- 韓国時代劇は、韓流ブームが日本に到来した2000年代序盤から今日まで、長きに渡り韓ドラファンを楽しませている。
- しかし、人気作に挙げられるのはレギュラー化されており、ほぼ変化がないのが特徴だ。
- 本記事では、そんな有名なドラマの陰に隠れ世間にあまり知られていないが、実は意外と高評価を得たドラマを紹介する。
韓国時代劇といえば、日本で根強い人気を誇るジャンルの1つだ。
第1次韓流ブームが起こって以降、『宮廷女官チャングムの誓い』(MBC/2003)にはじまり近年では『赤い袖先』(MBC/2021)など数多くの史劇が韓ドラファンを楽しませてきたが、人気作に挙げられるものはラインナップがほぼ決まっており大きな変動がない。
しかし実は、さほど有名でなく話題に上がることも少ないが、一部視聴者からは面白いと好評を得た作品がある。
そこで本記事では、ノーマークの人が多いが、意外と高評価だった韓国時代劇を5つ紹介する。
本国での反応が良かったもので、かつ映画やドラマなどのレビューサービスfilmarks(フィルマークス)での評価が高い作品をピックアップした。
王女の男 (2011)
評価 ★3.9/5 レビュー評価数69件

『王女の男』(画像出典:KBS)
1453年に起こった宮廷クーデター事件”癸酉靖難(きゆうせいなん)”を背景に、父の首陽大君と恋人の間で葛藤する王女セリョン、愛と復讐の間で悩み苦しむキム・スンユが繰り広げる朝鮮版ロミオとジュリエット。
韓国では、ストーリーが面白く、登場人物のキャラクターが好評を得た作品で、フュージョン史劇でありながら、本格時代劇よりも歴史上の人物の姿を忠実に描いている点が高く評価された。
filmarksでも、物語の展開をはじめ、史実とフィクションが絶妙にミックスされている点を称賛する声が上がっており、中には涙なしには見られない「悲恋の行きつく先が気になった」という声も。
●出演:パク・シフ、ムン・チェウォン他
●現在視聴可能な動画配信サービス:
・U-NEXT
・TELASA
王女の男
ペク・ドンス (2011)
評価 ★3.9/5 レビュー評価数47件

『ペク・ドンス』(画像出典:SBS)
朝鮮時代後期、正祖(チョンジョ)の護衛武士を務めた朝鮮最強の武士ペク・ドンスと、正祖の暗殺を企てる刺客集団との対決を描いた物語。
チ・チャンウクもさることながら、ユ・スンホの熱演が好評を得た作品で、悲劇的なキャラクターと人を殺めてしまう不吉な相、”殺星”を持って生まれたことに苦悩する姿が、彼のずば抜けたビジュアルと相まってドラマは大きな支持を得た。
filmarksには、チ・チャンウク&ユ・スンホのアクションシーンに釘付けになった人や、彼らをはじめペク・ドンスの子ども時代を演じたヨ・ジングの若かりし頃を見られる作品として、韓ドラファンに喜ばれている。その他、恋と友情の間で葛藤する三角関係を楽しんだ声もあった。
●出演:チ・チャンウク、ユ・スンホ他
●現在視聴可能な動画配信サービス:
・U-NEXT
・Rakuten TV
・Hulu
ペク・ドンス
帝王の娘 スベクヒャン (2013)
評価 ★4.1/5 レビュー評価数92件

『帝王の娘 スベクヒャン』(画像出典:MBC)
百済(クダラ)の第25代王・武寧(ムリョン)の娘ソルランと彼女の異父妹 ソルヒが、帝王の娘”スベクヒャン”の座を巡り繰り広げる物語。切ない愛と愛憎渦巻くロマンス時代劇だ。
主人公をはじめ悪役や脇役に至るまで、個性溢れる登場人物が魅力的で、細かな心理描写や人間関係が見どころの1つ。見る者の予想を超えるストーリー展開も放送当時好評を得た。
また出生の秘密を取り上げたストーリーは、現代劇でいえばドロ沼劇なのだが、緻密な設定によって深みがあり文学的だという印象を受けた人も多かったと言われている。
filmarksには、極悪非道なソルヒにイライラしたという感想が多数寄せられ、長編だが続きが気になり見るのをやめられなかったなど、ドラマに没入した人が多かったようだ。「見応えがある」など、脚本に対する評価も高い。
●出演:ソ・ヒョンジン、ソウ他
●現在視聴可能な動画配信サービス:
・DMM TV
・Rakuten TV
・Hulu
帝王の娘 スベクヒャン
緑豆の花 (2019)
評価 ★4/5 レビュー評価数54件

『緑豆の花』(画像出典:SBS)
日本でも人気を得た『六龍が飛ぶ Roots of the Throne』(SBS/2015)の監督と、『鄭道伝 チョン・ドジョン』(KBS1/2014)の脚本家がタッグを組んだ骨太な時代劇。
1894年に起こった甲午農民戦争を背景に、農民軍と討伐軍に別れ敵となった兄弟の熱い絆と哀しい運命を描いた波乱万丈なアクション大作だ。
本国のコラムニストやTV評論家から完成度が高いと絶賛された作品で、中でも架空の登場人物と実在した歴史上の人物がうまく調和している点が面白いとの評価が。
filmarksには、正統派の時代劇である点を楽しんだという声が多く、歴史ドラマ好きな人に好評の作品。中には、「主人公や家族、サブキャラまでかなり丁寧に人物感情描写が細かくて、その分思い入れが強くなって終盤の怒涛の展開には涙無くして観られないほど」というレビューも。
●出演;チョ・ジョンソク、ユン・シユン、ハン・イェリ他
●現在視聴可能な動画配信サービス:
・U-NEXT
・クランクイン!ビデオ
・Amazon Prime Video
・Rakuten TV
・TELASA
・Hulu
緑豆の花
朝鮮精神科医ユ・セプン (2022)
評価 ★4/5 レビュー評価数17件

『朝鮮精神科医ユ・セプン』(画像出典:tvN)
内医院の鍼灸師である事件によって鍼を打てなくなり精神科医となった天才医師ユ・セプンと、未亡人のソ・ウヌが繰り広げる心温まるロマンティックコメディー。病気の人には温かい処方を、悪いヤツには痛快な一撃を与える朝鮮時代の精神科医たちを描いている。
全2作からなるシリーズもので、本国では主演俳優の演技とケミストリーが物語をより一層盛り上げていたとの評価を得た。
filmarksには、大ヒット作『浪漫ドクターキム・サブ』シリーズの朝鮮時代版のようだと感じたという意見や、シーズン2を楽しみにしていたという人など、全体的にストーリーに満足したことがうかがえるレビューが目立つ。
日本で視聴可能な動画配信サービスがないことが影響してか、レビュー数が17件で決して多い方ではないのだが、全体的に良いコメントが集まっており、かつ評価も高いためラインナップに加えた。今後配信が決定すれば、話題作となる可能性を十分に秘めた作品だ。
●出演:キム・ミンジェ、キム・ヒャンギ、キム・サンギョン他
●現在視聴可能な動画配信サービス:
現在配信しているサービスなし
朝鮮精神科医ユ・セプン
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