- 韓国ドラマの最新トレンドと言えば、40-50代女性の物語。
- ENAが新作ドラマ『幸せバトル』の放送を開始したが、視聴率が低迷。
- 等身大の人気女優を起用するも、大きな注目を浴びておらず・・その原因は“陳腐な素材”にあるようだ。

『幸せバトル』で等身大のママ友を演じる5人の女優(写真提供:©スポーツ韓国)
最近、韓国ドラマの主役と言えば、断然“女性”である。
特に韓国の表現を借りて言うと、人性の甘さと苦さをすべて味わった、40-50代の女性がメイン。
『イルタ・スキャンダル -恋は特訓コースで- 』『ザ・グローリー』『医師チャ・ジョンスク』『代理店』など、ヒット作の多くが女性の“人生”と“事件”に焦点を合わせて、同年代の女性の反響を引き出している。
その物語にのめり込むのは、韓国女性だけではない。日本でも多くの韓ドラファンが、自分の事と照らし合わせながら、共感の声を上げている。
もはや韓国ドラマのトレンドになった、女性の物語。各制作会社もこの動きに歩調を合わせ、40代の人気女優を起用したドラマの制作に力を入れているという。
その1つが、現在ENAで放送中の『幸せバトル』。
5月31日に封切りとなった本作は、自分の幸せを守るため、他人の幸せを壊すという、40代女性のバトルを描いている。
子供が通う英語専門幼稚園で出会ったママ友同士が、“幸せ”を競いあっている中、1人のママ友が不可解な死を遂げてしまう。
事件の鍵を握りながら秘密を隠そうとする者と、それを明らかにする者の壮絶な戦いが盛り込まれており、放送前から話題を集めていた。
昨年大ヒットを記録した『ウ・ヨンウ弁護士は天才肌』以降、視聴率低迷が続いていたENAとしては「救世主になる」との意見も聞こえたが・・
しかしいざ蓋を開けてみると、視聴率は0%台(全国)と低迷。早くも「ENA復活はお預けになるのでは?」と、憂慮の声も聞こえているようだ。

ENAは復活できるか・・新作ドラマ『幸せバトル』(画像出典:ENAドラマ)
全16話のうち、2話までの視聴率で成敗を判断するのは、早すぎる。
だが、第1話の視聴率は0.7%にとどまった事が、暗雲の前兆として挙げられる雰囲気だ。
なぜなら、「今が旬」と言われる、等身大の40代女優が勢揃いしているためだ。
しかも、独自のキャラクターでドラマや映画ファンから高い支持を受ける女優陣であるため、ENAの落胆は大きい。
その面々を見ると、『トッケビ〜君がくれた愛しい日々〜』『私の解放日誌』で独特なキャラクターを披露したイ・エルや、映画『毒戦 BELIEVER』で観る者を圧倒する退廃的なカリスマを放ったチン・ソヨンなど。
他にも『黄金の仮面』のチャ・イェリョン、『シュルプ』のパク・ヒョジュなど、本作の世界観を広げるに最適な40代女優が集まった。
予想を下回る視聴率の理由は何なのだろうか。
一番の理由は、陳腐な素材。『幸せバトル』は、『SKYキャッスル ~上流階級の妻たち』『ハイクラス』の既視感を覚えてしまうという指摘が多い。
もちろん、既存作との差別化への工夫が散りばめられているものの、目が肥えた視聴者を満足させるには物足りなさがあるようだ。
第1話に比べ、わずかでありながら視聴率を上げている『幸せバトル』。しかし、ストーリーの大筋となる死亡事件が1話で描かれているため、視聴者の追加流入は難しいという悲観的な意見が多い。
『幸せバトル』
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