- 約20年前、日本に初めて韓流ブームを巻き起こしたのは『冬のソナタ』(KBS2/2002)がきっかけだった。
- 本作を含めた四季シリーズ『秋の童話』(KBS2/2000)、『夏の香り』(KBS2/2003)、『春のワルツ』(KBS2/2006)は、韓ドラファンなら知らない人はいないほど有名な作品だ。
- Danmee(ダンミ)では、これら4作に関する隠れたエピソードを4回にわけて紹介、第1弾は『冬のソナタ』を取り上げる。

韓国ドラマが日本で親しまれるきっかけとなった『冬のソナタ』(画像出典:naver drama 冬のソナタ)
日本で韓国ドラマが親しまれるようになって約20年が経過した。
そんな中、韓流創成期のヒット作を振り返るメディアが増えており、スカパー!でも、ユン・ソクホ監督の四季シリーズ『秋の童話』(KBS2/2000)、『冬のソナタ』(KBS2/2002)、『夏の香り』(KBS2/2003)、『春のワルツ』(KBS2/2006)が11月まで順に放送される。
韓流を語るうえで抜きにはできない名作で折に触れ必ず登場、韓ドラファンなら知らない人はいないほど有名な4作だ。
しかし意外にも四季シリーズには、あまり知られていないエピソードが。そこでDanmee(ダンミ)では、同シリーズの隠れた逸話をご紹介。
第1弾は、韓流ブームの出発点となった『冬のソナタ』を取り上げる。
日本で空前の’冬ソナブーム’
本作といえば、”雪だるまキス”や劇中ペ・ヨンジュンが巻いていたマフラーの巻き方が“ヨン様巻き”と言われるなど、社会現象を巻き起こした作品。
街には冬ソナグッズが溢れ、テレビをつければペ・ヨンジュン扮するチュンサンのパロディーをする芸能人の姿も目立った。
そしてそんな時に必ずと言ってもよいほど流れるのがあの音楽、『冬のソナタ』のオープニングテーマ曲、Ryuの『最初から今まで』だ。

『最初から今まで』CDジャケット(画像出典:genie)
ドラマを観ていない人でも知っているほど、当時あちこちから流れていた楽曲で本作を象徴するものの1つ。
美しいメロディーが作品とともに多くの人に愛され、2004年の『第55回NHK紅白歌合戦』(NHK)にRyuが出場、同年に開催された『第46回日本レコード大賞』では特別賞を受賞したことも。
また2年前には日テレ系音楽の祭典『THE MUSIC DAY』の8時間スペシャルで生歌を披露。冬ソナファンの間で話題となり、いまだ色褪せない人気を誇った。
ところがこの楽曲、何度か世間をざわつかせたことがあるのをご存じだろうか。
突如浮上した盗作疑惑
その1つが”盗作疑惑”だ。1980年にデビューした男性フォークデュオ・雅夢の楽曲『愛はかげろう』のサビ部分に酷似しているという声が上がったのだ。
あくまで疑惑止まり、真実は明らかになっていないようだが似ていると感じた人が多く、『愛はかげろう』が再注目されるなど話題となった。
またそんな中、著作権問題が浮上。韓国メディア・連合ニュースは、2004年10月16日に産経新聞が「『冬のソナタ』の主題歌をはじめ、1700曲以上の韓国歌謡に対する著作権侵害訴訟を起こした」とのニュースを引用してこれを報じている。
「日本で韓国の楽曲の著作権を管理する”アジア著作協会”が、大手カラオケ業者”第一興商”を相手に約9憶5000万円の損害賠償を求める訴訟を10月15日までに東京地裁に起こした」というものだ。
アジア著作協会は2003年6月以降、業界団体などを介して交渉してきたが、第一興商側が無断使用をやめないため訴訟に踏み切ったという。
結論は、一部容認、同曲を含む大半については請求を退けた。
しかしこれにより著作権問題が難航していたことから一時、『最初から今まで』は日本のカラオケから姿を消すことに。ついこの間プレイリストに名を連ねていたのに、ある日突然いくら探しても見つからず、当時残念な気持ちになった人もいたのではないだろうか。
盗作疑惑が原因でカラオケで禁止された時期があったと勘違いされることもあるが、実は著作権をめぐる訴訟が関係していた。
またこれ以外にも『冬のソナタ』で使用された楽曲は著作権関連の問題が尽きず、2010年3月には『冬のソナタ 韓国KBSオリジナル・ノーカット完全版 DVD-BOX』の発売延期に際し、発売元であるソニー・ピクチャーズエンタテインメントが全国紙に全面広告を掲載する事態に。
劇中に登場する一部音楽の著作権がクリアになっておらず、音楽の権利者を探しているというもので情報提供まで呼びかけたことがあった。
爆発的人気の裏にあった大人の事情。様々な要因が足かせとなりながらも、そこまで問題がクローズアップされることなくいまだ人々の記憶に深く残り続けているのをみると、改めて『冬のソナタ』の影響力の大きさを実感させられる。
『最初から今まで』
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