化のニュースが伝えられ、2020年にキャスティングが浮上、2021年下半期に撮影がスタート。それから約1年かけて撮影されたが、公開までにはさらにもう1年かかっている。
CGの編集作業などにも時間がかかったようだが、当初公開は2022年中と言われていたものの、なかなか公開日が決まらなかった。
2022年11月には“近日配信予定”と発表されるも、その後は具体的な日付が出なかったことから「本当にお披露目されるの?」「残念な結果になるのでは?」といった心配の声も上がっていた。

メインキャストの3人。左からチョ・インソン、リュ・スンリョン、ハン・ヒョジュ。(画像出典:Disney+Korea)
そして2023年8月9日、視聴者の多くの期待と不安を背負いながら、ついに『ムービング』が公開された。
まずは、全20話中の第7話までが一挙配信されたが、登場人物を1人ずつ主人公にしたエピソードと、各キャラクターの細かな描写が盛り込まれ、華麗なアクションシーンと俳優陣の好演が没入度を高めた。
視聴者の評価や話題性も上々で、K-コンテンツの競争力分析専門機関である、gooddata(グッドデータ)コーポレーションの調査結果によると、テレビドラマとOTTオリジナルドラマ25作品のうち、8月2週目の話題性が、15.9%の占有率で1位となっている。
さらに、全世界OTTプラットフォーム内のコンテンツの視聴順位集計サイトであるフリークスパトロールでは、8月14日基準で、“Disney+ワールドワイドテレビ番組部門”のトップ21に入り、台湾、シンガポール、香港、日本では公開と同時に1位を獲得する人気を見せた。
ネット上には、日本の視聴者から「7話まで一気見した」「テンポがよくておもしろい」「早く続きが見たい!」などのコメントが上がっている。
一時は公開されるかも心配されたが、視聴者の不安を吹き飛ばし、オリジナル作品の不振に悩んでいたDisney+の救世主として一気に浮上した、話題作『ムービング』。
世界中の韓ドラファンの関心を集めているドラマは、8月16日に第8話・第9話を公開後、毎週水曜日に2話ずつ配信される。
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